パーティーから1週間後、モニカは訓練場でライに剣を習っていた。
「それまで!かなり腕が上がったな、モニカ」
「それはライの教え方がいいからね、それに私もライを守りたいしね」
「嬉しいけど、あまり無茶はしないでね。モニカに何かあったら僕は」
「わかってるわ、心配しないで。あら、何か騒がしいね」
2人が見た先には慌ただしく走る兵士がいた。
「どうしたの?」
「そ、それがエリア11でゼロが復活したとのニュースが」
ライは驚いてモニカを見た、モニカは頷いてすぐにラウンズの所へ向かった
その後、皇族とラウンズが集まり会議を開いた、「黒の騎士団が復活」これは世界中に
流れもはや一刻の猶予もなかった、すぐにでも軍を動かすという意見も出たが相手が総領事館に籠っている為
迂闊に手が出せなかった。しかしそれから数日後、囚われていた黒の騎士団が解放されたニュースを聞いた
ブリタニアはラウンズを送るという決断をした
「メンバーはナイトオブセブン、スリー、シックス、そしてトゥエルブだ」
「皇帝陛下、4人もラウンズを?」
「待て、その前にライ、お前もいけ。トゥエルブは護衛として行かせる」
この言葉に全員が驚いた
「お前は政庁でカラレスの後を継げ、問題があるらしいからな」
「イエス・ユア・マジェスティ」
こうしてラウンズ4人と皇族1人はエリア11に向かう準備をした、しかしスザクだけ
皇帝陛下からの命令を受け先に向かった。残る3人はその後出発し、そして
「殿下、もう少しでエリア11です」
「そうか、懐かしいな、あの国に行くのは」
「ライの故郷でもあるからね、緊張してる?」
「少しね、でもそんなことは言ってられない」
「緊張してるんじゃ仕事はできないわよ、おまじないをしてあげる」
そう言うとライの唇にキスをした。
「緊張はほどけた?」
「あぁ、完璧にね、それじゃあお礼に」
ライもまたモニカにキスをした、そして抱き合ってお互いのぬくもりを感じようとした瞬間
「殿下、モニカ。そろそろ準備を、政庁にってどうかしました?」
ジノがいきなり現れたので慌てて離れた。
「いや、何でもない。それより指示通りにしてくれたか?」
「はい、我々のことは伏せてあり出迎え必要なしと」
「よし、では予定通りにスリーとシックスは攻撃を、多少は手加減をしろ」
「イエス・ユア・ハイネス」
「さて、どの程度の実力か確かめるか、トゥエルブは俺と共に戦況を見極めろ」
「了解」
こうして、ライの作戦は実行されようとした
「なんだなんだ。こんなものか? 大した事ないな、ここの守備力も」
そう言ってジノは操縦桿を巧みに操作すると、彼の愛機であり戦闘機であるトリスタンは空を舞うツバメのような機敏さで、空を縦横無尽に飛び交う。
先ほどからサザーランドが銃撃をしているがかすりもしていなかった、そしてトリスタンはナイトメアに向かって
スラッシュハーケンを発射した、サザーランドは対処しきれず次々と撃破された。
「ジノ、つまんない」
アーニャは今ジノとは違う場所で、専用機のモルドレッドを駆り、戦闘の真っ最中だった。
向こうの方でも大したことがなかったらしい、しかし皇族の命令であるため中断できなかった
そんな時、レーダーの電子音が介入した。KMFの反応が二つ。
「おっ、まさか、あれはグラストンナイツか」
『どこのだれだか知らないが、ここまでだ』
『よくも、好き勝手暴れてくれたな』
その光景を見て、ジノは少しがっかりした。グロースターは大型のランスをどっしりと構えていた。
戦闘機相手に大型ランスなんか持ってきてどうするつもりだったのかと、理解に苦しんだからだ。
「失格。その武装は拠点を守る事に適してはいるが、まぁいいだろ。なら」
戦闘機から、腕が、足が、そして、頭部が現れる。スマートな体躯に、二本の角が生えたような頭部。
「トリスタン、そういう事でしたか。ジノ・ヴァインベルグ卿」
「ああ、君たちを試しに来た。私を止めてみたまえ」
「ッ! 言われずともぉ!!」
火に油を注がれた騎士の叫びに呼応して、二騎の“グロースター”が槍を構える。
そして突撃してくる、しかしそれを受け止めると弾き返し体勢を崩すグロースター
そこにすかさずトリスタンの槍が上段から襲い掛かる。さらにスラッシュハーケンを撃ち
もう一方のグロースターを撃破した
「お終い、と」
その時、アッシュフォード学園の制服に身を包んだスザクが現れた
「そこまでだ、ジノ。これ以上ふざけが過ぎると君を拘束するよ」
「相変わらずお固いな、スザク。でも、俺は命令に従ったまでだ」
「命令?、それは誰から」
「それは、俺が指示したことだ」
現れたのは2本の剣を腰に差したライと1本の剣を腰に差したモニカだった。
「殿下!」
スザクを含め周りにいた兵士も臣下の礼を取った。
「ヴァインベルグ卿とアームストレイム卿に守備力を試せと命令したのだ、どの程度のものか。
はっきりいって酷いものだな、鍛錬が足りん。クルシェフスキー卿、貴殿はどう思った?」
「そうですね、まずグラストンナイツは武装の選びが駄目でした。いくら政庁を守るのに適しているとはいえ
それにこだわっていました、逆に他の兵士は武装はよかったですが殿下の言うとおり鍛錬が足りません」
「グラストンナイツは明後日までに今回の被害報告を提出、ラウンズは守備隊の悪いところをまとめて提出を、
他の者はエリア11の現状と内政について提出、誤魔化しはきかないからな。解散!」
「イエス・ユア・ハイネス」
そう言うと各自自分の仕事に取り掛かり始めた、ライはその後自分なりに内政の状況を調べ始めた
最終更新:2011年05月07日 23:23