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初挑戦 by 582さん




上田は座っていたソファから立ち上がると、ふいに奈緒子のすぐ傍に腰掛けた。
腕を回し、思わずビクリとして姿勢を崩した奈緒子の肩を抱いた。
ノースリーブの肩は思った以上に華奢で、掌にすっぽりと収まってしまう。
「上田さ…?!」
驚いて顔を上げた奈緒子の唇に、上田は自分のそれを重ねた。

――よし。俺だってこの位は軽いんだぞ。
一気に心拍数が跳ね上がった心臓を落ち着かせるために、精一杯、平静を装ってみる。
駄目だ。
上田は唇を離すと、そのまま奈緒子を両腕の中にすっぽりと収めた。
「ちょ……な、何する…!」
もがく奈緒子を更にギュッと抱き締めると、腕の中で段々とおとなしくなってきた。
静かに腕を外し、奈緒子の目を覗き込む。二人とも顔が紅潮していた。
「…わかってました。ホントはここから離れられない、いや、離れたくないってことが」
ポツリと呟く。上田の心臓はサンバの如く踊り始めている。
「でもこの間、上田さんを怒らせちゃったみたいだし、やっぱり…」
「誰も怒ってなどいない!」
再び、上田はガバリと抱き締めた。
Youがあまりにもその、無神経というか……お、俺の気持ちを分かっていないからだ!」
今や真っ赤になり、動揺しきった顔を見られないように、奈緒子の頭を自分の胸にうずめた。
「ちょ、苦しい!」
今度はしっかりと抵抗して身体を離し、奈緒子は上田に向き合って座り直した。



「だって、うちの親のプロポーズの台詞を使うなんて、からかってるだけだと思うじゃないですか」
な…? あの時、かなり真面目に伝えたはずなんだが……
そうか、こいつの女としての鈍さを甘く見ていたな。
いや、今はそんな事も全てが愛おしく思える。実に不思議だ。

上田は徐々に鼓動が落ち着いてくるのを感じた。ふっと笑みを漏らす。
「You、あの黒門島での最後に、お互い言いたいことを書いて交換したよな。せっかくだ。
今夜はお互い、相手に向けて書いた言葉に応えようじゃないか。で、俺の言葉には応えてくれるか?」
「え……」
「君が俺に書いた言葉は覚えているか?」
「…何だっけ?」
「なぜ、ベストを尽くさないのか。まあ意味も無かったんだろうが、今夜はこういう事にしておこう」
上田はサッと立ち上がり、あっという間に奈緒子を抱えて歩き出した。
「な…おい、意味が分からない!」
慌てる奈緒子を無視し、そのままリビングを横切り寝室に入ると、ベッドの上に静かに下ろした。
「俺は君に対してベストを尽くす。――奈緒子、こういうことだ」
上田はジャケットをサッと脱ぎ捨て、静かに奈緒子の上に覆い被さった。



奈緒子の長い髪を掻きあげる。絹みたいで気持ちがいい。
こんなに間近で見つめるのは初めてだが、これは化粧しているんだろうか? 
透き通るように白い肌が赤く染まり、普段は二重のくっきりした瞳が、今は軽く充血して潤んでいる。
「上田さん……」
微かに震える声が俺を誘う。こっちも初めてで不安だが、なに、予習は重ねてきている。
いやいや、そんな事はもうどうでもいいんだ。
幸い、ワンピースは前でボタンを留めるデザインなので、簡単に上から一つずつ外していく。
淡いブルーの服に合わせたのか、青い小花をあしらったブラジャーが顔を覗かせた。

奈緒子は何か言いたげに目を見開いていたが、やがてふーっと大きく息をついた。
覚悟を決めたのか。
上田はボタンを丁寧に全部外すと、ワンピースを奈緒子の身体から抜き取り、ベッドの脇に落とした。
ブラとショーツだけの姿になり、一瞬怯えた表情を浮かべた奈緒子を両手一杯に抱き締める。



キスをする。今度は舌を入れてみた。
奈緒子も抵抗せず、おずおずと舌で応えようとするので、何とか絡ませるのに成功した。
そのまま、ブラの上からゆっくりと胸を揉み始める。
そしてブラの中に手を滑らせ、既に固くなった突起に触れた。
「あっ……いや…」
それまで、力んで強張っていた奈緒子の身体がビクンと跳ねた。
その反応が何だか嬉しくて、小さいが張りのある膨らみを掌で包み込みつつ、何度も指で突起をいじった。
「あっ、ああっ……」
こんなに可愛い声が出せるのか。もっと聞いていたい。

最初に肌に触れた時には、まるで陶器のように少しひんやりとした身体であったが、
上田に胸を弄られ、身を捩っているうちにしっとりと汗ばみ、上気してきた。
少しでも身を離すのが惜しい気持ちで、上田は急いでシャツと下を全部脱ぎ、再び奈緒子を包み込んだ。
なめらかな肌が直に吸い付いてくるようだ。
「ああ……奈緒子…」
名前で呼ぶのも初めてだが、最早、恥ずかしいなどと余計な事は頭にない。
左腕で奈緒子の背中を掻き抱き、胸の膨らみに顔を埋めて舌を使ってみた。
すかさず、右手をショーツの中に差し入れる。
中指で茂みを辿ると、一層高い声をあげ、身体が小刻みに揺れた。




「やっぱり、こんなに濡れてるんだな…」
「な……余計なこと言わないでください!」
まっかっかの顔を上げて抗議する。いつもの奈緒子の調子を取り戻そうとしているのか、
逆に、今までは考えられもしなかった姿の生々しさが引き立つ。
上田は奈緒子の両足首を掴み、ゆっくりと開いた。
片方の膝を抱え込み、顔は胸に埋めて舌で乳首を転がし、空いた手で中心部に指を這わせる。
「あふぅ……!」
熱くなった花弁からは、とろりとした液体が次々と溢れてくる。
シーツがびしょ濡れだなこれは。次からはバスタオルでも敷いておかなくては。
ふいに、そんなどうでもいい事が頭を過ぎった。
そうだ。きっと「次」があるはず。俺は今、幸せだ――

最終更新:2006年09月19日 18:54