ー過去の時代、弱肉強食に立っていたと言われていたのは、人類・・・ではなかった。
人類を超える種族は、人を喰らい、滅ぼし、生き残った人類は三層の壁で仕切られた小さな世界で、
満足気に暮らしていた。
しかし、百年がたったある日、彼らはかつての恐怖を思い出した。
やがて、彼らは、かつて自分達が「進撃」された者達への「進撃」を開始していった。
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・・・・!」
人々が自宅に着いている頃であろうこの時間に、
幾つもの燃え上がる炎が、黒く包まれた夜を赤く染めていく街中で、
エレン・イェーガーは走り続けていた。
さっきまでは聞き慣れなかった爆撃音も煙も、今ではすっかり景色に溶け込んでしまっている。
上空からは、絵本にでも出てきそうな格好をした騎士が、真紅の竜に乗り、炎を吐かせ上空を飛行し、こちらへ向かっていた。
この姿を見た瞬間から、彼はその異様な者から逃げていたどれくらい逃げたかも分からない、ただ彼は走り続けた。
エレンは今、ここから数百メートル先にある地下鉄への入り口に向かっている。そこにならあの竜も来られない。
腕時計が示している時間は、10時20分。大丈夫だ、間に合う、あと少しだ。そう考えながら走り続けようとしたが・・・
「うわっ!」
一瞬、右足に強烈な痛みが走ったと同時に、エレンの身体は宙を舞い、数十メートル先の地面に叩きつけられた。
「痛っでぇぇぇぇぇ!」
体中が、ズキズキと激しく痛む。それでもエレンは、上体を起こし、何とか立ち上がろうとするが、
右足が、立たない。いや、感覚すら感じられない。
それでも、背中を表にして倒れた自分の身体を返し、上体を起こそうとする。
這いつくばってでも逃げよう、そう考えながら。
「ハァ・・・ハァ・・・・」
やはり先程叩きつけられた時の痛みは効いていた、だが何とか起こすことは出来た。
自分が倒れた丁度
そして、感覚を失った自分の右足を見てみる。
きっと輪切りにされた人参みたいになっているだろう、そう思いながら。
だが、出血は見られなかった。
「・・・・え?」
代わりに傷口から出ていたのは、水蒸気の様に空へと上って行く粒子状の何かだった。
そして自分は、これに対し何らかの既視感を覚えた。
そして、辺りに建っている建物を見た時、何故か違和感が湧き上がってきた。
まるで、今まで貯めこんだ物が、全部溢れだしたみたいに。
何でこんなところに自分がいるんだ、という疑問に至った、その時だった。
さっきまで上空で竜の手綱を握っていた男性が、目の前に、ゆっくりと、淡々とした表情で、
こちらに近づいて来ていた。
「万事休す、か・・・。」
そう言って、騎士は腰から剣を引き抜き、
「済まないな、少年、ここで死んでくれ」
エレンの頭上に刃を構えた。
エレンは首にぶら下がっている自分の家の鍵を見つめ、心の中で呟いた。
俺は・・・ここで死ぬのか・・・・。
ようやく調■■団に入れたのに。
■んだあいつらの■も取れていないのに。
まだ■ォー■・■リ■の奪還も成功していないのに。
そこにある■■室にも辿り着いていないのに。
まだ■人を全て駆逐し切れていないのに。
「畜生ォォォォォォォ!!」
そう叫び、本能的に左手を食いちぎろうとした瞬間、
不意に手が熱くなり、赤く光り出した。
赤い光と熱い熱には慣れかけているが、
そして、自分を殺そうとした騎士の様子もおかしかった。
驚いた表情をしながら、彼の赤く光る左手を見つめていた。
「・・・・・馬鹿な・・・彼が・・・マスターだと!?」
そして、エレンが噛もうとした手の甲に、赤い光が、
何かの紋章を描き、それを残して、消えた。
ー思い出した。全てを。
だが、この刺繍は一体何なのか、自分は何故ここにいるのか、
そして、目の前にいる騎士の言う「マスター」とは何なのか。今でも分からないことだらけだ。
こんな状況をどう打破すればいい。
「・・・マスターなのなら丁度いい、消えてもらうぞ!」
そんな中、騎士が再び剣をエレンに向けてきた。
ー刹那。
騎士の背後で大きな爆発が起きた。
エレンはやはり爆風で更に後ろに吹き飛ばされた。
今度は背中を地面にぶつけた。吹き飛んだのはこれで二度目だ。
度重なる痛みを堪え、地面に向いていた顔を再び前方に向けると、そこには
さっき自分を殺そうとした騎士はいなかった。
しかし、上空からは、
『■■■■■■!!』
人の咆哮が聞こえてきた。巨人の様な。
そして今度は暗い虚空に目を向けると、
そこでは、さっきの騎士があの竜に跨り、空中に浮かぶ一体の巨人・・・らしきものと戦っていた。
青と白を組み合わせたような色の鎧を全身に纏い、背中にある蝶の様な輝く翼をはためかせ、大剣を両手で持っていた。
巨人に見えるが、あれはどう考えても巨人ではない。鎧を纏った巨人なら戦ったことがあるが、武器を持った巨人など聞いたことがない。
仮に巨人だとしたらハンジ隊長が喜んで可愛がってくれそうだが。
そして白い巨人もどきは竜に向かい斬りかかろうと距離を詰めながら飛びかかって行き、竜が火を吐きながらそれを回避していく、そして鎧が再びそれを追いかけ、
竜は回避していった、一体と一騎の戦いは、その繰り返しであった。
「・・・あの少年のサーヴァントか・・・一体何のクラスなんだ?!」
エレンを襲ったサーヴァントは、宝具である竜に跨りながら、今自分が戦っている巨人の姿に困惑していた。
何なんだあのサーヴァントは。クラスも真名も見当が付かない。
先程は銃を使っているから、アーチャーなのか、それとも今は剣を振るっているからセイバーなのか。
しかしあれは、どう考えても異様すぎる姿だ。この竜と同等以上の大きさで、かつ全身を甲冑で隙間無く包み込んだ、
翼を持つ戦士など。
単なる「武装した巨人」ならスルト、ヒルデなどがいるが、翼を羽ばたかせ近代兵器を使う英雄は知らない、
(聖杯の知識にはそんな英雄は存ざ・・・
いや待て、中には鋼鉄の人型の搭乗型宝具を持つ英雄もいるとされていた。)
となるとクラスは自分と同じライダーか。しかし相変わらず真名は分からない。
そう考えれば説明がつく。となるとクラスはライダーが妥当か・・・・
そんな事を考えながら、ライダーは敢えて距離を取りながらあの白い全身装甲の巨人に向かい竜に火を吹かせ続けた。
ライダーの推察は、半分正解、と言っていいだろう。
人型の搭乗型装甲が彼の宝具、そこについてはビンゴだ。
しかし、クラスについては残念ながら間違いだ。
だが、彼は気づいていなかった。鎧の装着者に、理性など無かった。
「■■■■■■!」
巨人の心臓に当たる部分で手綱を握っている少年の目に、輝きは無かった。
有るのは、狂気。
家族を、愛した少女を、多くの仲間達を奪った「争い」に対する憎しみ。
争いを争いで終わらせる、血で血を洗う矛盾した正義。
それらを全て狂気に替えて、少年は愛機を操り続けた。
そう、彼のクラスは、「狂戦士」
どうにかさっきまで距離を取っていられたライダー。
しかし、どうやらここまでだ。
バーサーカーは咄嗟に剣をしまい巨大なライフルを取り出し、竜の炎を相殺させてしまった。
彼は狂っていても尚、エースパイロットとしての優れた操縦技術は失っていなかったのだ。
そしてその衝撃でライダーも竜も吹き飛び、バランスを崩してしまう。
この隙を、バーサーカーは逃さなかった。
すかさず剣を抜き、竜に向かい斬りかかる。
果たして竜の身体は真っ二つにされ、ライダーは地面へと落ちていった。
ライダーはマスターに念話で頼み、令呪で引き返そうと考えるが・・・
刹那、ライダーは光に包まれ、光が消えた後、そこにライダーの姿はいなかった。
上空には、手の平に仕込まれたレーザー砲を、さっきまでライダーがいた場所に向けていた
バーサーカーがいた。
自分が別世界に来てしまったことを知った少年は、まだ知らない。
自分を殺そうとした騎士を殺した甲冑の狂戦士が、自分の従者であり、
自分が、願いをかけた殺し合いに参加していることを。
人と、人を超えた存在。
互いを憎み合う二人の復讐者の少年は、互いに気づかぬまま今ここに、主従の交わりを結んだ。
ー未来の時代。人々は、「力」を求めた。
しかし、それをうまく扱うための「想い」が無かった。
故に、彼らの中に「憎しみ」が生まれた。
憎しみによる争いは憎しみを生み、それが新たなる争いを生んだ。
いつになったら、その連鎖は断ち切れるのだろうか。
【クラス名】バーサーカー
【真名】シン・アスカ@機動戦士ガンダムSEED DESTINY
【性別】男
【属性】秩序・狂
【パラメータ】筋力A 耐久B 敏捷A+ 魔力E 幸運D 宝具C
【クラス別スキル】
狂化:C
魔力と幸運を除くパラメータを底上げするが、言語能力を失い、複雑な思考が出来なくなる。
【固有スキル】
開花された本能:A+
本能の種を割り、覚醒させる力。
自らのパラメータと知能を活性化させる。
このスキルは、他のクラスで呼んだ場合はEランクの狂化スキルを
付与させるが、本来なら狂化により無意味にされてしまうはずの戦闘用スキル
に+補正を加え、最大限に使用出来るようになっている。
長い時間発動はしていられないのだが、今回はバーサーカー
のクラスで呼ばれたため、その影響で常時発動していられる。
バーサーカーが狂っていてもその戦闘技術を失わなかったのは、
このスキルの恩恵を受けているためである。
直感:B+
気配を感じ取る能力。
敵の気配や行動パターンを感じ取ることが出来る。
騎乗:E
乗り物を乗りこなす才能。
バイクやモビルスーツなどなら
人並みに乗りこなすことが出来る。
【宝具】
「改革を護る運命の剣(デスティニー)」
ランク:D 種別:対軍宝具 レンジ:30 最大捕捉:10機
バーサーカーが生前愛用していた人型機動兵器「モビルスーツ」。
ギルバート・デュランダルが、自らが考案した「デスティニー・プラン」の
実行に合わせてロールアウトしたシン・アスカ専用のザフト最新鋭の機体。
「ニュートロンジャマーキャンセラー」による核エネルギーによる運用により、
消費する魔力は少ない。また、この機体及び装備は、魔力による
メンテナンスを可能としているが、消費する魔力はダメージに連動する。
【Weapon】
【人物背景】
オーブ共和国に生まれた遺伝子操作によって生まれた人間「コーディネイター」。
それでもごく普通の人間の生活をしていたが、コーディネイターと純粋に生まれた人間
「ナチュラル」の争いの戦火が中立国であるオーブにも渡り、避難しようとする中
流れ弾で両親と妹を失う。この後コーディネイターが住む人工惑星「プラント」に
移住。家族を見殺しにしたオーブと、それを導くアスハ家を憎んでいる。
やがて彼はプラントを統治する「ザフト」のアカデミーに入学、優秀な成績を修め卒業。
ザフトの新型兵器「インパルス」に乗り数々の戦績を手にした末にザフト特務部隊「FAITH」
の一員の座とザフトの新型兵器「デスティニー」を与えられ、実質ザフトのエースパイロットとなる。
心優しい性格だが反面真っ直ぐ過ぎる上に家族を失ったことが原因で心がやや荒んでおり、
情緒不安定な部分が多くアカデミーでの授業の態度も悪かったと言われている。
【聖杯にかける願い】
争いの無い世界を創りあげる。
【方針】
■■■■■ー!!
【備考】
「改革を護る運命の剣(デスティニー)」の装備、カタログスペックなどはウィキペディアなどをご参照ください。
【マスター名】エレン・イェーガー@進撃の巨人
【性別】男性
【能力・技能】
「立体機動装置」を利用した三次元運動。
立体機動装置を持ってきていないため、使用できない。
強い感情と共に腕を噛み千切ることで、巨人に変身することが出来る。
圧倒的な身体能力と回復力、そして物質変換能力を持つが、
ただし、自我を保っていられることが難しい上に連続で変身するとそのたびに
だんだん小さくなる。また元に戻るには巨人のうなじに当たる部分から
自分の身体を誰かに取ってもらわないといけないため、容易に使用することは出来ない。
ただし、変身しなくても回復力だけは人間体でも相変わらずである。
【人物背景】
巨人から人々を守る3層の壁の内最も外側である「ウォール・マリア」に住む医師、グリシャ・イェーガーの息子。
幼馴染であるミカサ・アッカーマンやアルミン・アルレルトと共に壁の外に強い憧れを持ちながらも平凡な日々を謳歌していたが、
突然壁の外を超えて現れた超大型巨人によりウォール・マリアが破壊されたことで母を目の前で殺され、
それ以降巨人を一匹残らず駆逐してやると誓った。そして2年後に訓練兵となり、総合順位5位で卒業するが、
再び超大型巨人が襲撃した際、本能的に巨人へと変貌してしまう。しかし、それを兵団に見られたために
一時は化け物呼ばわりされることになるが、紆余曲折を経て調査兵団に入団することになる。
良くも悪くも実直な性格で人一倍強い精神力を持つ。その猪突猛進な行動と言動から「死に急ぎ野郎」と呼ばれている。
【聖杯にかける願い】
彼は聖杯戦争のことなど全く知らないが、もし望むとしたら巨人を消し去り、壁の外へ行くことであろう。
【備考】
エレンは11巻以降からの登場ですが、グリシャにかき消された記憶は未だ思い出していません。
また、服装は調査兵団の格好ではなく私服です。
細かい部分は各書き手様にお任せします。
【方針】
とりあえずは帰宅する。
出来ればここがどこなのか、一体何故自分がここにいるかが知りたい
候補作投下順
最終更新:2016年03月03日 23:03