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 青く美しい地球。
 われわれは、この美しい人類のふるさとを、あらゆる侵略から守らねばならないのだ。
 まして、地球を売り渡すような人間になってはいけない。
 メフィラス星人は今度は、あなたの心に挑戦してくるかもしれないのだ。



                ――――『ウルトラマン』第33話『禁じられた言葉』





◆ ◆ ◆ ◆ ◆





 東京の街を見下ろす透明な宇宙船が、一つあった。
 それは、ふわふわと浮遊して、誰にも捕捉できない場所で、ただこの世界を見下ろし続けていた。
 宇宙船の持ち主にとっての絶対安全圏であるが、彼がこの場所から地球を攻撃する事は一切なかった。
 その気になれば、この宇宙船からはビームなり砲撃なり行って、容易くこの星を地球侵略できる。
 しかし、それを行うつもりは、彼には全く無かった。

 先ほど始まったこの聖杯戦争の『監督』である彼は、その秩序を乱す事は一切行えないし、行わないのだ。
 元より、この宇宙船の持ち主は、は地球人を暴力で支配する事など考えていない。
 それ故に、誰よりも公正な存在であった。

 彼が求めるのは、地球人の「心」。
 いつか、自らの故郷さえも売り渡す、あさましい人間の本性をこの手に掴みたかった。
 かつてその願いは叶う事はなかったが――今ならば、彼らの姿を第三者として見つめられる。
 その本質を理解できうる立場に、今、自分はあるのだ。
 もう一度、しっかりと地球人を観察する――それが、彼の唯一の目的だ。


「聖杯戦争、か……」


 宇宙船に座っている持ち主は、全身が真っ黒な皮膚に覆われた、奇妙な怪人であった。
 二足歩行をしているものの、彼の頭部など、その形はまるで人間とは様相が異なっている。
 誰でも、一目でそれが怪物であると看破できるだろう。

 彼こそが、この聖杯戦争における『裁定者(ルーラー)』であり――又の名を、『メフィラス星人』と言った。

 悪質宇宙人という肩書も持つが、その肩書に反して、ルーラーの役割を放棄するつもりは全くない。
 このクラスに属す事が出来るのは、あくまで願いを持たず、秩序を守れる中立性のあるサーヴァントだ。
 ここにいるという事は、その条件を満たせる存在だったという事である。

 メフィラス星人は、『聖人』と言う程でもないにせよ、この場で秩序を保つ意思は充分すぎる性格でもあった。
 偽りの東京で、能動的に侵略行為を行うつもりも勿論ない。
 これが本来の東京であったならば別であるかもしれないが、その場合でも、やもすれば侵略そのものに興味を持たないかもしれない。
 彼にとっては、本来、地球はいくつもある支配下の星の一つに過ぎないのだ。この地球を彼が特別に見ているのは、過去の経験上の問題でもある。
 暴力は好まない。本来、こんな形での戦争というのも紳士的ではない。
 しかし、眉を顰める事もなく、このゲームのルールを守り、その中で戦う人間の姿を見定めさせてもらう――。


「人間は、誰しもが何か事情を抱えながら生きている――。
 この事実にもっと早く気づいていれば、かつてもまた、違った結果を得られたかもしれないね」


 こうして、ルーラーの役割を与えられれば、再び地球人を観察する良い機会となる。
 この聖杯戦争にとっても、ルーラーにとっても、良い条件だ。

 聖杯を得る為に、どこまで他者を蹴落とそうとするのが人間なのか。
 いや、そもそも、地球人は本当に他者を蹴落として願いを掴もうとするのか。
 この狭苦しい東京という世界で、彼らは本当に「心」を保てるのか。
 自分一人が良ければそれで良い……そんな意思を、彼らも持ち続けるのではないか。


「サトルくん、そして、ウルトラマン……。
 かつて言った通り、私はもう一度、地球に来た。そして、ここには、君たちもいない。
 この聖杯戦争で、地球人の心がどれだけ強いか、君たち以外の地球人が本当に強いのか、見せてもらおうじゃないか」


 かつて、この東京で、一人の少年を相手に言質を取り、地球人の心を得ようとし、敗れた宇宙人は、遠い瞳でそれを見守った。
 これが、二度目にして、最後の地球人への挑戦となるだろう。


 彼にとって、地球という星は要らないのかもしれない。
 ほしいのは、その星の人間の心を掌握し、メフィラスの心を満たす優越感。
 地球人が、自らの故郷さえも捨てる言葉を放つ瞬間だけが彼の理想。





 そう、禁じられた言葉を――。







【CLASS】

ルーラー

【真名】

悪質宇宙人 メフィラス星人@ウルトラマン

【パラメーター】

筋力B 耐久B 敏捷B 魔力A 幸運C 宝具EX

【属性】

秩序・悪

【クラススキル】

真名看破:A
 ルーラーとして召喚されることで、直接遭遇した全てのサーヴァントの真名及びステータス情報が自動的に明かされる。

【保有スキル】

忌避すべき争い:B
 暴力を嫌う紳士的な性格。
 自己が交戦すべき場面においても、戦闘への忌避感からその戦闘を中断・撤退するスキル。
 実質的な戦闘能力は低くはないが、ルーラーは自ら交戦する事を避け、交戦状況にあっても中断を行える。
 Aランクの『仕切り直し』とほぼ同義であり、彼は誰を相手取った場合でも全てテレポートで戦闘を回避できる。

巨大化:A
 自らの規格を60メートルほどの特大サイズへと変更するスキル。
 ルーラーの場合は、他者に対しても同様に巨大化をさせる魔力を持つ。
 また、その巨大化させた相手をロボットのようにルーラーの意思で操る事さえも可能としてしまう。

カリスマ:-
 軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる稀有な才能。
 彼の場合は、主に宇宙人・怪獣を従える事に特化しており、地球人を相手取ればほぼ個々の特性に左右されてしまい、実質的に効力を成さない。
 その為、スキルとしては存在するものの、殆ど失われている。

【宝具】

『禁じられた言葉』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-

 彼が生前に行った『人間の心への挑戦』がそのまま宝具となった物。
 彼が持つ『裁定者』としての権限を行使し、聖杯戦争で特殊な功績を残した魔術師を相手として、『聖杯に託す願い』や『脱出』などの相手の願いを交渉する。
 メフィラス星人が生前持っていた権限を利用すれば、聖杯戦争に参加する魔術師の願いを叶える事も容易であり、聖杯を介さずともルーラーは実際にその人物の願いを手配する事が出来るのである。
 ただし、同時に、『メフィラス星人及び部下によるその世界の地球の完全支配』を交渉条件としており、ギブアンドテイクを要請する(この場合、交渉を受けた相手は地球を支配する立場に回る形になる)。
 これらの事実に異才虚偽はなく、相手がその条件を容認してしまえば、相手の要望はしっかり叶うが、ルーラーの言った通り、その世界の地球は対象者や対象が選んだ人物以外、宇宙人・怪獣によって支配が行われてしまう。
 また、聖杯戦争に巻き込まれた魔術師を、同様のリスクの代わりに生還させる事も可能となるので、聖杯に託す願いがない者にも美味しい条件を与える。
 この場合、サーヴァントの意思は一切問われず、サーヴァントはマスターの意思・方針(脱出・生還)によって、そのまま脱落・消滅させられてしまう。
 これはルーラーの私的裁量で、彼にとって都合よく宝具を発動できるが、あくまで対象は『討伐指令』などのイベントでも功績も残した相手への『報酬』であり、無差別にこの交渉が行われるわけではない。
 ちなみに、地球人以外がマスターである場合は、その人物の居住地が対象になるが、その場合のルーラーの興味は薄れる。

【weapon】

『メフィラス星の円盤』
 メフィラス星人の居住地となる円盤。
 透過可能であり、普段は捕捉されずにいる事ができる。砲撃を行える。

【人物背景】

 空想特撮シリーズ『ウルトラマン』第33話『禁じられた言葉』に登場する、メフィラス星から地球征服を目的にやって来た宇宙人。
 あくまで武力に頼らず、紳士的な態度で地球人に接し、『地球人の心に挑戦する』と称して、「地球をあげます」という一言を要求する。
 ただし、気性が荒い面も少なからずあり、物事が自分の想い通りに運ばないと機嫌が悪くなり、発作的に暴力に訴えかける部分も。
 また、多くの凶悪宇宙人を従えているらしく、ケムール人、バルタン星人、ザラブ星人など、過去ウルトラマンや科学特捜隊に敗れた宇宙人の同族を従えている。
 作中では、地球人の代表として少年・サトルを選び、サトルが「地球あげます」と自発的に言うように言質を取るという文字通り『悪質』なやり方を行った。
 IQ10000の知能派だが、戦闘力もウルトラマンと互角以上であり、拳を合わせて発射する『ペアハンド光線』や、腕を突き出して発射する『グリップビーム』といった技も持ち合わせる。

【サーヴァントとしての願い】

 聖杯の意思に沿って行動しながら、この聖杯戦争で地球人を観察する。
 また、その役割を遂行とと同時に、討伐指令などの報酬として『禁じられた言葉』で言質を取る。

 ルーラーとして戦闘に介入する事は無いが、代わりに、重度のトラブルが発生した場合にサーヴァントの巨大化措置などを施して支援を行う事もある。
 彼は、あくまで、そうして人間を見て、人間の心に勝ち、それを掌握する事が目的なので、悪質であれ卑怯な真似までは行わず、ルーラーとしての役割は果たすだろう。



候補作投下順



最終更新:2016年03月03日 23:38