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【二日目】


「……では警視総監殿。
 今回の殺人事件の調査に、『あの男』の手を借りると?」
「その通りだ、所長。
 これだけ大掛かりすぎる事件である以上、解決の為にはやむをえまい」


府中刑務所。
通称『府刑』と呼ばれるその施設は、日本最大の規模を誇る刑務所である。
その所長室では今、二人の重鎮が机を挟み重い顔をして言葉を交わしていた。
片方はこの府中刑務所の所長であり、対面に座るのは東京都警察の本部長……警視総監である。
彼等が話していたのは、先日東京で起きた大量殺人事件の捜査についてであった。
既に警察関係者をも含む多くの犠牲が出ており、このままだと更なる被害が出るのは火を見るより明らかだ。
何としてでも……どんな手を使ってでも、収集をつけねばならない。
そう判断した結果、日本警察庁はある決断を下したのだ。





「警察として、恥ずべき行為なのは承知している。
 だが、全ては犯人逮捕の為だ。
 Mr.アンチェイン……ビスケット・オリバの力を借してもらいたい」





この東京における最強の犯罪者ハンターであり、最悪の受刑者―――ビスケット・オリバの力を借りることを。




◇◆◇




「一夜にして52名もの大量殺人事件。
 空前絶後の殺人鬼……か」


本革を使った最高級のソファーに腰掛け、ビスケット・オリバは小さく溜息を吐いた。
壁にかけられた超大型テレビジョンに映し出されているのは、昨夜より話題となっている大量殺人事件についてだ。
たった一夜にしてこれだけの命が、それもたった一人に奪われたというのは、この東京において過去最大級の事態だろう。
今頃警察は慌てふためいているに違いないだろう。
一般都民とて、それなりの不安―――作りものである彼等に、果たしてその感情がどこまであるかは疑問だが―――には駆られているだろう。

しかし……中には自分と同じく、この事件にある可能性を見出す者達もいるだろう。
即ち、この殺人事件は聖杯戦争と密接に関わっていると。


『聖杯戦争に参加しているマスターか、或いはサーヴァントの仕業と見るべきだろうな』


そんなオリバの疑問に対して、彼の脳内へと男―――サーヴァントの声が響いた。
彼もまた、マスターと同様の考えを抱いていたようだ。
たった一夜の間に50もの命を奪えるだろう実力の持ち主というだけならば、両者共に知ってはいる。
しかし、彼等と目撃証言から想像できる容疑者の姿とは、かけ離れている……
何より彼等がいたとしても、この『東京』の地に住まう偽の住人がその様な凶行に走ることもありえないだろう。
故に、この殺人鬼の正体は聖杯戦争の関係者しかありえないのだ。


「なあ、アサシン。
 この聖杯戦争、お前はどう思ってる?」
『ん?』
「勝ち上がった優勝者には、あらゆる願いを叶えられる聖杯を与える。
 何とも魅力的で、神秘的な話だが……こうした凶行を見るに、ろくでもない願いを持った主従がいることも確かだ。
 普通、自分が主催者だったとして、こんな連中に聖杯を託そうだなんて思うか?」


オリバが抱いた疑問は、ある意味至極当然のものだった。
万能の願望器たる聖杯は、使うもの次第で核兵器すら及ばない最強最悪の兵器に成り果てる。
そしてそれを実行しかねない主従が、こうして聖杯戦争に参加している。
少しでもまともな考えがあるなら、そんな奴らに聖杯を渡そうなどとは間違っても考えないはずだ。


「かと思えば、お前の様に満足して生を終えたサーヴァントもいる。
 私とて、絶対と言う程叶えたい願いは今のところ持ち合わせちゃいない……妙じゃないか?」
『言われてみりゃ確かにな。
 そりゃ、こうして甦れた以上は楽しんじゃいるぜ?
 酒も女も美味い食い物も、お前のおかげで精一杯楽しめてんのは事実だ』


テーブルに置かれた上質なワインと、それに釣り合うこれまた上質なツマミ。
どちらも、オリバの地位があるからこそ手に入る至極の逸品だ。
そういった贅沢を、アサシンは心の底から楽しんでいた。
流石は生前、『強欲』の異名を持った男というべきか。


『が……まあ、なんだ。
 それでも、本当の意味で欲しかったものはあの時にもう手に入れちまってるからな。
 俺はあれで満足しちまった……お前の言うとおりだ。
 聖杯を絶対手に入れてぇって気持ちはそこまでねぇよ』


しかし。
オリバの言うとおり、アサシンは生前にこの世に一切の未練を残す事無く死を迎えていた。
強欲の身である自身が、もう何もいらないと満足出来るだけのものを手に入れることができていたのだから。
本当の意味で欲していたもの―――『仲間』を手に入れることが出来たのだから。
勿論こうしてサーヴァントとして降り立った今、その生はこうして存分に謳歌するつもりではある。
幸いにも自身のマスターは、『世界一自由な男』という異名を持つとてつもない権力の持ち主だったのだから。


「では、その手に入れた『仲間』達にもう一度再会が出来る……と言ったらどうだ?」
『あ~……ん。
 そいつは、ちょいと考えちまうかもしれねぇが……いや、やっぱ乗れねぇな』
「ほう……仲間達に軽蔑されるからか?」
『ま、有り体に言えばそうだ……相棒が言ってやがったよ。
 自分の為に他者を切り捨てるやり方は、断じて王の在り方じゃねぇ。
 何もかも、全部ひっくるめて自分の懐に入れてこその【強欲】だろうってな』


他の参加者を切り捨て、聖杯を手にする。
そんなやり方は、自身の在り方に反する……それは真の意味での『強欲』ではない。
何一つとして切り捨てることなく全てを受け入れてこそ、真に『強欲』なのだ。
生涯で得られた最大の宝に、アサシンはそう教えられた。
それを反故にする様な真似は断じてできない……してしまえば、それこそ彼等に軽蔑され手放される結果になるだろう。
『強欲』な彼からすれば、手に入れたものを手放すなど考えられないのだ。


「ふ……」
『なんだよ、マスター?
 変な事を言ったつもりはないぜ』
「いや、やはりお前は私のサーヴァントなのだと思ってな。
 私も似た考えを抱いているよ」


オリバはそんなアサシンの考えを、全て良しとして受け入れていた。
彼とて、世界で一番自由な男―――Mr.アンチェインなのだから。
その怪力と権力で、欲するものを手にするべく散々に我儘を貫き通し続けてきた。
やりたいと思う事を、やりたいままに行ってきた……その有様はまさに『強欲』そのものだろう。

しかし、だ。
そんな彼にも、アサシンと同様に心の底から手放したくない大切なものがある。
それは、他の何者にも変えられぬ『愛』だ。
かつて世界最強を目指す一人のグラップラーに強さの秘訣を尋ねられた時、愛以外に人を強くするものなどあるものかと答えたように。
オリバには、とてつもなく大切な愛しき恋人が居るのだ。
この怪力とて、彼女を抱き上げるために手に入れたもの……だから、アサシンの言うことがよくわかる。
心のままに『強欲』に生きようと思う彼の思いは、オリバにとって共感に値するものであった。
だからだろう……彼が自身のサーヴァントに選ばれたのは。


「話を戻そう、アサシン。
 この聖杯戦争に参加する主従は、どういう基準で選ばれているのかが私には気になって仕方がない。
 恐ろしい殺人鬼もいれば、確固たる願いを持っていない者とている……
 下手をすれば、聖杯戦争が何たるかすらも理解できていない参加者とているだろう。
 主催者は何を持って、こんな真似をしたか……知ってみたいとは思わないかね?」
『……成程ね。
 確かにこいつは、何か裏を感じるぜ』


かつてアサシンの『父上』が目論んだ、神の力を手に入れるための大規模な計画。
この聖杯戦争には、それに近い何かがあるのかもしれない。
少なくとも、何かしらの意図があっての開催である事はまず間違いがないだろう。
だとしたら……放っておいてロクな結果にならないであろう事は、容易に予測できる。


「それに、何よりも……はっきり言ってしまうとな。
 『自由』を奪われてこの閉じた世界に無理矢理押し込められた事が、私は気に入らないのだ。
 だから、主催者達の思うがままに動くというのは我慢できないのでね……彼女の元にも帰りたい。
 この聖杯戦争を、ぶち壊してしまいたいと思っているんだよ」


そして。
ビスケット・オリバにとってこの聖杯戦争は、自身の自由を阻むモノとして到底許容できるものではなかった。
この自分を自由にして身動きを封じる所業など、どうして許せようか。
愛しき彼女と引き離した彼等を、どうして許せようか。
そんな首謀者の思惑通りに聖杯戦争に乗るなど、どうしてできようか。
だから……そいつらの計画を、この手で派手にぶち壊してしまいたいのである。


「だからアサシンよ。
 お前の協力がそれには必要不可欠になるんだが……
 力を貸してくれるのなら、礼としてお前の願いもついでに叶えてしまおう」
『あん?』
「わからないか?
 私は聖杯戦争をぶっ壊して、ついでに『聖杯』も首謀者からひったくってしまおうと言ってるんだよ。
 そういうやり方なら、お前だって仲間達に気兼ねすることもあるまい」
『……ハハハハハッ!!
 そうか、聖杯を主催者達からぶんどっちまうか……!
 いいぜマスター、その『強欲』なやり方……気に入ったぜ!!』


オリバの提案に、アサシンは心から派手に笑った。
気に入らない主催者達を潰したら、折角だしその戦利品として聖杯を頂いていこうとは。
なんという『自由』な、なんという『強欲』なやり方か。
かつての相棒とは別の意味で、この男は自身の主に相応しい性根の持ち主だ。
いいだろう。
その素晴らしい提案に、喜んで乗らせてもらおうじゃないか。
主催者達に自分達の望む生き方を見せつけ、貫き通させてもらおうじゃないか。


「Mr.アンチェイン、失礼します」


その時だった。
部屋のドアを叩き、何者かが室内に入ってきた。
先程、苦い顔をして警視総監と話していた府中刑務所所長だ。
そう、オリバ達がこうして優雅に過ごしていた空間とは、この府刑の中に特別に作られた彼だけの『牢獄』。
刑務所の中にあるまじき、世界最自由が住まう豪邸なのだ。
この作り物の地においてもなお、ビスケット・オリバはかつてと同じ立場でこの東京の地に降り立っていた。

即ち……刑務所を自由に出入りできる、東京で最も自由な囚人として。




◇◆◇



「成る程、例の連続殺人鬼の逮捕に俺の力を使うということか」
「ええ……それだけの事件であると、警察庁は判断されたそうです」


自室を出て、所長より大体の説明を受けながらオリバは刑務所の廊下を悠々と歩いていた。
左右の牢獄からは、そんな彼へと畏怖と切望の入り混じった視線が強く向けられている。
囚人達からすれば、Mr.アンチェインの在り方はこの上なく羨ましいものに違いないのだろう。


「いいだろう、私としてもあの事件は気にかかっていた。
 是非、犯人を逮捕させてもらおうではないか」


オリバは、所長からの協力要請―――もっとも、そんなものがなくとも乗り出す気満々だったが―――を快く受け入れた。
聖杯戦争をどうにかするにあたり、ひとまずは危険人物の排除は必須項目だ。
行動中に邪魔をされても堪らないし、不安要素は無いに越したことはない。
まずは刑務所を出て、この殺人鬼をはじめとする参加者達に接触を果たしてみようか。
そう、次のプランを考えていると……



――――――ガッシャァァァァンッ!!!



その時だった。
廊下に、強烈な金属音が響き渡ったのは。


「なっ……!?」
「ほう……こいつ、鉄格子をぶち破ったのか」


咄嗟に二人が音のした方向に振り返ると、そこにはひしゃげて原型をとどめていない鉄格子の扉があった。
そしてその先に立つのは、凄まじい巨躯を持つ筋肉隆々の囚人だ。
恐らくはその怪力をもってして、牢屋をぶち壊したのだろう……しかし。
この作り物の東京において、そんな真似をしでかす囚人など普通はいはしない。
もしいるならば、それは……


『マスター……この男、サーヴァントだぜ。
 だが、奴の右手には令呪もある』
「成る程……サーヴァントと一体化したマスター。
 所謂デミ・サーヴァントという奴だな」


聖杯戦争の参加者に他ならない。
しかもこの男は、サーヴァントとマスターとが一体化した存在―――通称でデミ・サーヴァントと呼ばれる者だ。
恐らくは記憶を取り戻し、刑務所からの脱走を図ろうとしているのだろう。
それはなんと……運がないことか。


「ウオオオォォォォォッ!!」


男は床を蹴り跳躍すると、ビスケット・オリバ目掛けて真っ直ぐに飛びかかってきた。
拳を強く握り締め、上空より全力で打ち下ろす。
人間を遥かに超越した存在たるサーヴァントと、生身の人間。
如何にオリバの超人的な身体能力があったとしても、まともに受ければダメージは免れない。
そのまま殴り合いをはじめようものなら、圧倒的大差でオリバは敗北するだろう。



……ただし。
それはオリバが本当に『生身の人間』だったらの話だ。




――――――ガキンッ!!



「ッ!?」


男の目が驚愕で見開かれる。
ビスケット・オリバはその太い腕で自身の拳を受け止めていたのだ。
ありえない。
幾らこの男の筋肉でも、そんな真似をして平然と立っていられるわけがない。
そう、驚きを隠しきれなかったのだが……そこで彼は気づいた。
自らが拳を押し付けているその腕が、鈍く黒い光沢を放っていることに。
そしてその手の甲には、赤く輝く文様―――令呪が宿っていることに。


自身のそれとは形状がはっきりと違う……身喰らう『ウロボロス』を模した令呪がある事に。


「ふふ……気づいたかな?
 そう、私も君と同じマスターであり……同じく、デミ・サーヴァントの様な存在なのさ」


ビスケット・オリバから、サーヴァントの気配がしている事に。

そう……今の彼はその身に『強欲』の化身を宿す、デミ・サーヴァントなのだ。





――――――ドガッシャアアァァァァァンッッッ!!!




オリバの豪腕から繰り出されたその一撃は、男の体を派手に壁三枚分ぶち抜き刑務所の中庭まで吹っ飛ばした。
落下して地面に落ちた時には既に、その命はない。
ビスケット・オリバ自身とサーヴァントの力をフルに発揮した全力の一撃は、容易くその囚人をこの聖杯戦争より脱落させたのだった。


「実にいい開戦の合図だ……では私も、はっきりと宣言しよう。
 この聖杯戦争を企む首謀者達よ……お前達に私以上の自由を、私は許さない!」





【クラス】
 アサシン

【真名】
 グリード@鋼の錬金術師

【属性】
 中立・中庸

【ステータス】
筋力:- 耐久:- 敏捷:- 魔力:B 幸運:A+ 宝具:A

【クラススキル】
気配遮断:-
 サーヴァントとしての気配を絶つ。
 アサシンはその生前、隠密行動に長けたリン・ヤオを宿主としていた為にこのスキルを持っていたが、
 彼という宿主を失い魂のみの存在になった為、現在はこのスキルを失っている。

【保有スキル】
カリスマ:C
 軍団を指揮する天性の才能。
 団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。
 生前のアサシンは自らを慕う仲間達に恵まれており、彼自身もまた『強欲』に仲間達を誰ひとりとして
 見捨てようとしなかった事から、長としての優れた素質を持っている。

エンチャント:B
 概念付与。
 他者や他者の持つ大切な物品に、強力な機能を追加する。
 アサシンは自身の賢者の石で、マスターであるオリバの肉体に対してサーヴァントに通用するだけの強化を与えている。

【宝具】
『強欲の化身(グリード)』
 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:100
 『強欲』の名を持つアサシンを象徴する宝具にして、そしてアサシンそのものとも言える赤き賢者の石。
 賢者の石は無数の魂を凝縮させた生命エネルギーの塊であり、この石にはアサシンの魂を核として大量の命が宿っている。
 この賢者の石を体内に注入されたものはその強力なエネルギーに肉体を蹂躙されるも、
 それを全て受け入れ共存するか、或いは石に宿る魂を内在戦闘において全て殺し尽くし支配する事で、
 強力な力を持った人間ベースのホムンクルスと化す事ができる。
 前者の手段で生き残った者は、傷を負っても内在する生命エネルギーによって肉体の再生が可能である。
 ただし、命のストックがなくなるまで殺し尽くされた場合は再生力が働かなくなる。
 そしてこの宝具の最大の特徴として、体内の炭素の結合度を変化させる『最強の盾』の能力を得ることが出来る。
 これにより表皮をダイヤモンド並に硬化させる事ができ、強力な防御力を得ることが出来る。
 全身全てを硬化させれば何も通さない装甲を得ることが出来るが、再生と硬化は同時に行うことはできない。
 また、硬化には若干の時間がかかるため再生中・効果中を狙っての連続攻撃に対しては不利に陥る事がある。
 ビスケット・オリバはその懐の広さで『強欲』にアサシンを受け入れ共存に成功しているため、
 その能力をフル活用することができる。

【weapon】
 硬化させた肉体そのもの。
 オリバの肉体を硬化させ、更にその怪力を乗せることで敵を粉砕する。

【人物背景】
 『強欲』の名を持つホムンクルス。
 その名が示すとおりに自身の欲望に忠実であり、金・女・命と、この世のありとあらゆるものを欲していた。
 「ありえない事はありえない」という持論を持っており、ウソをつかないことを信条としている。
 『父』と呼ばれる人物の手で生み出されたが、その下では自らの強欲は満たせないとして離反。
 その後、世間のはみ出し者達や軍の実験体である元兵士達を集め、
 彼等の兄貴分として自由奔放に生きてきた。
 部下は自身の所有物だと公言しているが、それは単なる駒として見ているのではなく、
 「自分は誰よりも欲が深い、だからみんな俺のものだ。
 俺は俺の所有物を絶対に見捨てない」と豪語しており、『強欲』に彼等のことを思っていた。
 しかし、自らの拠点を攻めてきたキング・ブラッドレイとの戦闘に敗北し、全てを失ってしまう。
 そして『父』の手によって賢者の石に戻されたのだが、空席となっていた『強欲』を埋めるべく、
 『父』の手によってホムンクルスのアジトへ侵入したリン・ヤオに注入される事になった。
 結果、彼はリンの肉体をベースとしたホムンクルスとして復活を遂げることになった。
 この復活直後には以前の記憶は失われており、キング・ブラッドレイ共々『父』の計画のために動いていたのだが、
 自らの部下であり唯一の生き残りでもあったビゴーを自らの手にかけた事を切っ掛けに、過去の記憶がフラッシュバックし錯乱。
 記憶の中にあったキング・ブラッドレイを襲撃し、そのままの勢いで『父』から離反した。
 そしてその有様を、自らの内に潜んでいたリンに「『強欲』の名が泣く」と叱咤された事で、彼を認め以降は彼と共存する形をとった。
 それからは『父』を倒すべくリンやその仲間達と行動を共にしており、
 因縁の相手であるキング・ブラッドレイを激戦の末に退け、遂に『父』との最終決戦に臨んだ。
 やがて仲間達とともに『父』を追い込むも、満身創痍となった『父』は彼の賢者の石を奪いに来たため、
 リンの肉体から引き剥がされてしまう。
 この際にグリードを引きとめようとするリンの魂までも『父』に吸収されかけたのだが、
 グリードはそんな彼に対して自ら信条を破り、最初で最後の嘘をついて騙し突き放して取り込まれた。
 『強欲』な彼が何より求めた本当に望んでいたものは、金でも名誉でも永遠の命でもなく、
 リン達の様な仲間だったと共にある内に悟っていたのである。
 そして『父』の肉体を逆に自らの能力でボロ炭にして内部より破壊し、命を食い潰された。
 その最期には「もう十分だ、なんも要らねぇや」と笑みを浮かべ、
 自らの『強欲』が満たされた事を満足してこの世から去っていったのだった。

【サーヴァントとしての願い】
 この聖杯戦争を破綻させる。
 そして『強欲』に、聖杯を主催者から奪って手に入れる。


【マスター】
 ビスケット・オリバ@刃牙シリーズ

【マスターとしての願い】
 自分から『自由』を奪った主催者の企みを叩き潰す。
 ついでに聖杯を奪い、完全にその目論見を破綻させる。

【weapon】
 徹底的に鍛え上げた自らの肉体。
 そこにグリードの能力を乗せ、攻撃力と防御力を底上げさせる。

【能力・技能】
 輸送用の軍事ヘリを相手に綱引きができるほどの、人間離れした異常なまでの怪力を持つ。
 とある囚人曰く「アンチェインという異名は、閉じ込めておける場所がないという意味だった」との事であり、
 アメリカ最大である刑務所の独房の隔壁を容易く破壊出来るだけのパワーがある。
 またその分厚い筋肉がもたらす防御力耐久力も凄まじく、 ショットガンの至近射撃にすら耐え、腹筋を固めればナイフも通さない。
 更には最低限の保険として、外科手術により心臓周りに金属製のプレートを埋め込んでいるため、日本刀の刺突にすら耐えられる。
 特技として、全身複数箇所の筋肉を同時に硬直させる巧みなマッスルコントロールを持っている。
 これによって、外部から加えられた衝撃を内側からの筋力で相殺・圧殺するという防御が可能である。
 またその再生能力も常人離れしており、ショットガンの至近射撃で受けた傷口も、
 その数時間後の夕食で大量のステーキを食らった後には、薄く皮膜が張り早くも快復しかかっているというレベルである。
 そして、全てを筋肉で解決させようとする姿勢からは想像しづらいが、
 他国語を楽々と話せ、専門家も舌を巻くほどの薬物知識があるなど、優れた知識と教養を持っている。

【人物背景】
 全米の凶悪犯罪者が集うアリゾナ州立刑務所に君臨する、『Mr.アンチェイン』の異名を持つ世界で最も自由な男。
 囚人でありながらも刑務所を自由に出入りでき、所長をも上回り大統領ですら低姿勢になる程の強力な権力を持っている。
 刑務所内には贅の限りを尽くした豪華な私室があり、そこで自由奔放に生活をしている。
 身長は180cm程度で横幅が広い体格のため、一見肥満体ではないかと錯覚させることもあるが、
 その実骨格には150kgを超える驚異的なボリュームの筋肉が搭載されており、体脂肪率は常に5%未満に維持している。
 筋肉こそが全てという強固な肉体信仰を持つ怪力無双。
 通常の警察では手に負えない凶悪犯を捕まえるスペシャリストのハンターとして、数多くの犯罪者をその怪力無双の肉体で捕獲してきた。
 アリゾナ刑務所に収監されている囚人の半分は、オリバ自らの手で捕まえてきた者達である。
 その実力は折り紙つきであり、アメリカで最も喧嘩が強い男として恐れられている。
 常に余裕と貫禄に満ちており、ウィットに富んだ会話やジョークを好むなど、身勝手ながらもどこか憎めない愛嬌ある性格。
 しかしその本質は我儘でもあり、気分の善し悪しがダイレクトに態度に出やすいというわかりやすい問題点もある。
 マリアという恋人がおり、彼女に対しては他者の誰にも見せない弱みを見せるなど、誰よりも信頼し心より愛している。
 この聖杯戦争において与えられた役割は、府中刑務所に君臨するMr.アンチェイン。
 国こそ違えど同じく世界で最も自由な男として振舞っているのである。

【基本方針・戦術】
 この聖杯戦争が何を目的としているのか、グリードと共に情報を集め調べてみる。
 そして主催者の影を掴めたら、この手で叩き潰して聖杯も奪っていく。
 戦闘においては、自らの怪力でただ真正面から叩き伏せる。 
 取るに足らない相手ならばそれだけで十分だが、強敵相手ならばグリードの硬化能力と再生能力とで
 更にその肉体機能を向上させ、全力で粉砕する。



候補作投下順



最終更新:2016年03月03日 13:28