045-256 コードギアス LOST COLORS replay stage2 前編 シンジュク事変 @アックス



スザクがブリタニアに殺された。
8年振りの再会を喜ぶ暇もなく。
自分もクロヴィスの部下に殺されかけた。
だがあのC.Cと呼ばれた女が力をくれた。
ギアス
世界に負けない王の力
ならば世界に反逆しょう。
「だから―――」
ルルーシュは―――魔神は目覚める


コードギアス
シンジュク事変


「殿下っ!親衛隊がともに全滅したようです!」
「なんだと!?」
陸上戦艦G1ベースの中でクロヴィスはその報告を聞いた。
「援軍が到着したときにはどちらも全員死亡したとのことです。codeRも11もどちらもいなかったようです。殿下っ!このままでは…」
あまりにも予想外過ぎた。この事が本国に知られれば、自分たちは完全に破滅となる。
しばらく悩み、クロヴィスは言葉を発する。
「やむをえん。目撃者を全員消せ。イレブンを皆殺しにしろ!」



「やはり2時間が限界か」
ライはサザーランドに乗っていた。自分がサザーランドの残留エナジー量から推測した時間と大差なかった。どこかでエナジーフィラーを手に入れるか、逃げるの2択しか今の彼にはない。
そんな事を思いながら、ライは先程の事について考えた。
自分には記憶がない。知識ならばある。今だってKMFの操縦が出来ている。しかし記憶の方は違う。まったくなかったのだ。つい先程までは。
先程、自分がみた記憶はなんだったのかわからない。だが思いは鮮烈に残っている。
あの悲劇を繰り返すな。世界の間違いを正せ。そして

『彼女』を忘れるな

今は意味がわからない。しかし、それが記憶の手掛りなのは間違いない。
そんな事よりも気になったのは
『ライが命じる!』
このフレーズだった。研究所の時もそうだった。ただ根拠なく出来ると思った。恐らく自分には何か能力があるのだろう。そう結論せざるをえない。
そこまで考えて、ライはレーダーに目をやる。
ブリタニア軍の包囲網は7割完成している。このままでは脱出も難しい。
その時


『地下鉄 東口』

(旧地下鉄への入り口か…つかえるなこれは)
旧地下鉄の区画整備は今だ手付かずなため、ライはこれを使えば脱出出来るかもしれないと考えた。
KMFがギリギリ入る入り口をくぐりぬけ、サザーランドを奥に進めた。


「なんなんだこれは…。」
比較的包囲の薄い出口から地上に出たライは驚愕した。
兵士が武器を持たないイレブンを殺し、KMFも狩りを楽しむように逃げ惑う人々を追い掛け回す。
KMFの対人機銃が人体をバラバラにする。
(これは殺戮だぁ!)
先程の記憶が脳裏をかすめてライは顔を歪める。
助けてやりたいと思うがライはブリタニアから逃げる身。加えてエナジー残量も多くない。
(とりあえず、何処かに隠れて…)

「お願いです!せめてこの子だけでも!!」
(何ッ!?)
サザーランドを振り向かせるとそこにはサザーランド3がイレブンの親子に向けてマシンガンを構えていた。
先程の記憶が再び脳裏をかすめる。

「イレブンを皆殺しせよとの御命令が殿下より出されている。恨むなら同じイレブンのテロリストを恨むがいい」
陣形を組んでいた先頭の一機が撃とうとした時に、その機体が火を噴いて爆発する。
(僕は何やっているんだ!?)
ライは無意識のうちにそのサザーランドに向けてスラッシュハーケンを発射した。

『なっ!テロリストのKMFは一機だけではないのか?』
他の2機がまだ状況を把握出来ていない内に再度スラッシュハーケンを発射してもう一機仕留める。
残る一機はそこでようやく反応して後退しながらマシンガンを撃とうとするが、
その前にライは破壊したサザーランドのマシンガンを拾い上げて仕留める。
10秒にも満たない交戦。だが、このサザーランドが敵に捕捉されるには十分すぎる時間であった。
『敵機を確認、各機攻撃開始!』遠くからサザーランドが3機陣形を組んでやって来るのが確認出来る。
さらにレーダーに目を飛ばすと、10機以上のKMFが近付いてきている。
(ヤバイッ!本気で…)



紅月カレンは焦っていた。彼女たちのレジスタンスが毒ガスを奪ったことによって現在、このような惨状が引き起こされた。
『イレブンよ!さっさと死んだらどうなんだ?』
(イレブンじゃない!日本人だ!)
普段なら確実に言い返す彼女だが、さすがに今はその余裕はなかった。
『このままでは狩りにならないじゃないか』
先程から後ろにずっとサザーランドが張り付いていた。エナジーは尽きかけ、おまけに相手はエースパイロットである。
(どうする!?うって出る?)
いよいよ一かバチかの賭けに出ようとした瞬間

『西口だ!環状線の路線を利用して西口へ迎え!』
通信機から知らない男の声が聞こえてくる。
「あなたは誰?」
『誰でもいい。勝ちたければいうことに従え!』
カレンはこの声をどこかで聞いた気がしたが、一瞬だけ迷い、声の主に従うことにした。

戦場の風向きが確実に変わり始める。



(思ったより神経を使う…)
テロリストにKMFを与えたルルーシュは次の手を考えていた。
(なんだ?この布陣は…まるでなにかを追っているような…)
モニターに表示される敵の陣形に引っ掛かりをルルーシュは覚える。
(だが今テロリストが俺の指揮下に入った。これで条件がクリアした。なにがあろうとも問題はない。後は奴らの準備が整うのを待つだけ…)
そこに
『少しいいか?話しておきたいことがあるんだが…』
テロリストの一人が通信を入れてくる。
「お前たちは私の指示だけを聴けばいいと…」
『いや…実はさっき内のグループの一人がKMFが一機でブリタニアと戦っているのを見たって言っているんだ』
「なんだとッ?!」
そこでルルーシュはレーダーを確認する。そこでサザーランド4機がいきなりlostする。
(なっ!)
思わずうめき声をあげるがそれと同時に先程の疑問が氷解する。
(このKMFは追われているのか…これは利用出来るな…)
ルルーシュは通信機を手に取り、テロリストに通信を入れる。
「Pグループ!準備できしだいすぐこのKMFの救援にいけ!エナジー切れも予測される。エナジーフィラーを余分に持っていけ!」
『わかった』
それっきり、通信が切れる
(さあ、そろそろ終わりにしましょう。兄上)
「フッフッフッ、フッフッフッアハッアハッアハッアハッアハッ―――――ッ!!」
暗闇に包まれたサザーランドのコックピットの中で魔神の笑いが響きわたる。


「はぁっはぁっはぁっ!これで9機…」
厚い包囲網のなか、エナジーの切れかかる機体でライはすでに9機もの撃破していた。
だが限界がきた。
たった今、サザーランドののエナジーが完全に尽きた。
突然動きが鈍くなったサザーランドを見て、敵は止めを刺すのか、ゆっくりと銃口をこちらに向ける
(僕は…これで終わるのか…)
死を覚悟して、ライは目を閉じる

だがいつまで経っても衝撃がやって来ない。
おそるおそる目を開けると、
目の前のサザーランドが爆発し、自分を包囲していたサザーランドが全てなくなり、変わりに別のサザーランドが何機か現れた
『あんた、大丈夫か?』
目の前のサザーランドがオープンチャンネルで呼び掛けてくる。
「ああ。助かった。感謝する」
とりあえずライは礼を言っておく。
すると
『お前が先程のKMFを仕留めたヤツか?』
別の男声がチャンネルに入ってきた。
「ああ。そうだ」
『ならば私の指揮下に入れ。』
「なるほど。勝手動かれると面倒だと言うことか。だが指揮官としての能力はいかなるものかな?」
それが問題だった。いくら能力の高いヤツでも無能の下についたらたまったもんじゃない。
『それについては問題ない。私はクロヴィスより強い。』
「大した自信だな。だがいいだろう。貴様の指揮に入ろう。」
『ではお前の認識番号はK1だ。お前のエナジー残量はどれぐらいだ?』
「悪いが完全に0だ」
『ならばP1、お前が補給してやれ。それが終わったら連絡を入れろ』
そう言うと男は通信を切った。



『K1、そのまま600m前進し敵戦車部隊をRグループとともに撃破後、200m後方のPグループが待機している地点まで後退しろ。敵KMFが3機釣れるはずだ。』
「わかった」
ライが男の指揮に入ってから20分が経過し、すでに敵部隊の2割~3割を撃破した。戦局はすでにブリタニアの一方的な虐殺ではなくなった。
指示を出していた男は奪ったサザーランドのIFFコードが同じだということを利用して、ブリタニア軍を混乱の渦に叩き込み、反対にテロリストの士気を上げっていった。
(なるほど。たしかに戦略家としては優秀だが、これでは完全にゲームだな)
ライはマシンガンを敵サザーランドに叩き込みながらそんなことを考える。すでにこの声の主の判断基準がチェスだということをライは理解した。理解したしたのはいいが、
(この男は恐らく経験が足りないのだろう。いくら駒の扱いがうまくても所詮チェスに基づいたもの。兵士を完全に駒だと考えている…だが人と人の戦いで最終的にモノをいうのはその者の特徴を理解して利用するということだというのに…)
ライは少々もったいないと思った。
(だが逆に言えば、経験さえ積めば、とんでもないものに化けるということか…)
『K1は直ちにPグループと合流し、中心地に集結しろ』
「すぐいく」
(敵部隊に止めを刺すつもりか…)
ライは言われた通りに指定された地点に急いだ。
どちらにしろ、この戦いもすぐ終わるだろう。




誰もがそう思った。



「殿下ッ!わが軍のKMF及び戦車部隊の損害がすでに7割を越えています!このままでは!」
「殿下ッ!」
G1ベースの中は深刻な空気に包まれていた。
先程までテロリストのはKMF1機と小銃火器が少々でこちら側が圧倒的だった筈なのに、いつのまにか同等の戦力になり、こちらが圧されてしまった。
そうこうしている内に、KMF部隊が全滅だという報告が入ってくる。
散々迷い、クロヴィスは決断する。
「あまり兄上に借りを作りたくないが…特派をだせ」
するとモニターに特派の研究主任が映し出される。
『殿下~ぁ。どうしました?』
呑気そうにモニターの向こうの男が聞いてきた。
「ロイド!お前たちの作っているヤツはだせるな?」
『は~いぃ!いつでも出せますよぉ~。フュフュフィヒィヒィ―――』
いつも変な調子のロイドに苦笑を浮かべながらクロヴィスは続けた。
「では、お前たちの作っている『オモチャ』に期待をしているぞ」
するとロイドは目を細める。
『殿下~ぁ。『ランスロット』とお呼びください』






そして、白き騎士が覚醒する―――


最終更新:2011年02月01日 22:48
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。