Chapter.2-「Construction」
「ハイランダー」
マジック:ザ・ギャザリング(以下マジック)に於けるルーリングの1つで、基本土地以外は全て制限カードになるというもの。
当然全てのカードが1枚挿しとなるため、勝つためには高度な構築やプレイングテクニック、そしてかなりの運を必要とする。
タミフルは、帰宅して諸用を済ませるとすぐに参考書を開き、パソコンを立ち上げ、
…そしてデッキを構築する作業に取り掛かった。
という罵声が何処からともなく聞こえてきそうな状況である。
スタンダード――マジックに於いて最も一般的なフォーマット――でも約1500枚のカードプールがある。
それでもこれだけ悩むのだから、ほぼ無尽蔵のカードプールで行われるヴィンテージでのハイランダーなどたまったものではないだろう。その点では、
ハイランダー戦はとてつもない快挙ではないだろうか。
「ライブラリーアウトが強すぎる」というタミフルの意見によりデッキは60枚で組まれることに。他のルールも全てスタンダードに準拠する。
1500種類から50種近くのカードを選ぶ。これは意外に難しいことである。
「単色が安定するか」
「普通にビートダウンが強そう」
「出て頼りになるクリーチャーを基本に戦うのがハイランダーの一般的な戦法やで」
「普通じゃだめだ、俺は『対クリーチャーデッキ』を作る」
「ちょっと5色で組むわ」
といった情報が交錯する中で、徐々に2人のデッキは出来上がっていった。
タミフルは「クロック・パーミッション」、対する部長は「5CB」とのことらしい。
明日は、死闘が繰り広げられることであろう。
――テストまで、あと24時間。
最終更新:2007年11月26日 19:17