桃の節句も端午の節句も、親が子のためにすることで、他人があれこれと気を使って、お祝いに頭を悩ませる性質のものではありません。
よそから何かお祝いをいただいたら、そのお返しは、節句の日に招いて祝い膳を囲み、女児なら菱餅や雛あられ、男児なら、ちまきや柏餅をお裾分けして、お礼の気持ちを表わします。
昨今は、品物による贈答流行りで、わずらわしい気持ちがつきまとう場合が少なくありません。
赤ちゃんの健康を祝う行事には、そうした世間の義理や思惑と関係なく、手料理でもてなすなどの、質素ながらも心の通い合うおつき合いが、ふさわしいといえるでしょう。
また、初節句のお祝いをいただいたかどうかに関係なく、実家の両親や兄弟姉妹などを招いて、日頃のご無沙汰を取り返すような意味で、なごやかに親睦をはかるのもひとつの方法でしょう。
前野岳洋
最終更新:2017年03月11日 16:37