文献情報

  • Park, J.-H. and Nunes, T.: "The development of the concept of multiplication", Cognitive Development, Vol.16, Issue 3, pp.763-773 (2001).

概要

 イングランドのバッキンガムシャーにある2つの学校の2年生42名(男子23名、女子19名)をランダムに「累加群」「対応づけ群」に振り分け、それぞれの方法で指導します。たし算とかけ算の、事前テスト・事後テストを実施します。テストは一斉テストではなく、インタビューに近い形です。正解数を統計分析し、かけ算の学習には、累加よりも対応づけのほうがより効果的であると結論づけています。
 対応づけ群が学習するかけ算の場面例に「エイミーのお母さんは、お鍋2杯分のトマトスープを作っています。お鍋1杯分のスープを作るのに、トマトを3つ使います。お母さんは、いくつのトマトを必要としますか?」、累加群では「トムは、おもちゃの車を3つ、持っています。アンは、お人形を3体、持っています。2人のおもちゃを合わせると、いくつになりますか?」を挙げています。この問題例を見る限り、対応づけ(原文ではcorrespondence)は、文献:算数解説2008 87頁に記されている「乗法は,一つ分の大きさが決まっているときに,その幾つ分かに当たる大きさを求める場合に用いられる」に該当します。

引用・被引用

 文献:Vergnaud 1983文献:Vergnaud 1988を引用しています*1
 Multiplication and Those Pesky British Spellingsで,「A contorolled experiment」と題して、この文献の書誌情報とアブストラクトが記載されています。

外部リンク

最終更新:2013年04月13日 22:59

*1 なぜか前者のタイトルは「Multiplicative structure」と、単数形になっています