第26回平成25年度 午前
問1
以下の法律の自立に関する記述のうち、
正しいものを
1つ選びなさい。
- 児童福祉法では、児童養護施設における自立支援の対象を、現に入所している児童に限定している。
- 社会福祉法第3条では、福祉サービスについて、身体機能の低下に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものとしている。
- 老人福祉法では、その目的は、すべての高齢者が、尊厳を保持し、その有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるようにすることであると、明記している。
- 「障害者総合支援法」では、すべての国民は、障害者等が自立した生活が営めるような地域社会の実現に協力するよう努めなければならないと、規定している。
- 「ホームレス自立支援法」では、ホームレスの自立のために、就業の機会の確保よりも生活保護法の適用が重要であると、規定している。
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- ×児童養護施設では、現に入所している児童だけでなく、退所後の児童なども自立支援の対象にしている。なお、児童福祉法第41条では、児童養護施設を「保護者のない児童、虐待されている児童、その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設」と定義している。
- ×社会福祉法第3条では、福祉サービスの基本的理念として、「福祉サービスは、個人の尊厳の保持を旨とし、その内容は、福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され、またはその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものとして、良質かつ適切なものでなければならない」と規定している。
- ×老人福祉法には、「尊厳の保持」を明記した条文は設けられていない。介護保険法第1条の目的の中で「これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう」といった文言が明記されている。
- 〇本文の内容とおり。障害者総合支援法第3条では、国民の責務として「すべての国民は、その障害の有無にかかわらず、障害者等が自立した日常生活または社会生活を営めるような地域社会の実現に協力するよう努めなければならない」と規定している。
- ×ホームレス自立支援法において、ホームレスの自立のために、就業の機会の確保よりも生活保護法の適用が重要であるという規定はない。ホームレス支援法では、ホームレスに対し、ホームレスの自立を支援するための国および地方公共団体の施策を活用すること等により、自らの自立に努めるものとするというホームレスの自立への努力を規定するほか、ホームレスの自立支援等に関する施策の目標として、安定した雇用の場の確保や就業の機会の確保などに関する施策実施することにより、これらの者を自立させることなどを掲げている。
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問2
Aさん(74歳、男性)は、一人暮らしをしている。軽度の認知症があり、訪問介護を利用している。一年前から近所に住んでいる親族に預金通帳の管理を頼んでいる。最近、家事援助のためにAさん宅を訪れた訪問介護員は、Aさんから、「親族が勝手にお金を使いこんでいるらしい」と聞いた。
訪問介護員がサービス提供責任者と共に、最初に取り組むべきこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 成年後見制度の利用をすすめる。
- 民生委員に相談するように勧める。
- 親族に事実を確認する。
- 特別養護老人ホームへの入所を勧める。
- 地域包括支援センターに相談する。
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- ×現時点で、成年後見制度の利用を勧めても、Aさんが抱える問題が解決されるわけではない。この事例では、まず、Aさんと親族との人間関係の調整を図りつつ、事実を明確にすることが大切である。
- ×訪問介護員とサービス提供責任者は、Aさんからの相談に対して、早期に対応する必要がある。よって、民生委員などのほかの専門職などに相談するよう勧めることは不適切である。
- ×親族に事実を確認することも大切であるが、最初に親族に事実を確認することによって、Aさんと親族との人間関係が悪化するおそれがある。よって、最も適切な対応とはいえない。
- ×Aさん自身は施設入所を希望しておらず、また施設に入所しても、Aさんが抱える問題が解決されるとは限らない。
- 〇本文の内容のとおり。この事例では、まず、Aさんと親族との人間関係の調整を図りつつ、事実を明確にすることが大切である。そのため、その対応方法を検討するために、地域包括支援センターに相談することは適切な対応である。
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最終更新:2018年01月11日 00:09