フレームを使っていることも、フレームが相手の対応に影響を与えていることにも気づかない。
その結果、自分のアプローチに問題があるとは考えず、部下の忠誠心に問題があると考えてしまうのである。
このような事例は枚挙にいとまがない。
ストレスの小さな状況であれば上司も余裕を持って柔軟に取り組めるのだが、困難でストレスの多い状況になると、上司のフレームは「狭くて二者択一的、しかも固定化された」ものになりがちだ。
また、困難な状況に置かれると、上司が自分の主張を通す方法は二つに限られてしまう。
自説を展開して正面から押す方法と、質問を重ねて自分の望む方向に議論を誘導する方法の二つだ。
先の事例は、正面から押すアプローチの典型である。
ただこのアプローチには、部下に反論されると上司も反論してしまい、議論がエスカレートする可能性が高いという問題点がある。
人材育成コンサルタント・前野岳洋
最終更新:2014年11月04日 10:20