久「催眠術? テレビでやってたかしら?」
京太郎「いえなんかその辺に本が置いてあって」
久「ああいうのは大体やらせよ。和流にいえばSAOね、SOA」
京太郎「まあまあ、ちょっと付き合ってくれるだけでいいですから」
久「全く仕方ないわね、ちょっとだけよ」
数分後
久「すー、すー」
京太郎「部長簡単に落ちすぎぃ! どうしよう、どうすれば……」
久「……ん」
京太郎「よく考えるとこれはチャンスか? 部長の弱みを握ってしまえば今以上にパシられることも」
電撃が京太郎に走る!
京太郎「えーっと部長、人に言えない秘密とかありますか?」
久「…ある、わ」
京太郎「ここには部長以外いません。だからちょっとだけ言ってみましょう」
久「後輩の、須賀くんが好き、なの……いつも冷たくあしらってるのはドキドキに気づかれないためで……」
京太郎(よ、予想外すぎてどう反応すれば、ひょっとして俺もついに彼女持ちに??)
京太郎は新たな悩みを抱え、心の整理をつけるためにこの場を去ると決める。
京太郎「お、俺が扉を閉めると部長は目を覚ましますよ。そう、何もなかったですからねー」
そそくさと戸にから出て後ろ手にドアをぱたんと閉める。それと同時に久はパチパチと目をしばたかせて
久「……須賀くんもちょっとはドキドキすればいいのよ」
久はそっと『家から持ち出して数日部室の机の上に置いてあった』本、『今日からできる催眠術』という題名のそれを自分の鞄に入れる
何気ない風を装いつつその頬は赤らみ、舌先をチロリと出す。
しかしはかりごとはお手の物な久さえこの後の京太郎の行動は読めなかった。
余りに意外過ぎて京太郎は自分がみんなからどう思われているか疑心暗鬼になり、部員たち全員に催眠術をかけて回るなどという未来は。
カン
最終更新:2020年04月06日 22:52