久「あら、宮永照? インターハイ以来ね。どうして清澄に?」
照「えっと」
久「もしかして、咲に会いに来たのかしら?」
照「うん」
久「そうだったのね! よし、私が部室に案内してあげる……と言いたいところだけど、これから生徒議会なのよね」
京太郎「部長? って、咲のお姉さん!?」
照(誰?)
久「須賀君、いいところに! 照さん、わざわざ咲に会いに来たんですって。部室まで案内してあげて」
京太郎「いいですよ。俺もこれから行くところでしたし、ちょうど良かったです」
照「えっと、須賀……君? お願いします」
京太郎「はい。麻雀部の部室って旧校舎にあるんで、すこし歩きますよ」
照「分かった」
――――
――
京太郎「へえ、白糸台ではそんな感じなんですね。うちは部員少ないからなぁ」
照「うちはたくさんいるからね。あ、そうだ……」
京太郎「どうしました?」
照「須賀君は『京ちゃん』って子、知ってる?」
京太郎「へ……?」
照「インハイで咲と仲直りした後、メールするようになったんだけど、よくその京ちゃんの名前が出てきて気になって」
照「中学からの同級生らしくて、麻雀部に入ったのもその子がキッカケなんだとか」
京太郎「…………」
照「でも清澄の麻雀部にそれっぽい名前の子はいなかったし、麻雀部じゃないのかなぁ?」
京太郎「……ちなみにその京ちゃん、咲はどんな風に言ってました?」
照「えーと、宿題忘れた時に見せてあげたとか、本をお薦めするけど読んでくれないとか、レディースランチに付き合ってあげてるとか」
照「ちょっとだらしないところがあって、いつも注意してるけど直らなくて苦労してるんだって」
京太郎「へー、なんかポンコツですねーソイツ(咲のやつ……)」
照「でもね」
照「本ばかり読んでて一人になりがちな咲に声をかけてくれたり、迷子の時には探して助けてくれたり」
照「なにより、京ちゃんが麻雀部に誘ってくれたおかげで人生が変わったって。京ちゃんの話してる咲、嬉しそうだった」
京太郎「へぇ」
照「本人には恥ずかしくて言えないけど京ちゃんにはすごく感謝してるって。あ、須賀君コレ言っちゃダメだから」
京太郎「わかりました。さて、面白い話が聞けたところで、ここが部室です」
照「おお」
京太郎「ういーっす。お客さんだぞー」
照「どうも」
咲「え、誰? って、お姉ちゃん!?」
優希「おおー! 咲ちゃんのお姉さんだじぇ! もしかして私とインハイの続きをしに?」
照「いや、咲に会いに」
和「ですよね。わざわざ東京からいらっしゃったんですか?」
まこ「ご苦労じゃのう」
照「これ、お土産のお菓子。みんなで食べて」
咲「わぁ、ありがとうお姉ちゃん!」
京太郎「そんじゃあ、お茶でも淹れてくるわ」
咲「お願いね、京ちゃん」
照「え……?」
優希「はやくしろ京太郎ー!」
和「もう、そんなこと言って。すみません須賀君。お願いします」
まこ「わしも手伝うか?」
京太郎「いえいえ、お構いなく。この須賀京太郎にすべてお任せください!」
照「…………」
咲「お姉ちゃん?」
照「ううん、なんでもない。ナニモイッテナイカラ」
咲「?」
カン
最終更新:2020年04月06日 22:40