CCや仲間と合流してからかなりの月日が経過した。あれからライはCCとまともな会話をしてなかった。
ゼロがいない今、すべての作戦や指揮はライがしている。戦闘に関しては卜部やカレンがいたから問題はなかった。
しかし、内政のこととなるとそうはいかなかった、特に新総督カラレスにより今の黒の騎士団は動きがとりにくかった
ゆえに、CCもそんなライを見ているとわがままなことはしなかった。
そんな中、今日CCからゼロを復活させる作戦が提案され今はその作戦に向けての準備が進められていた。ライは部屋にこもり
当日の段取り、用意する物のリストアップ、ならびに調達方法。さらには幹部や隊員からの報告書に目を通すなど忙しかった。
そんなライの内なる怒りは日に日に増加していった。原因はCCがルルーシュのことばかりに気にかけていたことだった
「(CC、やはり君は僕よりルルーシュのことを。だから約束を破り彼を優先させたのか)」
今のライの心は怒りと嫉妬でいっぱいになっている。ライの部屋にあるごみ箱にはかつてライが学園にいたころに撮った写真が捨てられていた。
その写真にルルーシュが写っているものはすべて捨てられていた。唯一残っているものは部屋の壁に貼ってある眉間に穴のあいたルルーシュの写真だった。
ライはそんな写真を眺めながら残虐な顔をしていた
「ルルーシュ、君が復活しても皆君のことは信じないだろう。その時にこの僕が殺してあげよう、かつての親友として」
これからのことを考えていたその時、ドクン!、とライの心の奥で何かが音を立てた。
「何だ?・・・・・・この感じはギアス、何故だ。ギアスの力は失われたはずでは?」
「(それは違うよライ、失われてはいなかったんだよ。君がギアスを無意識に封印していたんだよ)」
「封印?それに一体君は誰だ!」
「(ひどいなぁ、僕のことを忘れたの?僕だよ、VVだよ)」
「VV?生きていたのか、いやそれより封印とはどういうことだ?」
「(簡単に言うと君自身がギアスを恐れたんだよ、元々君は母親や妹を助けるために僕と契約した。
そして暴走させた。その記憶がトラウマになって君は無意識にギアスを封印したんだよ。
だけど、怒りと嫉妬が再びギアスの力を呼び起こしただけだよ。)」
「なるほど、でも君が僕に話しかけてくること関係はないだろ?」
「(察しがいいね、じゃあ単刀直入に言わせてもらうよ。ライ、ギアスを再び使ってくれる?シャルルは今の君はかつての
狂王と呼ばれた者に値しないって言っているんだ、ギアスというものを屈服させてくれればいいよ)」
「そんなことでいいのか?」
「(うん、そうすれば問題ないよ。本当は仲間になってもらいたかったんだけどね、でも君には幸せになって
もらいたいからね。かつて僕と契約した時に僕の願いをかなえてくれたからね)」
VVの願い、それはギアスを与える代わりに北の蛮族の国を滅ぼしてくれという願い。結果としてライは蛮族は倒したが母や妹すらも失ってしまった。
「(僕の願いをかなえてくれたから今度は君に幸せになってもらいたい、とりあえずギアスの波長はしばらくは僕が抑えとくね。CCに気付かれたら困るしね)」
「助かる、VV。僕の願いは君を殺してコードを奪うことだった、でもCCは僕との約束を破った。今の僕にはCCを信じることはできない、だから君は殺せない」
「(さすが狂王。考えることが恐ろしいね。実はコードはもうひとつあるんだよね、教団の地下に眠っているXXのが)」
「XX?聞いたことがないな、そいつのコードならもらっていいのか?」
「(構わないよ、あとそのコードは少し特殊でね一つで2人分あるんだ。もし君がCCではなくて別の女性と夫婦になるならその女性に使ってあげればいい)」
「・・・・・・・・じゃあ、近い内にコードをもらいにく」
「(楽しみにしているよ、コードの渡し方はその時に。じゃあね♪)」
ライは今、CCを信じるかそれともゼロと一緒に裏切るか悩んでいた。
「今度の作戦で見極めるか、CCの心を。大丈夫CCを信じよう」
そう言っているライの顔はどこか不安な顔をしている。CCを信じていたいという気持より
もしCCの気持がルルーシュに向いていたとしたらという不安がライを襲っていた
死神の鎌は2人の仲をかなり切り裂き始めた。
最終更新:2011年03月02日 02:48