時は2XXX年!原村和は追い詰められていた!
数年前から続く、先輩・同級生・後輩たちの結婚の連続!
其々が恋愛の末だったり、はたまた妥協と諦念を年齢と比較していたりで結ばれていく中、原村和は未だに未婚!
童顔・爆乳・桃髪のあざと過ぎる程の外面も、年を経る度に若作り・重力との闘争・奇異の眼差しの対象となっていき、その上でなまじっか優秀なことが彼女の苦難を加速させる!

──しかし!神は彼女を見捨てなかった!
久方ぶりに再会したかつての部活仲間・須賀京太郎!
恐ろしい事に老けた様子が皆無の彼は、雇われの身にあるらしく、軽薄そうな態度は鳴りを潜めて、立派な紳士かとも思えたほどだ。
負けられない戦いと意気込む和だが、現実は残酷に、残虐に、彼女を嬲った。

「俺、式はしてないけど四人嫁さんがいるんだ」

何たることか。
携帯端末に映された写真には、須賀京太郎と(一人を除き)おもちに溢れた美女たちが写っていた!
というか見覚えがあった!

「これは宥さんと玄さん!?……ということは、憧と穏乃ですか!?」

「元々は宥さん一人だったんだけどな。宥さんに頼まれて、籍こそ入れられないけど玄さんも嫁にって」

後はそれを羨ましがった穏乃と、ツンデレ憧がありったけの勇気を振り絞ってみんなといたいと吐露したことで、ハーレムの完成である。
羨ましがった穏乃の気持ちは、和には何より理解出来た。
ああ、なんて言うことだ。
盛大な裏切りだ。
昔あんなに私の胸を見ていたのに、気が付けば置いてきぼりなんて。

だが、原村和は頭脳明晰。
悪魔の囁きに利点を見出すやいなや、須賀京太郎──今は松実京太郎に迫った。

「私もハーレムに入れてください!もう行く場所がナインデス!」 

原村和、魂の懇願であった。

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最終更新:2020年04月06日 22:50