概要
セルレイ特別市はツキガミ連邦時代に提唱された『フィーリア再興計画』によって整備された超巨大構造都市である。
「アース・ワン」と呼ばれる巨大建造物を中心とする中央区、連邦議事堂を中心とし中央官庁が集まる特別区、湾岸副都心で構成される港区、中央山地に面する城南区に分けられる。
中央区
中心に位置する巨大構造物「アース・ワン」は中央に1つとそれを囲む4つの強化支柱、さらに外縁部に広がる12の副強化支柱で支えられている半球状構造物とそこを中心に広がる地域で構成されている。
主に構造物上部の上層地区、地表部分である中層地区、地下の下層地区に分けられ、それぞれに商業区画、居住区画、工業区画が置かれている。
各層を結ぶ乗り合いの超高速エレベーターや各地区を結ぶ鉄道網など、多くの公共交通機関が整備されている。
高速道路も整備されており、一般車の乗り入れも可能だが、テロ対策のため地区ごとに検問所が設置されており、高額な通行料(居住者は半額)を請求される。
上層地区は標高500m地点に位置し、地区内は複合施設「セントラルタワー」を中心に大企業の本社、一部の高所得者用の居住区で占められているが、一部は未だに未完成である。
中層地区における日照問題は人口増加につれて問題となっており、早急な対策が望まれているが財政難により見送られている。
下層地区の大半は工業区画で占められており、保安上の理由から関係者以外は原則立ち入り禁止となっている。
経済の中心であり、戦略的にも重要なことから防衛都市としての働きも持ち、随所に迎撃ミサイルや野戦滑走路として転用可能な高速道路などが整備されているほか、
下層区画は臨時の核シェルターとしての役割も担っているとされる。
「アース・ワン」の莫大な維持費ゆえに特別居住税(場所により増減額)が徴収されており、国内で最も住民税が高い地域でもある。
特別区
中央区の南に位置する。
大統領官邸や連邦議事堂を含む中央省庁が集中しており、公務員専用の住宅街も設けられている。原則として国家公務員とその家族以外の一般住民の居住は出来ない。
かつての王宮である中央宮殿は博物館として一般に公開されており、付近には国立兵器博物館や革命記念館などがある。
また、首都特別管区飛行隊や政府専用機を擁する
ワイバーン空軍基地が設置されている。
港区
中央区の北に位置する。
湾岸副都心が整備され多数の高層ビルが立ち並ぶほか、
セルレイ国際空港や大規模な商業港が設置されており、国内の玄関口として機能している。
城南区
中央区の西、特別区の南西に位置する。
飛流国時代の城が復元されており、城下町の古民家群は指定文化財となっている。
南には山地が広がり、国立自然公園に指定されている地域もある。都心から近いため、週末は行楽客で賑わう。
ハイパービルデング建設問題
巨大構造物「アース・ワン」の着工は世界的にも注目を集め、高度成長に沸く国内も大いに賑わった。
その一方で、周辺地域の住民の半強制的な立ち退きや大規模な土地開発、そして莫大な予算など空中都市の建設には多くの障害があり、また現在でもその影響は続いている。
特に費用に関しては、国家予算の数年分という金額を要し、膨大な負債によって後の財政破綻を招いた。
また、税制改革による税の大幅な引き上げや財政破綻後の深刻な不景気にもかかわらず、巨費を投じて空中都市の建設が続けられたため、国民の不満が増大、空中都市の建設中止運動はますます激化した。
政府関係者と建設業者との癒着問題もこれにますます拍車をかけた。
政治改革の後、与党は一時的に空中都市建設の中止を宣言したが、すでに部分供用が始まっており、中止後の経済的損失も莫大になることから中止は困難とされ、建設は続行。
予算の縮減や計画の変更により整備が遅れ、未だに完成はしておらず、早くも部分的な老朽化が進んでいる。
余談であるが、アース・ワン中央のセントラルタワーは元来軌道エレベーターとして建設されていたが、前述の財政難により第二次進宙計画が中止され、現在では1000m級の複合集約電波塔として機能している。
最終更新:2011年02月07日 01:27