「作問」とは
辞書を引くと「試験問題などを作ること」とあり、学校教師や合否判定などをする側の行為に見えます。
しかし算数では、作問は子どもたちが問題を作ることを意味します(それに対し、試験問題を作る行為は、「作題」と書かれることがあります)。
作問|算数用語集にあるとおり、1年からその活動が見られます。
国語の「~を使って短文を作りなさい」に似たところがあります。
かけ算の作問
乗法の意味の理解に関して、作問させる活動を、いろいろな算数教育団体の本から知ることができます(
文献:日教組1983、
文献:田中2008、
文献:田中2011:板書、
文献:木村2012)。
間違いのパターンには大きく分けて2種類があります。一つは、2つの数量を単純に並べ、「かけるといくつになるでしょう」といった形の問題にすることです(「ペアはいくつできるでしょう」のように、直積に基づいたものであれば、正解となるのですが)。
もう一つは、かけられる数とかける数の意味の間違いです。その場合には
- 子どもが、かけられる数とかける数が反対の文章題を書く
- 先生は、その文章題を式と照合させる(図を描かせることも)
- 子どもが反対だと気づいて、文章題を作り直す
という展開が見られます。
文献
以下の文献で、かけ算の作問の調査がなされています。
- 佐伯胖, 長坂敏彦, 上野直樹: 「小学校算数における理解のドロップアウト」昭和六二年度特定研究成果報告書『子どものドロップアウトに関する教育学的研究』.(文献:麻柄1995、文献:田中2008より)
- McIntosh, A.: "Some children and some multiplication", Mathematics Teaching, No.87, pp.14-15 (1979).(文献:Anghileri 1988より)
- Brown, M.: "Number operations", Children's understanding of mathematics, pp.11-16, John Murray (1981).(文献:Anghileri 1988より)
外部リンク
最終更新:2012年12月29日 21:43