FAQ

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FAQ - (2010/05/26 (水) 18:17:33) の編集履歴(バックアップ)


■. はじめに

 本wikiの内容をFAQ形式で要約する。詳細について知りたい場合は、各項で調査、検証、考察しているのでそちらを参照すること。なお、本FAQは特に断りがない限り、Intel Mac mini Early 2009を対象とする。

■. 注意

 2009年秋頃からMac関連の一般雑誌で明らかに本wikiの内容を元にした記事を見かけるようになった。しかしながら、同時にライターの知識・スキル不足で誤った内容や憶測のみの記事になり、転用元としては非常に見苦しい思いをしている。内容を参考にするのは構わないが、誤った情報を広めない為にも、中身をきちんと理解した上で取り上げて貰いたい。

■. ハードウエア編

■分解編

Q1. メモリの増設やHDDの交換の為に、分解はどうやってやるのか?

 Mac miniはユーザの手によるメモリやHDDの交換は想定されておらず、変更したい場合は、原則としてアップルストアでのCTOカスタマイズもしくはアップル正規サービスプロバイダの専門店に依頼する必要がある。

 しかしながら、100円均一ショップで売られているスクレイパーと呼ばれるヘラ状の器具(壁に張り付いた糊やガムなどをはがす工具)を使用することで、ユーザの手でも比較的簡単に分解することができる。なお、自分で分解しハードウエアを破損させた場合、Appleの保証は適用されないので全ての行為は自己責任の元行うこと。

 (追記:2010/02/11)
 Mac mini Early 2009の分解・改造及については、「Mac mini 分解&改造 / Studio Milehigh」に図解及び動画つきで丁寧な説明があるので、作業を行う前には一読しておくと良い。

■CPU編

Q1. MB463J/Aの2.0GHz CPU(P7350)はVT-xに対応しているのか?

 Intelのスペック表では非対応(VT-xに対応したモデルはP7370)だが、MB463J/AではApple向けに特別に有効になったモデルが採用されている。

 VT-xはWindows 7 Professional、 Enterprise、UltimateのXP Modeを使用する際に必要となる機能で、BIOSおよびCPUで有効でない場合XP Modeは使用できない。

Q2. Mac miniに採用されているCPUにはどんなものがあるのか?

動作周波数 プロセッサ・ナンバ コア数 FSB 2次キャッシュ 64bit対応 VT-x対応 TDP コードネーム 採用モデル
2.00 GHz (266x7.5) P7350 2 1066MHz 3MB 25W Penryn
(45nm)
MB463J/A、MB464J/A
2.26 GHz (266x8.5) P8400 MC238J/A、Early 2009 CTO
2.53 GHz (266x9.5) P8700 MC239J/A、MC408J/A
2.66 GHz (266x10) P8800 Late 2009 CTO
 なお、Mobile版Core 2 DuoプロセッサにおいてTDP 25W枠以内のプロセッサとしてはP8800が最上位の為、筐体の熱設計を見直さない限りこれ以上のCPUクロック向上は望めない。ちなみに、Mobile版Core 2 Duoプロセッサの最上位はT9900(3.06GHz/FSB 1066MHz/L2 6MB/TDP 35W)であり、これはiMac Late 2009に採用されたDesktop版Core 2 DuoプロセッサE7600(3.06GHz/FSB 1066MHz/L2 3MB/TDP 65W)よりも性能が高い。

Q3. CPUの違いで各モデルのパフォーマンスにはどれだけ違いがあるか?

 Early 2009 MB463J/Aをターゲットとして構築した疑似Mac mini環境をベースラインとして、ベンチマークを計測したCPUクロック差による結果が参考になる。CPUを変更し、ベースラインと同一クロックの場合、クアッドコア化した場合、デュアルコア最速の3.06GHzにした場合で計測したが、Mac mini Late 2009 CTOカスタムモデル 2.66GHzの結果と比べても有効な結果が取れており一つの指標となる。

■メモリ編

Q1. 最大メモリは4GBまでとあるが、4GBのメモリモジュールが販売されている。4GB以上のメモリは搭載できないのか?

 Early 2009はハードウエア的には8GB認識するが安定動作しない。しかしながら、EFIファームウエア・アップデート1.2を適用することで動作が改善され、最大8GB(4GBx2)で安定動作するようになった。Late 2009は出荷時からEFIファームウエアが1.2になっており、アップデートデータを適用しなくても最初から、最大8GBのメモリで安定動作する。

 したがって、公称4GB(2GBx2)、EFIファームウエア・アップデータ1.2適用後で最大8GB(4GBx2)と言える。

 (参考情報)「Mac mini 分解&改造 / Studio Milehigh」においてもメモリ8GB(4GBx2)の動作検証が報告されている。

Q2. 4GBメモリモジュールで動作確認が取れたものにはどんなものがあるか?

 管理人およびショップ確認で安定動作確認が取れたものは以下の通り。ただし、Appleの動作保証は無い。
型番 アセンブリメーカー 品名 チップメーカー 取り扱い店 EFIファームウエア 1.2 製造元ID
204-4096MS8500 A Hynix Hynix純正 4GB DDR3 SO-DIMM 1066MHz CL7 Hynix 秋葉館パソコンショップアークアーキサイト 0x80AD
SMD-N4G68HP-10F SanMax SMD-N4G68HP-10F DDR3-1066 S.O.DIMM 4GB CL7 Hynix パソコンショップアークTUKUMO ex 0x86E9
SMM-N8G-1066-D [Mac]SMM-N8G-1066-D DDR3-S.O.DIMM1066 パソコンショップアーク
0100-0400-4400 8GBキット(4GBx2) DDR3 1066MHz PC3-8500 SODIMM Samsung, Hynix or Micron VINTAGE COMPUTER
M471B5273BH1-CF8 Samsung SAMSUNG純正 SODIMM DDR3 PC3-8500 4GB (1066) Samsung アーキサイト上海問屋BB 0x80CE
MT16JSS51264HY-1G1A1 Micron Micron純正 DDR3 204Pin S.O.DDR3-1066 4GB Micron パソコンショップアークアーキサイト 0x802C
 ◎・・・8GB(4Gx2)動作動作 (管理人確認)
 ◯・・・8GB(4Gx2)動作確認 (ショップ確認)
 ―・・・未検証

 (追記:2010/02/11)
 ・2010/1月からアップル正規サービスプロバイダによる独自のメモリ8GBモデルも販売開始されている。
 Mac mini (MC239J/Aベース) 2.53 GHz, RAM 8GB
 Mac mini (MC238J/Aベース) 2.26 GHz, RAM 8GB

■ストレージ編

Q1. ハードディスクは交換できるのか?

 SATA接続の2.5inch HDD(9.5mm)に交換可能。2009年末時点で500GBまでのモデルが入手可能。

 ・Western Digital(WD) WD Scorpio Blueリーズ (2.5inch/9.5-12.5mm/5400rpm/80GB-1TB)
 ・日立グローバルストレージテクロジーズ(HGST) Travlstarシリーズ (2.5inch/9.5mm/5400-7200rpm/40-500GB)

 Drive Type Hitachi HTS545050B9A300 (2.5inch/9.5mm/5400rpm/500GB/SATAII/8MB)

Disk Test 52.06
Sequential 120.48
Uncached Write 126.34 77.57 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 122.88 69.52 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 98.37 28.79 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 143.24 71.99 MB/sec [256K blocks]
Random 33.20
Uncached Write 11.84 1.25 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 78.94 25.27 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 66.86 0.47 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 119.21 22.12 MB/sec [256K blocks]

 (参考情報)標準搭載のドライブパフォーマンス Drive Type FUJITSU MHZ2120BH G1(2.5inch/9.5mm/5400rpm/120GB/SATAII/8MB)

Disk Test 44.37
Sequential 61.88
Uncached Write 71.05 43.62 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 85.75 48.52 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 34.42 10.07 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 101.50 51.01 MB/sec [256K blocks]
Random 34.58
Uncached Write 12.35 1.31 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 92.07 29.48 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 69.43 0.49 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 106.37 19.74 MB/sec [256K blocks]

Q2. SSDに交換できるのか?

 可能。MacBook AirにはSamsung製のSDDが採用(LenovoやHPのノートブックにも採用実績あり)されたが、2009年末時点で以下のものが入手可能である。また、ディスクコントローラにキャッシュ(DRAM 128MB)が搭載されてるだけでなく、ファイルシステムの構成が異なるため、OSXではプチフリと呼ばれる事象は発生しにくい。

寸法 容量 種類 品名 速度 ファームウエア
2.5inch 9.5mm 256GB MLC MMCRE56G5MXP-0VB(Samsung Orignal)
CMFSSD-256GBG2D(Corsair OEM)
ReadMax 220MB/sec
WriteMax 200MB/sec
VBM1801Q / VBM18C1Q
128GB MMCRE28G5MXP-0VB(Samsung Orignal)
CMFSSD-128GBG2D(Corsair OEM)
64GB MMCRE64G5MXP-0VB(Samsung Orignal)
CMFSSD-64GBG2D(Corsair OEM)
ReadMax 220MB/sec
WriteMax 120MB/sec


 Drive Type SAMSUNG MMDOE56G5MXP-0VB (2.5inch/9.5mm/MLC/256GB/SATAII/VBM1901Q)

Disk Test 228.43
Sequential 186.42
Uncached Write 249.51 153.20 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 264.55 149.68 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 91.01 26.63 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 373.07 187.50 MB/sec [256K blocks]
Random 294.86
Uncached Write 121.50 12.86 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 344.75 110.37 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 1450.06 10.28 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 572.99 106.32 MB/sec [256K blocks]

Q3. 内蔵ハードディスクは増設できないのか?

 SATA→SlimlineSATA変換アダプタを使用することで光学式ドライブのスペースに増設することが可能。内蔵された光学式ドライブの厚さは12.9mmある為、12.5mm厚の2.5inchドライブ(例:WD Scorpio Blue WD10TEVT 1TB SATA 2.5inch 12.5mm/Regular Price $409)も搭載可能。
  • SlimlineSATAインターフェース (Intel Mac mini Early 2009以降)

 なお、Mac Fan 2010年2月号のP.40でSATA接続のハードディスクを搭載させるためのマウンタとして紹介されているDE-ES201SATAはSATA->IDE変換アダプタである為、Early 2009以降には使用できない。
  • IDEインターフェース (Intel Mac mini Mid 2005〜Mid 2007)
#ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。

 ThinkPad SATA ハードディスクドライブ・ベイアダプター3(43N3412)は奥行きが長いので、光学式ドライブの代わりに使用するには変換基盤部分を利用する。

Q4. 12.5mm厚のHDDは内蔵できないか?

 12.5mmのHDDに対応したスリムベイアダプタSlimBay12.7SA-HDD.SA (128mm W x 12.7mm H x 127mm D) を使用することで、12.5mm厚の2.5inch HDDを光学式ドライブの代わりに内蔵できる。

 12.5mm厚2.5inch HDD WDC WD10TPVT-00HT5T0(2.5inch/12.5mm/5200rpm/8MB/4096byte)を使用すると、Mac miniでも1TB HDDを内蔵できる。なお廃熱に関しても、使用時のHDD平均温度は38℃であり特に問題ない。


Drive Type WDC WD10TPVT-00HT5T0 (2.5inch/12.5mm/5200rpm/8MB/4096byte)

Disk Test 63.46
Sequential 135.30
Uncached Write 115.19 70.73 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 134.91 76.33 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 131.93 38.61 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 169.76 85.32 MB/sec [256K blocks]
Random 41.45
Uncached Write 16.17 1.71 MB/sec [4K blocks]
Uncached Write 131.14 41.98 MB/sec [256K blocks]
Uncached Read 58.59 0.42 MB/sec [4K blocks]
Uncached Read 100.43 18.64 MB/sec [256K blocks]

Q5. SuperDriveのスペックはいくつか?

 カタログではSuperDriveとしか記述が無く、スペックについて不明だったが、現在は技術仕様に追記がされ確認できる。
  • DVD+R DL、DVD-R DL 記録時最大6倍速
  • DVD-R、DVD+R記録時最大8倍速
  • DVD-RW記録時最大6倍速
  • DVD+RW記録時最大8倍速
  • DVD読込時最大8倍速
  • CD-R、CD-RW記録時最大24倍速
  • CD読込時最大24倍速

 なお、Pionner DVR-TS08の仕様ではDVD-RAMの読み書きに対応しているが、Apple向けOEM版ではファームウエアで無効にされており使用できない。

Q6. ブルーレイドライブに交換できないのか?

 スロットイン式のものであればできる。2009年末の時点で、サポート外だが読み込み専用ではソニーオプティーアークのBC-5600S(US$130程度)が該当する。同様のものとして、サードパーティーが市販している、Blu-rayドライブアップグレードキット"BD-UG1 Mac mini Blu-ray Drive Upgrade Kit!"(US$199)がある。

 また、書き込みにも対応したスロットイン式Blu-rayスリムドライブとしては、Panasonic UJ-235-A 12.7mm Height Slot Loading Blu-ray Disc Combo Driveが該当する。


 ただし、本ドライブはDELL社向けのPCのOEM部品として販売されているもので、単品で入手するのは難しい。どうしても手に入れたい人は、Yahoo!オークションや海外のe-Bayなどのサイトでパーツ単体の販売(US$300程度)がなされていないか、定期的な確認が必要である。

■グラフィックス編

Q1. 搭載グラフィックスチップは9400Mとあるが、OSでは9400と表示される。いったいどちらが正しいのか?

 デスクトップ用はGeForce 9400(FSB 1333MHz対応)、ノートブック用はGeForce 9400M(FSB 1333MHz非対応)と本来違いがあるが、Mac miniに採用されたチップのデバイスID(0x0861)はOSでは9400と定義されている為、9400と表示される(Widowsでも同様)。

 (10.6.2から抜粋)

NVDANV50Hal.kext [NVDANV50Hal 1.6.6.25 (18.9.0f08)]:
0x086010de&0xffe0ffff:
Code:
0860 C79 [GeForce 9300]
0861 C79 [GeForce 9400]
0862 C79 [GeForce 9400M G]
0863 C79 [GeForce 9400M]
0864 C79 [GeForce 9300]
0865 C79 [GeForce 9300]
0866 C79 [GeForce 9400M G]
0867 C79 [GeForce 9400]
0868 C79 [nForce 760i SLI]
086a C79 [GeForce 9400]
086c C79 [GeForce 9300 / nForce 730i]
086d C79 [GeForce 9200]
086e C79 [GeForce 9100M G]
086f C79 [GeForce 9200M G]
0870 C79 [GeForce 9400M]
0871 C79 [GeForce 9200]
0872 C79 [GeForce G102M]
0873 C79 [GeForce G102M]
0874 ION VGA
087a C79 [Quadro FX 470]
087d ION VGA
087f C79 [Quadro FX 470M]
0x0a2010de&0xffa0ffff:
Code:
0a20 GT200 [GeForce GT 220]
0a60 GT200 [GeForce G210]
0a65 GT200 [GeForce 210]

 ただし、Apple Hardware TestではOSの表示とは異なり9400Mと表示されるので、チップは9400Mと思って問題ない。どうしても表示を変更したい場合は、kextを追加することで9400Mに変更することもできる。

 (追記:2010/01/23)
 Bootcamp 3.1に収録されているNVIDIAのグラフィックスドライバ(Windows 7/Vista 64bit)でサポートされているモデルは以下の通りである。


================================================================================
Supported display modes for NVAO.INF Version 188.61, 01/05/2010
================================================================================
////////////////////////////////////////////////////////////////////
// 019D - NVIDIA Quadro FX 5600
// 0407 - NVIDIA GeForce 8600M GT
// 0602 - NVIDIA GeForce 8800 GT
// 0609 - NVIDIA GeForce 8800 GS
// 0611 - NVIDIA GeForce 8800 GT
// 062E - NVIDIA GeForce GT 130
// 0640 - NVIDIA GeForce 9500 GT/GeForce GT 120
// 0647 - NVIDIA GeForce 9600M GT
// 0655 - NVIDIA GeForce GT 120
// 06E0 - NVIDIA GeForce 9300 GE
// 0861 - NVIDIA GeForce 9400
// 0863 - NVIDIA GeForce 9400M
// 0866 - NVIDIA GeForce 9400M
// 0867 - NVIDIA GeForce 9400
// 0869 - NVIDIA GeForce 9400
// 0870 - NVIDIA GeForce 9400M
////////////////////////////////////////////////////////////////////

 しかし、「デスクトップカラー設定の調整」の”デジタルバイブランス”の項目がデフォルトの50から90になっており、色合いがおかしくなっているので、デフォルトに戻す必要がある。また、ドライバはGeForce/ION Release 188.61をベースにしている為、2010/1/23時点で最新のGeForce/ION Release 196.21WHQL(196.21/19.01.2010)よりバージョンが古い。

  • 参考情報 (追記:2010/02/03)
 インストーラを分解してドライバを取り出すツール
 1.Universal Extractor
 2.msi2xml

Q2. MB463J/Aのグラフィックスメモリは128MB固定なのか?CTOカスタマイズでメインメモリを増設してもMB464J/Aでなければグラフィックスメモリは256MBに増えないのか?

 グラフィックスメモリ(VRAM)は固定ではなくメインメモリと共有であり、メモリを2GB以上搭載するとVRAMは256MBに増加する。当初、VRAMは固定されており、MB464J/Aでないとメモリを増設してもVRAMは増えないと説明がなされたが、これはアップルストアおよび家電量販店スタッフの認識の誤りである。

 なお、Late 2009からメインメモリは2GB以上になった為、どのモデルでもVRAMは256MBである。また、メインメモリを4GB以上搭載してもVRAMは256MB以上には増えない。

Q3. OSXはブルーレイディスクに対応しているか?

 OSX Leopard、Snow Leopardはブルーレイディスクの書き込みへは対応しているが、著作権保護されたブルーレィディスクの再生には対応していない。

Q4. Mac miniはHDCPに対応していないのか?ブルーレイディスクは再生できないのか?

 ハードウエアはHDCPに対応しており、BootcampのWindows 7/Vista (32/64it)で再生できるBootcamp環境でも一体型のiMacやMacBook Proでなければ再生できないというのは誤り。ただし、Windows XP (32bit/64bit)ではグラフィックスドライバがHDCPに意図的に対応していない為、再生できない。


Q5. 地デジ再生はできるのか?

 BootcampでWindows環境にすることで再生できる。USB接続の外付け地デジチューナーを使用し、Windows Media Centerを使用したが、再生時のCPU使用率も10%程度でコマ落ちなど特になく、チャンネル切り替えやUIのレスポンスも悪くない。


Q6. OpenCLはサポートされるか?

 GeForce 9400MでOpenCLはサポートされている。ただし、GeForce 9800 GTのパフォーマンス(73Gigaflops)と比べると動作するレベル(10 Gigaflops)に留まり、CPU(12Gigaflops)で演算させた方が速い。

Q7. 10.6 Snow LeopardではOpenGL性能が下がっていないか?

 10.6 Snow LeopardのOpenGL性能は互換性の問題で10.5 Leopardの半分程度まで落ち込んでいた。しかしながら、10.6.3アップデートにより、"OpenGL ベースアプリケーションの互換性の問題”が改善され、パフォーマンスも10.5 Leopardレベルにまで改善された。

 ・Mac OS X v10.6.3 アップデート(2010/03/29リリース)/Mac OS X v10.6.3 v1.1 統合アップデート (2010/04/12リリース)

 ・10.5.8 32bit kernel

Xbench Version 1.3
System Version 10.5.8 (9L31a)
Physical RAM 8192 MB
Model Macmini3,1
OpenGL Graphics Test 131.05
Spinning Squares 131.05 166.24 frames/sec
 ・10.6.2 64bit kernel

Xbench Version 1.3
System Version 10.6.2 (10C540)
Physical RAM 8192 MB
Model Macmini3,1
OpenGL Graphics Test 67.65
Spinning Squares 67.65 85.82 frames/sec
 ・10.6.3 64bit kernel

Xbench Version 1.3
System Version 10.6.3 (10D573)
Physical RAM 8192 MB
Model Macmini3,1
OpenGL Graphics Test 127.44
Spinning Squares 127.44 161.67 frames/sec

■オーディオ編

Q1. HDMI Audioはサポートされているか?

 2009年秋に発売されたiMac以降の機種において、OSX 10.6.3かつHDMI音声出力対応のMini DisplayPort to HDMI Adapterを用いることでHDMI Audioの再生ができる。

 ・HDMI Audio再生対応機種リスト

Late 2009 Mac 21.5-inch 10.6.1(10.1.2)
MB950J/A Core 2 Duo 3.06 500GB GeForce 9400(G86/SP16)
MC413J/A Core 2 Duo 3.06 1TB GeForce 9400(G86/SP16)

Late 2009 iMac 27-inch 10.6.1(10.1.2)
MB952J/A Core 2 Duo 3.06 GeForce 9400(G86/SP16) + Radeon 4670(RV730XT)
MB953J/A Core i5 2.66 Intel P55 + Radeon 4850(RV770PRO)

Early 2010 MacBook Pro 13-inch 10.6.3(10.3.2)
MC374J/A Core 2 Duo P8600 2.40 GeForce 320M(GT216/SP48)
MC375J/A Core 2 Duo P8700 2.66 GeForce 320M(GT216/SP48)

Early 2010 MacBook Pro 15-inch 10.6.3(10.3.1)
MC371J/A Core i5 2.40 Intel H55 + GeForce GT 330M(GT216/SP48)
MC372J/A Core i5 2.53 Intel H55 + GeFroce GT 330M(GT216/SP48)
MC373J/A Core i7 2.66 Intel H55 + GeForce GT 330M(GT216/SP48)

Early 2010 MacBook Pro 17-inch 10.6.3(10.3.1)
MC024J/A Core i5 2.53 Intel H55 + GeForce GT 330M(GT216/SP48)

Mid 2010 MacBook 13-inch 10.6.3(10.3.2)
MC516J/A Core 2 Duo P8600 2.40 GeForce 320M(GT216/SP48)

 Mac miniと同じGeForce 9400を採用しているiMac 21.5は、HDMI Audioの再生に対応しているが、Mac mini Early 2009/Late 2009では対応していない。なぜなら、Mac miniでは、EFIでチップセット(MCP7A)内蔵のオーディオコーデックが無効にされているからである(外部オーディオコーデックのALC885コーデックのみ有効)。その為、BootCamp環境のWindowsでもHDMI Audioは再生できない。

 ただし、HDMI Audioに対応していない機種でもFHDシネマサラウンド5.1chを使用することで、Mini DisplayPortからの映像出力、オンボードサウンド(Mac miniはALC885)からの光デジタル音声出力をHDMI出力に変換し、HDMIで映像、音声を出力することが可能である。

■64bit編

Q1. Mac miniは64bitに対応しているのか?

 EFIも64bit化されており、ハードウエアは64bitに完全対応している。ただし、Early 2009以前の機種はEFIが32bitの為、CPUが64bitに対応していても64bit OSには対応していない。

bash-3.2# ioreg -l -p IODeviceTree | grep firmware-abi
| | "firmware-abi" = <"EFI64">

Q2. 10.6 Snow Leopardは64bitで起動することはできないのか?

 OS X Snow Leopardでは意図的に制限がかけられ対応機種以外では起動できない。64bit起動がデフォルトで可能なのはサーバモデルのXServeとMac Proのみである。

 しかしながら、カーネルローダのboot.efiで機種チェックをしてはじいているだけなので、boot.efiでの機種チェックを回避すれば、非公式ながらSnow Leopardを64bitカーネルで起動できる。

Q3. 10.6 Snow Leopard Serverは64bitで動作するのか?

 OS X Snow Leopard同様、意図的に制限がかけられ起動できない。Late 2009 ServerモデルのMC408J/Aでも64bitカーネルでは起動できない。

 なぜなら、MC408J/Aはハードウエア的には通常モデルと同一である為、boot.efiでの機種チェックにひっかかり64bitカーネル非起動の機種と判定される為である。裏を返せば、64bit編. Q2の方法で回避可能。

Q4. 64bit Windowsは動作するのか?

 WindowsにはOSXのような起動チェックがかかっていない為、XP/Vista/7どれも64bit版が動作可能である。あまり知られていないが、Windows XP Professional x64 EditionsのドライバもBootcampに収録されている。また、Apple製品以外のドライバはOS付属のもので動作するが、ドライバが古い為、各ベンダサイトからダウンロードした方が良い。

 なお、管理人は未確認だが、上記実績の為、Windows Server 2003 x64 Editions/2008 x64 Editions/2008R2も動作すると思われる(ドライバはOS付属のもの若しくは各ベンダから公開されているものを使用)。

 (追記:2010/01/24)
 Boot Camp:64 ビット版 Microsoft Windows Vista を実行できるMac
 *Mac mini Early 2009/Late 2009は64bit版 Windowsのサポートが明記されていないが、問題なく動作する。

■Bootcamp編

Q1. Windowsが起動するBootcampの仕組みはどうなっているのか?

 Intel Macに採用されているファームウエアのEFIには、EFI未対応のOSを動作可能にするCSM(Compatibility Support Module)という機構が用意されており、EFIへBIOS互換機能を追加することでWindowsを起動可能にしている。

 なお、BootcampとはEFIに追加されたBIOS互換機能Windowsパーティションの作成をサポートするBoot Campアシスタント(GPTパーティションの先頭セクタへのMBR書き込み及びFAT32パーティションの確保)、及びWindows用ドライバ及びユーティリティ(キーボードマネージャや時刻合わせなど)の総称であり、Windows用のドライバやユーティリティのみを指すのではない。

 したがって、BootcampでWindowsをサポートしないということは、Appleが該当Windowsのドライバやユーティリティを提供しない、サポートしないというだけの場合もあり、即動作しないということでは無い。

Q2. Windows 7は動作するのか?

 2009年末時点では、Bootcamp(ドライバおよびユーティリティの部分)は正式に対応していないが、(BIOS互換部分は問題ない為)Windows 7は32/64bitともに動作する。なお、2009年末までにWindows 7へ対応すると告知していたが延期され、2010/1/8現在では「準備が整い次第」とリリース時期の明言が避けられている。

 (追記:2010/01/20)
 Windows 7(32/64bit)をサポートしたBoot Camp 3.1 Updateがリリースされた。

 (追記:2010/02/02)
 Windows7のインストール方法は、「完全保存版・MacにWindows 7をインストールしよう」に纏まっている。ただし、BootCamp3.1収録のNVIDIAグラフィックスアダプタのドライバは、「デスクトップカラー設定の調整」の”デジタルバイブランス”の項目がデフォルトの50から90になって色合いがおかしくなっているが、デフォルトに戻す必要については補足されていない。


 なお、"Boot Camp 3.1を使ってWindows 7が実行できない"のと、"Windows 7がインストールできない”のは全く別である。Appleの保障、サポートが無い、ユーティリティやドライバが提供されないだけで、Windows 7が使用できない訳では無い。

■. ソフトウエア編

■開発編

Q1. カーネルのソースが公開されているが自分でビルドすることはできるのか?

 Macデベロッパプログラムに加入し、Xcode 3をダウンロードすることでカーネルをビルドすることが可能である。

 Loepard、Snow Leopard共にカーネルファイルはユニバーサルバイナリ構成で複数アーキテクチャのバイナリを含んでいるが、10.6ではPower PCバイナリが不要である為、削除することでファイルサイズをより縮小することができる。


bash-3.2# uname -a
Darwin localhost 10.2.0 Darwin Kernel Version 10.2.0: Tue Nov 3 10:35:19 PST 2009; root:xnu-1486.2.11~1/RELEASE_X86_64 x86_64
bash-3.2# file /mach_kernel
mach_kernel: Mach-O universal binary with 3 architectures
mach_kernel (for architecture x86_64): Mach-O 64-bit executable x86_64
mach_kernel (for architecture i386): Mach-O executable i386
mach_kernel (for architecture ppc): Mach-O executable ppc
bash-3.2# file /mach_kernel.new
mach_kernel.new: Mach-O universal binary with 2 architectures
mach_kernel.new (for architecture i386): Mach-O executable i386
mach_kernel.new (for architecture x86_64): Mach-O 64-bit executable x86_64

■. その他

・Intel Mac mini スレッド (Early 2009関連) 過去ログ