試験に合格しても、採用されるとは限らない、合格者の中から各官庁が「これは」と思う人物を選抜するシステムになっているのだ。
そのため、自分の希望する官庁に対しては、自分をPRして、採用されるように働きかける必要がある。
また、自分が描いていた官庁のイメージを具体的に検証し、ほんとうに自分のやりたい仕事ができる職場であるのか確認する意味でも官庁訪問を行なうことは重要である。
実際に現場で働いている職員に話をきいて確かめてみるのである。
さて、この官庁訪問だが、1種の場合は各官庁ごとで採用するので、とりわけ重要な意味をもっている。
2種については、地域採用となるため1種ほどウエートは高くないが、自分の希望する官庁に足を運ぶのにこしたことはない。
官庁訪問はあらかじめ、アポイントメントをとる必要はなく、当日に秘書課か人事課を訪ねて官庁訪問で来庁したと述べれば、人事担当者と話をすることができる。
自分の大学のOBもしくはOGがいれば、その先輩を担当者に紹介してもらったり、もしくは担当者の方からすすんで紹介してくれることもある。
訪問する官庁の数は人によって様々なようだが、おおむね5~7ヵ月まわっている人が多い。
自分の希望する官庁だけでなく、希望に近い官庁、また興味をひく官庁など精力的にまわるほうがいいだろう。
また、訪問する時期だが、一次試験の合格発表がなされると、その翌日、つまり7月中旬から官庁訪問を始めるぐらいの気持ちが必要だ。
出足が早いと、担当者に名前と顔をおぼえてもらえて、印象が強くなる。
自分のいちばん希望する官庁には1日も早く足を運ぶのがよい。
訪問も回数を重ねると、次第にその部署の上司が面接に応じるようになる。
最初は係長や班長クラスの人が応対し、課長補佐、課長という形になっていく。
質問される内容は、おおむね二次試験と同様と考えてよいが、その官庁を自分が希望する理由については、とりわけはっきりと答えられるようにしておきたい。
訪問回数も5回目ぐらいになると、「最終合格したら、ぜひうちに来てくれ」などと人事課長あたりから内々定が告げられる。
二次試験の準備もあって、たいへんな時期ではあるが、根気良く官庁訪問をすることが、自分の希望する官庁に採用される近道である。
前野岳洋
最終更新:2017年01月05日 13:55