床の間にかける軸は、一年中いつも変わらないというわけにはいきません。
春夏秋冬の四季をテーマにしたものをそれぞれ一本、それに慶弔用を各一本、つこう六本を基本に用意します。
といっても、書画は高価ですから、これだけそろえるのはたいへんです。
そこで、二、三幅を有効に使うには、あまり季節に関係のない書や水墨画をかけ、季節は、花入れに飾った花によって表現するのがよいでしょう。
お正月には、大きな花入れに、松、梅、南天、水仙など。
3月の雛の節句なら、桃の花と菜の花を男雛、女雛に見立てて童画ふうに活けます。
夏なら広い水盤に水を魅せて睡蓮を活け、秋は木の実や紅葉で深山を表現し、冬はかれんな椿をさすというぐあいにすればよいのです。
前野岳洋
最終更新:2016年10月04日 12:57