具体的な実施事項と手順に関しては、比較的まとまりやすい。
しかし、その実施事項をどの程度まで要求するかの期待レベルとなると、合意が得られにくくなる。
たとえば、電話応対において、受信音は何回までに受話器をとればよいとするのか。
ある者は、お客様第一主義で1回でとるべきだと主張し、他の者は3回までなら許容されると現実的な立場から主張するだろう。
このような考え方のちがいが、実際の業務遂行時に個人差を生じさせる。
また、ポイント・コツにっいても、作成者によって差が大きくなることがあり、これらの「適正化」が求められる。
マニュアル作成をグループで実施するのは、マニュアル作成そのものが、業務遂行に関する教育になるからである。
つくることが教育することにつながる。
他者の作成したマニュアルであれば、それを遵守しようとする気持ちが薄れる。
作成に参加することは、マニュアルをもとに教育できる能力のある者をふやすことにつながっているのである。
担当者が単独で記述せざるをえない場合は、複数の上長が多角的によく検討したうえで承認する。
役立つマニュアルは多角的な検討のうえに存在する。
人材育成コンサルタント・前野岳洋
最終更新:2014年04月30日 16:46