2葉双曲面のz成分が正の部分H=\left\{\left.\begin{pmatrix} x \\ y \\ z \end{pmatrix}\right | x^2+y^2-z^2=-1,z>0 \right\}について、以下の問いに答えよ。

H上の任意の点P\begin{pmatrix}a\\ b \\ c \end{pmatrix}について、ベクトル

 {\boldsymbol v}_P=\begin{pmatrix}-a \\ -b  \\ c \end{pmatrix}

Pにおいて曲面Hに直交することは既知であるとする。これをHPにおける法線ベクトルという。


(1) Hの概形を描け。(ラフスケッチで構わない。z>0に注意せよ.)

(2) 点Pにおいて曲面Hに接するベクトル全体の集合をT_PHで書くことにすると、T_PHとは法線ベクトル{\boldsymbol v}_Pに直交するベクトル全体のことである。T_PHの基底の例を求めよ。

(3) {\mathbb R}^3の二つのベクトルに対して実数を対応させる写像L({\boldsymbol u},{\boldsymbol v})

 L\left(\begin{pmatrix}u_1 \\ u_2 \\ u_3 \end{pmatrix},\begin{pmatrix}v_1 \\ v_2 \\ v_3 \end{pmatrix}\right) = u_1v_1 + u_2v_2 - u_3v_3

により定義する。このLは通称「ローレンツ計量」と呼ばれるが,線形代数の意味では\mathbb{R}^3の計量ではない。そのことを示せ。

(4) Lを「T_PHの二つのベクトルに対して実数を対応させる写像」と考えると、Lは線形空間T_PHの計量になっている。このことを示せ。


最終更新:2010年11月28日 10:05