後藤氏は、惜しげもなくノウハウを伝授し、その指導を基に、皆が露天風呂をつくり、樹木を植えて景観を整えました。
さらに、黒川温泉が地域全体として発展するために発案されたのが「入湯手形」です。
これは、旅館組合に加盟する旅館・ホテルの露天風呂のうち三つに自由に入れるパスポートで、黒川温泉の持つ個性ある緑豊かな露天風呂の魅力を非常に有効に活かすものでした。
有名な温泉地でも、旅館の中に居酒屋などをつくり、お客を旅館の中に閉じこめ、結果として温泉地全体が寂れていく。
そういう中にあって、黒川温泉は、「一人はみんなのため、みんなは一人のため」、「みんなでお客を呼ぼう。旅館は客室、道路は廊下だ。」という考えの下、皆が協力したことによって、成功したのです。
人材育成コンサルタント・前野岳洋
最終更新:2015年01月20日 09:46