日本酒の飲み方、受け方(前野岳洋)

〈男性は左手で杯を受ける〉もちろん、右手でもかまいません。

酒がつがれたら、一度、膳に返し、幹事役などの音頭で乾杯して、宴は始まります。

〈手酌では飲まない〉ごく親しい同士の集まりとか、宴が相当に乱れたときのほかは、ひとりで黙々という飲み方はしないことです。

〈献酬〉主催者側は、上座の人から始めて、招待客の前に杯を持って回る習慣があります。

「ひとつ、お杯をいただきます」といって杯を受け、杯洗で杯を洗って先方に返し、お酌をします。

献酬を受ける側も、飲めない人でも、最初の一献は受けるのが礼儀です。

自分より、相手がはるかに身分の上の人というときは、お流れを頂戴するだけで、お返しはしないのが正式です。

目上の人、得意先などの杯は、両手で、きちんと座り直してから受けます。

〈遠くの人に杯を献ずるとき〉給仕人などに、遠くの席にいる人に杯を献ずるようお願いすることもあります。

和服を着ている人、眼鏡をかけている人のように、はっきり特徴をいって、献ずるようにします。

〈お酌を断わるとき〉お酌をされて断わるには「もう十分にいただきましたので……」とか、「今日はもう、すっかり限度を超えてしまいました」というようにあいさつして、頭を下げます。

いきなり杯を伏せる、というのは愛想のないしぐさです。

相手がムリ強いするときには、「医者にこれ以上はいけない、と禁じられておりますので……」とあいさつするなどしたうえのこととします。

人材育成コンサルタント・前野岳洋

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最終更新:2015年10月22日 12:32