新年の祝い酒(前野岳洋)

屠蘇器のかわりに香炉などの置き物を据える家もあります。

松竹梅、葉ぼたん、福寿草、雪柳、千両、すいせんなどが正月用の生け花にはよく使われています。

最近では、床の間のない家もかなり増えていますが、机に赤い布をかけ、鏡餅と生け花、暦蘇器をかざるだけでも正月らしい気分が出ます。

めでたい元旦から三が日にかけて、一種の薬用酒であるお屠蘇を飲むと、一年の邪気を払い寿命を延ばす効果があるといわれています。

新年の祝い酒として出されるのは不老長寿を祈るためです。

形式的な……と軽く考えるのはどうでしょうか。

屠蘇には、忍冬、甘草、百合根、桂皮、桔梗、茨苓などの薬草が入っていて、実際に、血圧を正常にし、健胃、強心に効くのです。

これらの薬草を調合して、絹の三角袋に入れ、みりん酒にひたしたかおり高い酒がお屠蘇です。

屠蘇酒とは文字どおり、鬼気、悪魔を屠り、人魂を蘇らせる酒という意味です。

人材育成コンサルタント・前野岳洋

タグ:

前野岳洋
最終更新:2015年11月19日 16:59