――はいはい一年生諸君、これあげる――
――これは…なんでしょうか?――
――それは短冊。もうすぐ七夕でしょう?――
――学生議会主導での、毎年短冊吊るした笹を下駄箱の辺りへ飾るんじゃ――
――つまりそのための願い事を書いて持って来ればいいわけですね――
――なに書いてもいいのか?――
――まぁみんなの目に触れるものだから公序良俗に反さないものでお願いね――
――じゃあのどちゃんの胸を揉みしだきたいというのはギリセーフ…?――
――アウトに決まってます――
(そうだ、願い事考えなきゃいけないんだった。短冊、かばんの中だっけ…)
(と言われてもなに書けばいいのかな…記名式って言ってたからあんまり目立つようなのは…)
――少しは真面目に考えてください、ゆーき――
――ほーい――
――真面目といえば、織姫と彦星がどうして年に一度しか会えないか知ってる?――
――どうしてなのだ?――
――織姫も彦星も生来とても真面目な働き者だったんだけどね、結婚して夫婦になってからというものの二人でいるのが楽しくて、全く働かなくなってしまったの。それに怒った神様が二人を引き離して年に一度の七夕だけ、会うのを許したってわけ――
――はえー部長物知りだじぇ――
――ロマンチックですね――
――去年の先輩の受け売りじゃ――
最終更新:2020年04月06日 23:01