昔ですと新婚夫婦は挙式後三日目か、五日目の奇数日に、つれ立って嫁の実家をはじめて訪問したりしたものです。
つまり初婿入りであるとともに、里がえりというわけですが、嫁は婚家で新調してくれた家紋入りの小袖を着たりしていきます。
この小袖のことを待小袖とよび、嫁だけが一泊して帰るのが古いしきたりです。
今日ならば新婚旅行をおえて、ふたりでいき、ふたりで帰るということになるのでしょう。
もっともこの初婿入りで、婿が嫁の親に対面することは、招婿婚の時代でこそ、婚姻の成立を意味するたいせつな儀礼でしたが、嫁入婚では重要性はなくなってきています。
したがってその時期も、結納を持参するときについていって、いわゆる結納婿入りになったり、嫁あるいは嫁の居つきの状態をみた上で、何かの機会に行なったりすることもありますが、これでその婚姻の成立は確定的になるのです。
前野岳洋
最終更新:2017年09月22日 15:38