星戦編 背景ストーリー
五皇帝亡き今、世界を統括しているのは、各地で力を付けていた神羅達であった。
神羅は早速、自然文明の調査隊に
終焉の魔導具跡地の捜索を依頼した。
調査隊が跡地で目にしたものは、想像すらしていないものだった。
大きな穴の真ん中に、かつて宝玉をめぐって争ったとされる光と闇の戦争を止めた戦士《
兵極エンゲツ》の姿があった。
穴の奥深くで封印されていた
エンゲツは、
終焉の魔導具という重しを失い、自由の身となっていた。
エンゲツは、光と闇の姿を感知して抹殺するようにプログラムされていた。
光の本拠地「シルヴァー・グローリー」に突撃していった
エンゲツは、並はずれた戦闘力で光の城を瞬く間に崩壊させていく。
さらに
エンゲツは地上に降り立ち、闇文明の本拠地を標的に据えた。
光と闇を殲滅せんとする
エンゲツは、一日にして光文明と闇文明を壊滅状態にまで追い込んだ。
これを三文明の反乱ととらえた光と闇は水文明の科学力を奪い取り、精霊と悪魔の魂を使って、
エンゲツに対抗できる最強の兵士《
兵極キラボーン》を作り上げた。
キラボーンはその有り余る魔力で、各地に眠る究極生命体「
パーフェクト・ハート」を復活させ、世界の征服に乗り出してきた。
世界は、再び戦争に包まれる・・・。
宝玉事件の直後で、しかも不意打ちとはいえ、たった一日で二つの文明を壊滅寸前まで追い込んだ
兵極の戦闘力に、五文明はかつてない恐怖を覚えた。
エンゲツの覚醒が三文明とは無関係だと分かった光と闇は、三文明に和解を求めた。三文明はこれを承諾した。
兵極の異次元ともいえる戦闘力に対抗するためには、こちらもあらゆる戦力が必要だろう。
龍、不死鳥、超神羅・・・五文明はあらゆる力の研究を開始した…。
一方、二人だけでは強大な神羅達に打ち勝つのは不可能だと分かっていた
エンゲツと
キラボーンもまた、新たな戦力を欲していた。
エンゲツは自らの名を「フレイマー」と改め、《
兵極将タクティクス・フレイマー》と名乗り、全世界に呼び掛けた。
―――我々力のある者だけが生きる新しい世界を創ろうじゃないか。
その一言で、元より戦いを欲していた強力な戦士たちが次々と現れ、中には
兵極の素材志願者もいた。
さらに、古代に「風神雷神」と恐れられた
ストーム・コマンド達までもが
フレイマーに力を貸した。
フレイマーは集まった素材たちで次々と兵極を作りだし、ついに「兵極軍」として名乗りを上げた。
兵極軍が、ついに戦争の狼煙を上げた。
これまで研究してきたすべての力を戦争にぶつける五文明。予想以上の抵抗に戸惑う兵極軍。
だが、将軍である
フレイマーが先陣を切り出した瞬間、兵極軍はぐんぐんと歩を進めた。
そして、
フレイマーの手がついに敵の中心部に届こうとしたその瞬間―――
―――
エンゲツよ、お前のおかげでこれだけの力が集まった。ご協力感謝するよ。だがな、お前の理想と、私の理想は違うのだ。
そして、
キラボーンは周りにいた強力な龍や神羅、はては味方であるはずの兵極達の魂を使って召喚術を起動した。
キラボーンの真の目的―――それは、この星を方舟として宇宙のどこかにある「楽園」にたどり着く、というものだった。
星を動かすには、星の化身「星龍」の力が必要だった。
星龍を召喚するために、強大な兵極達への怖れを利用して五文明に力を蓄えさせた
キラボーンは、その力を使って《
星龍ティアマット・アース》を召喚。
パーフェクト・ハートが持つ「極限融合能力」を使い、星龍との融合を果たし、ついに《
星将グランド・キラーボーン》として世界に降臨した。
キラボーンが星の軌道を操作し始めると、無理やりの軌道変更で耐えきれなくなった星のあちこちで天変地異が発生した。
キラボーンを討たねば、星中の生物がこのまま死滅する・・・。
五文明の、破滅との戦いが再び始まった。
天変地異がおさまった星の上で、
レジェンドは佇んでいた。五文明も、歓喜の声を上げる者は誰もいなかった。ひたすら静寂だった。
生命の危機は確かに護られた。だが、
キラボーンが捻じ曲げた星の軌道は、戻ることはない。この星を取り巻く環境は、すぐに変わるだろう。
暗黒の宇宙を、星はただ真っ直ぐ進んでいた。どこにたどり着くかなど知りもせずに。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
バッドエンドみたいな終わり方ですいませんw
byセレナーデ
最終更新:2010年12月15日 14:54