(大変です大変です大変です大変です…!!)

湯を満たした風呂桶に顔を映しながら、原村和はニヤつく頬を引き締めようとしては緩めていた。
二人で料理して、二人で食事して、二人で片付けて、二人で寄り添い合って。
他愛ない会話、テレビの声も聞こえないぐらいの甘美な時間。
まるで夫婦のような時間に、胸が高鳴った。
いっそ襲ってくれても良かったのに、と不埒なことを考えてもみたが、そうされたら自分は泣いていたに違いない。
須賀君──京太郎君の太ももを枕に、太るぞという忠告を聞き流してでも甘えて。

『和?』
「ひゃっ!?どうしたんですか須賀君!?」
『驚かせたか?着替えだけど、あんまり良さげなのがないから俺のやつを着てもらいたいんだ』

明日の朝には和のヤツも乾くからさ、と続く言葉は聞けず、ただただ嬉しさが止まらなくて。
夏から更にサイズの増した胸、柔らかさを増した(肉がついた)腹や太腿をきちんと洗って、今度は自分が恋人を甘やかそうと考えて。

(その先を求められたらどうしましょうか…!)

新婚気分待ったなしである。
頑張って身体を洗いながら、耳年増気味の少女は豊かな胸を高鳴らせて妄想にふけっていた。

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最終更新:2020年04月06日 23:34