ルギアのいるところに、ツーが尋ねに行った話。
久しぶりにtoi et moi(ルギアの映画のED)聞いてたら思いついた。
キャラ間違えたかもしれない。
「全ての生命の始まりは、ここ。海だ。」
白い翼竜のような姿をしたものは、綺麗な声でそう言った。
テレパシーで会話をすることも可能だが、あえて今はそれぞれの鳴き声で会話をしていた。
「いずれ、お前は私のもとに尋ねに来るとは思っていた。」
本来なら、深海の奥底にいるのに私がきたときは地表にでていた。
「なにが聞きたい?ミュウツー。」
穏やかな口調で尋ねられた。
私はしばらく黙って、言葉を選んでから口を開いた。
「私は生きていていいのか?」
いつも、考えていた。
私が生まれなければ、死なない命はたくさんあった。
傷つかなかったものも、たくさん。
私が生まれてなにをした?
ただ、世を乱しただけ。世界に対し、プラスになることは何一つしていない。
数秒しても返事がない。
私がどうしたのかと、見れば。ルギアは翼で顔を隠し、小刻みに震えていた。
どうやら笑っているようだった。
「・・・・笑うな。私は真面目だ。」
イラッとまではこなかったが、それでもバカにされた気はした。
ルギアの方は「ああ、すまない。」と言ってから。笑いを堪え。
「意外だった。お前がそういうふうに考えていることが。」
そう言われると思っていなかった私は、どう返事をすればいいか分からず。止まった。
止まっているミュウツーを見、ルギアははるか地平線を見つめながら言葉を続けた。
「生きていて、良い。悪い。など、どうやって決めるのだ。」
そんなもの、私も知らんな。とルギアは言い。
「お前が生まれなければ傷つかないものも、いただろう。死ななかったものもいただろう。それは真実だ。
だが、な。それをいうのなら私も同じだ。私が一度羽ばたけば、何日も続く嵐が起きてしまう。
・・・・二次災害も含め、お前よりも人やポケモンを傷つけているよ。私は。」
最後は苦しそうに続けた。
「だけど、な。逆もある。私がいなければ、海は荒れる。人間とポケモンとの釣り合いが崩れる。
・・・私は助けもしているのだよ。」
「だが、お前はそうであろうと。私は・・・・。」
誰一人として助けられていない。
ミュウツーの言葉にルギアは目を大きく開き驚いた後、やわらく微笑んで。
「気づいていないだけだ。・・・・それに、忘れたか?お前は確実に人を助けたことがある。」
確信があるようなので、逆にこちらが驚いた。
「ほら、ピュアズロックといったか?お前がそこにいたとき、暴風で落ちそうになったバスの体勢を戻したことがあっただろう。」
「待て、何故それを知っている。」
たしかに言われてみればそんなこともあった。
まあ、あれは人が集まり自分等がみつかるのを恐れたという理由ではあったが。
なぜ、深海にいる。ルギアがそれを知っているのだ。
ルギアはしまった、という表情をしてから。
堪忍したように。
「お前の母からお前の成長を聞いていたのだ。随分と反抗的だったようだな。」
何度聞いても、ミュウとお前との親子げんかは飽きがこない。
「!?・・・なんだと・・・・。」
ピュアズロックではミュウと会っていないはずなのだが・・・。
とは思うものの、ミュウの姿を隠す能力の高さは知っていたのでそこまで驚きはしなかった。
「反抗期も良いが、たまにはな。親孝行の一つや二つやってもいいんじゃないのか。」
「うるさい。ミュウは私の元になっただけで、母というわけではない!!」
ミュウツーはなぜか、怒った・・というよりかははぶてたように言い。別れもいわずテレポートして、その場から去った。
残されたルギアは、先程から変わらず地平線を眺めていたが。
目をつむって、笑い。
「ミュウさん。そろそろ出てきたらどうです?」
そういうと、海の中からコイキングが一匹飛び出してきたかと思うとすぐにミュウの姿に戻った。
「よーく、分かったわね。にしても、酷いじゃない。あたしがツーちゃんのこと見守ってるのばらすなんて。」
「ははっ、すみません。・・・・あなたの話しを聞いていたら、私まで親になった気分になってしまって。」
さきほどが初対面なのに、ずっと前から交流のある感じがしていた。
「良い子に育ってるでしょ。」
ミュウは尻尾を手に持ってクルクルと回っていた。
ルギアは頷いて。
「これからが楽しみだ。」
そう呟いた。
最終更新:2009年08月06日 23:59