春――新学期
昨年度のIHにて見事団体戦優勝を勝ち取った清澄高校麻雀部であったが、意外にも入部希望者は振るわなかった。
前年の龍門渕高校がそうであったように、麻雀の腕を磨きたい生徒たちはポっと出の超新星校よりも育成メソッドのしっかりとした強豪校の方に流れるらしい。
その証拠に今年度の風越女子の入部希望者数は前年比1.4倍で過去最多クラスだとか。
今年度、清澄高校麻雀部新入部員は5人…しかも女子生徒は室橋裕子ただ一人。
そう、残りは全て男子なのである。
女子とは逆に「全国トップクラスの女子がいる共学校」である清澄高校は、より高みを目指す麻雀男子にとって理想的な進学先であった。
県立校であること、男子部の存在が不明瞭だったこと等から、県を跨いでまで入部してくる生徒こそいなかったが、新入生は全員が中学時代に地元の大会で名を馳せた粒揃いであった。
…さて、麻雀部には2年生に男子部員が一人。
成績はIH個人戦一回戦敗退。
腕に覚えのある新入生達がそんな上級生と同じ部活にいたらどうなるか…。
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1年A「…は? K!?」タン
1年B「え…? KってH、I、J、KのKっすか!?」タン
1年C「SOA! SOA!」タン
京太郎「フッ…驚くのは早えーぞ、これは俺が1年だった時の話だ」タン
1年D「去年?それが何か…?」ケンガク
京太郎「ある信頼できる情報筋によると、中学卒業の時点ではJカップだったらしい」
AB「なん……!」
CD「だと……!?」
京太郎「原村和は年を経る度にバストサイズがはるかに増す…そして卒業までまだ2年を残している…これがどういう意味か分かるかな?」
ABCD「………(ゴクリ)」
優希「くおらぁぁア!!男子ども!! 女子の目の前でセクハラトークしてるんじゃないじぇ!!」ドガッ
A「げえーっ!片岡先輩!!」
B「タコス先輩誤解っす! 俺達は須賀先輩から麻雀の指導を…」
優希「お前らが麻雀に関して犬から教わることなんて塵一つも無いだろーが!!」
C「火の玉ストレート!」
D「もうやめて!須賀先輩のライフはゼロよ!!」
京太郎「まあ落ち着けよ優希、こんなこと言ってるけどコイツら『片岡先輩超かわいい』って言ってたぜ?」
ABCD「!?」
優希「えっ…!?そうなの!?」
ABCD「えっ!」
優希「ちょ、やめるじぇそういうお世辞/// …お世辞じゃないのかもしれないけど!」
C「え、いや…その…」
京太郎「すまん、ウソだ」
ABCD優希「……!?」
京太郎「お世辞じゃなくてウソだ」
優希「……な!? …騙したな一年坊ーーっ!!!」ポカポカ
D「ぐえーー!!」
A「騙したのは俺らじゃないですって!!」
優希「傷ついた!!プライドが傷つけられたじぇ!!」ポカポカ ガジガジ
ギャイギャイ
まこ「…何も心配するようなことは起こらんかったのう」
和「いや!駄目でしょう!!何で私のバスト情報が流出してるんですか!?」
咲「まあまあ和ちゃん、みんな仲良くやれてて良いじゃない」←確かな情報筋
和「…まあ、咲さんがそういうなら」
ムロ「(大丈夫かなこの部活?)」
【割りと平和な清澄高校2年目】
カン!
最終更新:2020年04月06日 23:28