(駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ!)
背中に押し付けられる、だらしなく育った肉の感触。
耳元に絶え間なく流し込まれる吐息。
部室で眠ってしまった宥を背負っているだけで、京太郎は追い詰められつつあった。
否、宥は起きているのだろう。
その証に、京太郎に抱き着く力は強くなる一方で。
(玄ちゃんと同じようにおんぶされてる…)
確かに宥は起きていた。
そして、昨日足を挫いた玄が京太郎に背負われていたのを見て、羨ましいと思ったが故の嘘に、申し訳なさと嬉しさを感じていた。
京太郎と玄が、女性の胸を好んでいるのは重々承知の上で。
(玄ちゃんみたいな胸のほうが良いのかなって思ってたけど……)
それでも、未だ成長を続ける肉鞠が想い人の気を引く理由になるなら。
コンプレックスの一端であったコレを、想い人に愛でて貰えるなら。
姉妹一緒に、同じ想い人に愛されるなら。
ほんの少し、卑怯になっても良いかなと。
「…………京太郎、くん」
「あ、宥さん!?起きましたか!?」
「……あの、ね?」
「はい?」
「もうちょっと…おんぶ、しててほしいな」
「────!!?」
蕩けるような甘え声が、本能を刺激する。
さりとて、役得なのも事実。
「京太郎くん……」
「俺以外に、言わないでくださいよソレ」
「……うん、言わないね。私と玄ちゃんは、京太郎君だけのだから、ね?」
宥が呟くたび、囁くたび、京太郎は抑えが効かなくなりそうで。
足早に松実館に向かう京太郎だったが、揺れが激しくなるたびに背中に伝わる柔らかさも過剰に伝わってきて。
なおその日、京太郎は松実父たっての頼みで泊まることとなり。
松実姉妹の手厚い世話を受け、松実姉妹を両手に侍らせながら眠ることになる。
………満足に眠れなかったし、下手に眠ろうとすると肉の海に溺れて死にそうになるのだが、京太郎にとってはこの上なく幸せだった。
最終更新:2020年04月06日 22:48