045-653 生徒会役員共2



「やっぱり脛毛とかの処理って大変なのよ。 わかる? ライ」
「すいません、話が唐突過ぎて意味がわからないです」

ミレイさんたちが会話しているのを見た僕は、すぐさま生徒会室から出て行こうとしたが、間に合わなかったよう

だ。

「剃ると痛くはないんだけど、やっぱり抜くほうがいいのよね~」
「……で?」

いつものことだが、ミレイさんの話はよくわからない。 過程が省かれて結論だけ述べられている気分だ。
おそらく、ミレイさんの頭の中では既にいろいろな理論が完成されているのかもしれない。

「と、いうわけで シャーリー、カレン、ニーナ」
「えっ……って、うわっ!?」

僕の右腕をシャーリーが、左腕をカレンとニーナがつかむ。

「フフフ……ライ、あなたもこの痛みを味わうといいわ」
「えっ……えっ?」

ガムテープを持ったミレイさんが迫ってくる。
美人の女性が迫ってくる、といえば聞こえはいいが、まったく嬉しくはない。


「フフフ……」
「や、やめ……」

ガチャ

「おいーっす!」
「あ、リヴァル!」

なんというタイミング! リヴァル! 助けてくれ!

「リヴァル! 助け」
「あ、リヴァル! あなたも女装する?」
「失礼しました」

リヴァルゥゥゥゥゥ!!!

「というか、え? 女装?」
「そうよ。 何の意味もなく私があなたの脛毛を抜くわけないじゃない」

そもそも脛毛を抜く意味がわからない。
女装もわけがわからない。


しかしそのとき、ナナリーの話を思い出した。 思い出してしまった……

「あ……男女逆転祭り……」
「あら、わかっちゃった? あなただけやってないから、仲間はずれはよくないかなーと思って、ね?」
「カメラの準備は……万端です……」

くそっ、なんてことだ……
その気持ちはありがた……くないな、ありがた迷惑ってやつだろう。
だが、しかし、一応行為から来ている行動を無下にはできない。
いや、面白がっているだけの可能性も高いけど……どうしよう。
おとなしく女装するしかないというのか……?

「大丈夫、心配しないで。 最近、男の娘っていうのが流行っているらしいから」

シャーリー、なんの慰めにもなっていない慰めをありがとう。
カレン、何気に君が一番強く握っているぞ、腕が痛い。

「さて、じゃあいくわよ?」

はっ、いつの間にかズボンがめくられている!?

「それ!」
「っ……!?」

叫ばなかった僕を褒めたい、それくらいの痛みだ。
脛を押さえて叫びたい気分だが、両腕を抑えられているため、それは叶わない。

「それ! それ! そーれっ!」

ベリベリとガムテープを剥がしていくミレイさん。
その痛みと、この後に待ち受ける羞恥を考えると、無性に泣きたくなってきた僕だった。


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最終更新:2011年09月29日 12:05
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