16:40 アッシュフォード学園校舎
校舎中に散らばったC.C以下、約30人の捜査官(オーケストラ部部員)はユフィの足取りと目撃証言の聞き込みに走り回っていた。
ユフィが行きそうな露店やクラス、体育館にお化け屋敷と、上に下に校舎の端から端まで。
その中で証拠品となる、またわ重要な聞きこみ等の部分をここでは紹介しよう。
「逆転ギアス 探偵、捜索パート」
その1
ユフィのSP
「確かユーフェミア様が宣言をなさったのは、学園祭が始まってから4時間後。で、その後ユーフェミア様には逃げられてしまったんだよ」
「うんうん、まるで忍者みたいな身のこなしだよユーフェミア様は」
と,感心しているSPの皆様。
「あ・・・・そうですか」
SPに聞きこみに行った部員は唖然となった。
(このSPダメじゃん)
(いつか首飛ぶわね、この人達)
ともかく、SPの証言によれば宣言があったのが12:20頃、見失ってしまったのがその3分もたたない時だった。
「つまり、12:20にはもう姿を晦ましていたって事ね」
「じゃあ捜索する時間帯は12:20から16:30の4時間だな」
その2
校舎入口
その1でSPからの調査を受けた捜査組の1つは校舎の入り口で聞き込みをしていた。
「ユーフェミア様なら12:30頃、校舎内に入って行きましたよ」
「それを証明出来る物は有りますか?」
校舎内へと続く入口に設置されている受付の係員は
「ええ、有りますよ!来校してくださった皆様には、ここに名前を書いてもらってますから」
迷子防止も含めての処置だそうだ、それに部員は目を輝かせる。
(“校舎来場者の入校記録”を捜査手帳に書き込んだ、ユフィは12:30に校舎に入っている)
その3
1F、「手作り工芸 フラワーガーデン 」
ここは、ビーズを使って手作りアクセサリーが出来るお店。
「ユーフェミア様は、あそこのテーブルで一生懸命アクセサリー作ってましたよ。来店は12:30頃だったかな」
「どんな物作ってました?」
女学生達の質問に1年生の店員は
「えーーーと、神龍の形のやつでした。青とユーフェミア様が特別に頼んだ銀色のと」
男子生徒の証言に捜査員の女子達は確信する。
「作る為だけにわざわざ特注なんてしないわよね」
「女が力を込める場面はただ一つ!」
「「男ね!!」」
(“神龍の形をしたビーズ工芸”、“特注の銀色をしたビーズ”を捜査手帳に書き込んだ、この二つはユフィしか選んではいない)
その4
2F、家庭科教室「柳月」
いわゆるクッキー作りを体験出来るお店。
「ここにユーフェミア様が来たかって?ああ、来たよ。クッキー作ってた」
「どの位いた?」
「うーーーん、来たのが1:15位だったかな?8個作り上げたら別の場所に行ったから、だいたい45分には居なくなってた」
ほうほう、と手にしているメモ帳、もと言い操作手帳に書き込んでいく捜査官。
「そういや、ユーフェミア様えらくにやけてたな」
「にやけてた?」
「ああ、何か悪魔の笑みみたいな?そんな感じの笑い方してたぞ」
その言葉でますますユフィを怪しいと思う捜査官(オーケストラ部員)だった。
(“手作りクッキー”を捜査手帳に書き込んだ、ユフィは作り終えたときに怪しい笑みをこぼしていたそうだ)
捜査を開始して数十分、大方の証拠品が揃い、散らばっていた部員達は、C.Cのいる3F音楽室前に集合していた。
「ふむ、だいたいの足取りは判ったんだが・・・・」
「2:00からの足取りが判んないんだよね、4:30には控室に着いたから」
「少なくとも4:20まではこの校舎の中に居たと思うんだけど」
それぞれが自分の考えを話していく、ここまでの調査で2:00まで、つまり家庭科室までの足取りは掴めていたのだが、それ以降の情報がぷつっと途絶えてしまっている。
そのため、皆うーーーんと唸ってばかりいる状態、暗礁に乗り上げているのだ。
「そういえば、この音楽室は調べたのか?」
「いや、まだだ。調べてみっか、捜査は足でだしな」
こうして音楽室の中を調べることとなった一行だが、思いもしない収穫が待ち受けているなど、知るよしもなかった。
その4
音楽室
中に入っても特別変わった様子は無かった、静かな風の音だけがする室内、だが!
「ここは矛盾している、明らかに!!」
入った瞬間にC.Cが声高だかにそう叫んだ、他の部員も同じだった、なぜなら―――
「ええ、矛盾しているわ」
「なぜ窓が開いてるんだ?ここを出る時には閉めてったのに」
(”開いている音楽室の窓”を捜査手帳に書き込んだ、リハーサル前、窓を閉めてから音楽室を離れたのに開いていた)
怪しいと踏んだ捜査員達が調査を開始、すると窓際を調べた1年生の男子が
「先輩、この手すりにキズが出来てます!!」
そう叫び、上級生達がそこに脱兎のごとく集まる。そこには―――
「何かの引っかき傷みたいだ」
「金属と金属の擦れ合った感じみたいだな、相当な力だぞこれ」
(“手すりのキズ”を捜査手帳に書き込んだ、かなり強い力で引っかいたものだ)
さらにその近くの床に
「ん?これはシミだな、だれかここで飲み物でもこぼしたのか?」
「いや、今日は音楽室に飲み物を持ち込んだ人はいないはずだよ」
少量ではあるが、2箇所にシミをC.Cが発見した。
(これも何かの・・・・この微かな匂い・・・・なる程、そういう事か)
とある事実を見つけたC.Cはニヤッとする、しかし醸し出すその雰囲気は殺気にも似た強いものだった。
「ど、どうしたのC.C?なんか殺気の様なものが背後から・・・・」
「案ずるな、ただ汚した犯人が誰なのか、検討がついただけだ」
その発言に全員が勢いよく喰らいつく、ある者は鼻息を荒くし、ある者は目をギラギラに輝かせて。
「「マジか!?」」
「「誰なの、C.C!?」」
「焦るな、まだこれは仮説の段階にしかない。もっと決定的な証拠がなければならない」
それでもC.Cは全員をなだめ、冷静に状況を分析する。
「じゃあ、後何が必要なんだよ?」
「とある人物の身体検査と証言が必要だ、それこそまさに決定的な証拠となる。皆行くぞ、ユフィを追い詰める最後の証言と証拠を取りに!!」
「「「「了解!!」」」」
C.Cの力の籠った一声に応える部員は、彼女の後に続く。
決定的な証拠を掴み、真実を明らかにする、そして何より楽しむためにね!
(“床のシミ”を捜査手帳に書き込んだ、微かに匂いがした)
次回「逆転ギアス 法廷パート」
最終更新:2009年09月28日 23:27