脱出孔の第二は、文字通りの脱出、国外脱出である。
今や大和民族は世界最強の通貨を手に入れた。
一体民族が孜々として働いて最後に手に入れんとする目標は「強い通貨」である。
歴史上、強い通貨を手に入れた国民は、ポンドでもドルでも、その通貨を懐にして世界を闊歩し、人生を楽しんだ。
あの浩潮なサマセット・モームの南海旅行物語のなかで、お金の話が少しも出てこない。
一体モームは、船でもホテルでも、あれだけ長いあいだ旅行し滞在し、お金を払ったのかしら、と疑問が生ずる。
登場する現地在住のイギリス人にしても、押しなべてそうだ。
理由は簡単、彼らはポンドを持っていた。
一体世界最強の通貨を持った日本人が、この狭い国のなかで「デモ」「シカ」のリゾートやレジャー施設で遊ばねばならぬ理由がない。
人材育成コンサルタント・前野岳洋
最終更新:2014年12月02日 11:04