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須賀君の家でマンツーマンの勉強をしていると、否が応でも久からの電話を意識してしまって。
指が触れるたび、視線が会うたび、恥ずかしがっているのがバレてしまいそうで。
一段落して、伸びをしている須賀君に声をかけようかと悩んでいると。

「そういえば、昨日部長に言われたんですよね。俺と福路さんがデートしてるって」
「で、デート!?」
「どうなんですかね?」

どうなんですかと聞かれても、困る。
交際経験もないのに。デートなんて。

「デートって、私はしたことがないもの」
「俺もないんですよね」
「意外ね、宮永さんたちとデートをしてそうだけど」
「悪友みたいなもんですからね」

ごろりと寝転ぶ須賀君に苦笑しながら、次は自分の携帯電話をテーブルに置いて。

「もしかして、福路さんに迷惑かけてましたか?やめたほうが良いんですかね?」

迷惑なのかさえ、分からない。
むしろ須賀君のほうが迷惑なのではないか?
久を始めとして、須賀君の周りには魅力的な女性が多くいる気がするのだけれど。

「須賀君は、私の相手をしていていいの?」 
「むしろ嬉しいぐらいですよ。福路さんみたいな美人さんといられるなんて」
「びっ……!?」

動揺を隠せない。
クーラーが効いているはずなのに、顔が熱くて。

「オッドアイも綺麗ですしね」
「いっ、言い過ぎじゃないかしら?」
「言い過ぎとは思いませんって」
「……もう」

とはいえ。褒められて嬉しくない訳じゃあないのだ。
ちょっと親しんで、家に誘われて、美人だと褒められて、浮かれてしまう自分への困惑。
寝転ぶ須賀君の髪を撫でて上げると、くすぐったげに目を細めて。

「本当に、須賀君は私とデートしていていいの?」

絞り出すような声に、須賀君が笑みを浮かべて、喉を鳴らして。
明確に告白をしたわけでも、されたわけでもないけれど、私と須賀君──京太郎さんは恋人としてお付き合いすることになった。
私が京太郎さんと呼び、京太郎さんが美穂子さんと呼んで。

デートの場所が、京太郎さんの家で落ち着くようになりました。

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最終更新:2020年04月06日 23:06