京太郎「……強くなりたいとは言いましたが」
京太郎「この地獄の耐久麻雀はいつになったら終わるのでしょうか」
健夜「京太郎君が勝つまでー」
京太郎「このメンツで俺が勝てるとでも?」
咏「なっさけねーなー気概見せろよ男の子ー」
京太郎「気概見せるターンは、俺が10回飛んだ辺りで終わってるんだけど」
はやり「辛いの? 大丈夫? 疲れたならはやりの胸で休んでも良いよ?」
健夜「はいアウトー罰符ね」
咏「勉強しよーぜぃはやりん?」
京太郎「酷い麻雀だ……」
はやり「もー……二人も京太郎くん虐めすぎたらダメだよ」ジャラ
咏「こいつが強くなりたいって言ったから強くしてやってるんだぜ? 知らんけど」
健夜「強くはなりたいけど虐められたくは無いです」
咏「はい京太郎アウトー。いまはやりんの胸見てたな?」
京太郎「一瞬視界に映っただけなんだが!?」
健夜「アウトだよ」
京太郎「…………飛びました」ジャラ
はやり「もう……二人ともそろそろ機嫌直しなよー。京太郎くんだってもう高校生なんだから、女子に良いところ見せたいなんて当然でしょ?」
咏「は? 私にはそんな時期無かったけどー?」
健夜「無かったね。私なんて麻雀する度に異性が離れていったけど」
はやり「……ごめん」
京太郎「いやなんかまぁ、ここまでされると流石にもう多少のことじゃ動じなくなってきたというか。今まで姉さん達がどれだけ手加減してくれてたか分かったというか」
咏「女の尻追っかける為に麻雀やるなんつー不純極まる京太郎をボコボコにするのが、真の雀士の姿だと思うねぃ。知らんけど」
健夜「別にね? 京太郎君が麻雀するのは良いんだよ? たださ? 真剣にやるべきだよね?」
京太郎「悪かったってば……そりゃ気に食わないかもしれんけどそろそろ許してよ。というか当然の話だけど、生まれた頃から姉さん達に囲まれてたら、そりゃ麻雀やりたくねーってなるでしょ普通」
はやり「あ、そこははやりもちょっと怒ってるよ? 今までなに言っても麻雀ちゃんとやってくれなかったのにさー」
京太郎「ほんとごめんて」
健夜「…………はぁ……。まぁ、ちょっと大人気無かったね……ごめんね36回も飛ばしちゃって……」
咏「ったく、
すこやんが許したんなら私も許すしかないよなー。いやなんかまだ許せねーけどさ」
京太郎「姉さん達の嫉妬は基本全力だから太刀打ちできねぇよ……最初は不純な動機だったけど、今はかなり真剣にやってるからそれだけは信じてほしい」
健夜「……分かったよ。ごめんね京太郎君」ナデナデ
はやり「ふぅ……ようやく終わったね……一時間もお疲れ様」
京太郎「わけわからんルールもあったとは言え、一時間の間に36回も飛んだ事実から目を反らしたい……」
咏「んじゃまぁ仲直りしたところで。ん」
京太郎「はいはい」ギュー
咏「久しぶりに会ったってのに怒らせやがって。まったく」ギュー
はやり「あー! それは反則だよ! 罰符ものだよ!」
咏「もう終局済みだってのー」
健夜「今日は泊まってくんだよね?」
京太郎「そのつもり。皆休みなんだよね?」
はやり「そうだよー。京太郎君来るって聞いてたから今日明日は空けてあるよ」
咏「向こうに行ってからぜんっぜん連絡くれない奴のために、こうして集まってやるなんて私たちも健気だよねぃ」ケラケラ
京太郎「個人的にはしょっちゅう会ってる印象なんだが」
健夜「前にあったの一ヶ月前だよね?」
京太郎「……一ヶ月前って最近では?」
咏「一ヶ月前会ってなかったらもう久しぶりだろ」
はやり「………………」
健夜「……はやりちゃん、どうしたのかな?」ギラッ
はやり「え!? な、なにが!?」
健夜「はやりちゃんから「私は最近京太郎くんと会ったけどね」ってオーラを感じたんだけどなぁ?」
咏「そうなん?」ギラッ
はやり「そんなことないよ! 二人に内緒でそんな事するわけ無いから!」
咏「そういやはやりん、今日は妙に余裕あるよなぁ? 京太郎?」
京太郎「………………いや、なんだろう、うーん……」
健夜「有罪確定だね。はやりちゃんの恥ずかしい写真ネットワークに流しちゃお」
はやり「ダメーーー!!!!」
ドッタンバッタン
京太郎「ちょっと仕事の都合で来てたはやり姉さんとご飯行っただけだから!」
健夜「ふぅん? なんで内緒にしてたんだろうねー?」
咏「疚しいことがあるから黙ってたんだろうさ」
京太郎「無いから!」
咏「ま、良いけど」
健夜「ぐえー」
はやり「抜け駆けしたのは悪かったけど、タイミング悪かったんだって」
咏「すこやんよえー」
健夜「仕事以外は家にいるインドア派にはやりちゃんの相手は無理だよ……」
咏「インドア派ってか引きこもりだろ」ケラケラ
京太郎「……まぁいろいろ言いたいことはあるかもしれないけど、今回は真剣に勉強したいんだよ」
健夜「……なーんかやる気なくなってきたなー」
京太郎「俺に出来ることは何でもするからさ」
咏「ほう」
健夜「………………なるほど。それは一人ずつ、お願いを何でも聞いてくれるってこと?」
京太郎「え? うーん、まぁそんな感じで。俺にできることなんて少ないけどさ、姉さん達金なんていらないだろうし」
咏「馬鹿、弟から金なんて貰えるかっての。まぁ良いや、安すぎる気がするけど【なんでも】聞いてくれるってんなら、それならそれで良いぜぃ」チラ
はやり「…………」コク
はやり「そうだねー。【なんでも】聞いてくれるのかー、なにお願いしようかなー」
京太郎「なんで「なんでも」の部分強調してるの?」
健夜「京太郎くんが【なんでも】お願い聞いてくれるなら、すごいやる気出てきた。よーし、明日までに超麻雀戦士に育ててあげるからねー!」
京太郎「健夜姉さんもなんで? なんでもって言っても裸で町内一周とか無理だからね?」
咏「いやーほんとなにお願いしようかねぃ」ニヤニヤ
はやり「ねー! 楽しみだねー」ニコッ
咏「(ま、抱き枕に使ってやるのも良いな。……ふ……ふふ)」ニヤニヤ
はやり「(お外でお買い物……うーん、窮屈そうだなぁ……バレたら面倒だし……。二人きり……二人きりかぁ……)」クスクス
健夜「(××××××××××××××××。××××××。×××××××××××××××××××××)」ギラッ
京太郎「やべぇ麻雀やってる時より怖いんだが……」
健夜「じゃあ早速はじめよっかー」
はやり「はーい」
咏「やり甲斐あるねぃ」
京太郎「……よろしくお願いします」
最終更新:2020年04月06日 23:17