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存在の証明、怒涛の進撃

ライトノベル学園の移転。
潤沢な資金と魔法に科学、人的資源で様々な復旧手段を持つ学園でも、のべつくまなく
生徒の騒動で崩れたり、教師の無茶で崩壊したり、両方の激突で大爆発したりするので
いい加減あちこちガタも来る。
もうすでに新しい場所に移ったものも居る。それでも大半は場所の確認や荷物の整理におおわらわになっている。
そんな学園の騒ぎの中――

久しぶりにラジオ部の部室に戻ってきた。勝手知ったる部室の機材を操作し、全校向けての放送を準備をする。
これから彼女がすることは、学園を大混乱を起こすかもしれない。いや、おそらくそうなるだろう。
それでも、やらなければならない。
そう自分に言い聞かせ、原稿を手にゆっくりと息を吸う。
そして、学園のすべてのスピーカにひとつの声が響く

???「――みなさん、聞こえますか?――」

その声に荷造りをしていた手が止まる。

???「みなさん、聞こえますか? 私は皆さんにこの声が届くと信じて放送しています」
生徒A「あれ? この声って……」
生徒B「うん。レコリスだよね? 海賊放送の」

引越し先の確認をしていた目が、不思議そうに近くのスピーカーに向く。
いつもの海賊放送なら、別の時間に流れているはず。
そしてこんな切羽詰った声のレコリスは初めてだった。

レコリス「お願いです。みなさん、この放送を聴いてください。私たち……」

数秒、躊躇うような沈黙があり、続く言葉は――、

レコリス「私たち、二級生徒のことについてです」

誰もが黙り耳を傾ける中、レコリスは二級生徒に関する真実の物語を語っていた。
有力クラブが金で買い、「いろいろ」な仕事をさせるためのニセ学生。
学園に居ないはずの生徒。

――だから正規の登録などできず、学園の移転で取り残されていく生徒。

そうされても仕方ないかもしれない。二級生徒はそれだけ表には出せないような
軽いところでは自分が軍事系のクラブのために、少しずつ印象をよくなるような放送をしていたように。
そして、それ以上に学園暗部で動いていた二級生徒たちがいて。
レコリスが読み上げる手元のレポートは、そんな事実が書かれている。

愛恋(これは『二級生徒』について調べた、私なりのレポートである。)

思えば、最初から愛恋はレコリスが、秘密組織の一員であるといいながら接触してきた。
後から聞けば誰にでもそう言って真のジャーナリストと自称し続ける愛恋と、レコリスは何だかんだでウマが合い
クリスマス等と一緒に海賊放送を続け――。
そして今日、愛恋はこの学園での最後の放送なのだ、と言いながらレコリスに原稿を渡してくれた。

愛恋(どうするかは君に任せよう。だが、この中には私が君を通じて見てきた真実が込められているのである)
レコリス「騙していて、ごめんなさい。でも……」

心の中にある壁を越えて、たった一言をいうのに途方もない勇気が必要だった。
それをいえばきっと逃げられなくなる。表に出てはいけないレコリスたちが、否が応でも明るみにさらされる。
緊張に胸が痛う。それでもレコリスは、愛恋の言葉を頼りに、たった一つの願いを口にする。

愛恋(――二級生徒でも、友達になれるのだ)
レコリス「お願いです……この学園に、いさせてください……」


そして、少女の小さな願いに、一人の生徒が答えた。
???「さて、それでは私の出番だね?」


佐山「何、君の上司に頼まれて交渉に来たのだよ。別に礼などいらない。いやどうしてもと言うなら
   まあ、敬意を込めて宇宙の中心、偉大なる佐山様と呼んでくれたまえ」
その言葉にレコリスは連絡用に持たされていた携帯を、次いで相手を確認する。
レコリス(ど、どちらかというと電波放送の中心みたいな人ですけど……)
佐山「では、改めて交渉といこう。 うむ、民衆の煽動などやった事がないので不安だね?」

佐山「――諸君」
見えない聴衆に向かって、佐山は両手を広げる。
佐山「今こそ言おう。……佐山の姓は悪役を任ずると!!」
話しかけるのはさっきまでレコリスの使っていた全校用の放送マイクだ。
佐山「いま話に出た『二級生徒』に本当の所、証拠は無い。考えたまえ。そこに居るのは我々の隣人だ。
   まして宇宙の中心たる私が悪役たるくらいだ。ニセ学生など何ほどのこともないよ。
   そして何より、この学園の生徒手帳には――」
胸のポケットから手帳を取り出し、レコリスに差し出す。引かれた赤線には。
レコリス「……自らそうだと思う者が、このライトノベル学園の生徒である……」

佐山「――命令だ。総員、いいか、総員だ。
   準備を整え、新しい場所へと進撃せよ!進撃せよ!進撃せよ、だ!
   途中に二流だ、日陰だと嘆くものがいたら、引きずって一緒に連れて来い。
   そして教えてやれ。玉石混淆、いかなる地雷も恐れぬのが我々だと!」
それを証明するように、音を立てて佐山は前に踏み出す。
佐山「だから告げたまえよ、諸君! 大丈夫だ、笑っていろと」
沈黙の数秒。そして問い掛け。

佐山「……返事はどうした?」


CAST

・ラジオガール・ウィズ・ジャミング
レコリス

・ムシウタ
愛恋

・終わりのクロニクル
佐山御言

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最終更新:2006年08月21日 23:12
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