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基本的に我が家は静かだ。
カチカチと無機質な時計音が聞こえる。
規則正しく鳴る音は心地よく、眠気さえ誘う。
さらにそれを増幅させる状況に今の俺は置かれていた。
カリ……カリ……。
固まった汚れを木の棒が優しく掻き取っていく。
内側をツツーっとなぞってへばりついていた細かなものまで一緒くたに。

「どうですか、京太郎? 気持ちいいですか?」
「ああ。溜まってたからなぁ。自分じゃ全然触らないし」
「ダメですよ。1ヶ月に一回は掃除しないと」
「怖くないか? 耳に自分で突っ込むの」

鏡を見ていても、うまく加減がわからないからついつい放っておいた。
その結果、すでに10分ほどハオによる耳掃除タイムが続いているわけだが。

「……」

やばい。
気持ち良さが天元突破しそうだ。
ハオの耳かきが上手なのもあるんだが、それ以上に直接感じる柔らかな太ももがやばい。
この家にいる間、ハオはリラックスできるからとパジャマ姿になることも少なくない。
だけど、今日はなぜかスカートだった。
つまり、白い柔肌に直に触れているわけで……。
意識するな意識するな俺!
考えれば考えるほどドツボにハマるぞ!

「ふぅ……。はい。これで終わりです」
「あ、ありがとう。じゃあ、これで――」
「次は反対ですよ。さぁ、ごろんってしてください」

――俺は幸福死するのかもしれない。

目の前にハオのお腹があった。
突っついたら絶対に柔らかいと思う。
めちゃくちゃいい匂いが充満しているし。鼻先から甘美な香りがどんどん入ってくる。
だが、我慢しなければならない。
どれだけ本能が叫ぼうとも理性で蓋をしなければ……。
地獄のような時間を天国みたいな空間で過ごした俺の頭ではずっと悪魔と天使がせめぎあっていった。
だから、俺は気づかなかったのだ。
ハオがジッと別の場所を凝視していたことに。

「綿棒でお掃除して……はい。これで完璧ですね」

よ、ようやく終わった!
早くこの場から立ち去らなければ。
我慢の限界を迎えていた俺は急いで立ち上がろうとする。
だが、それはハオの手によって遮られた。

「ダメですよ、京太郎。まだお掃除は終わっていません」

同じポジションに戻される俺を見て、ハオはそう言った。

「だって、こっちがほら……。ダメじゃないですか。溜めるのは体に良くないんですよ?」

耳元でささやかれ、びくりと体が跳ねる。
きれいになったばかりの耳に温かい濡れた何かが侵入してきて、ぬるりと犯していく。
力が入らず抵抗できない俺の下腹部へと、ハオの手が触れた。
ぷつりと頭の中で何かが切れる音がする。

「どうします? こちらも私に任せてくれますか?」

その言葉に、俺は肯定を返すことしかできなかった。

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最終更新:2020年04月06日 22:56