稀なる客人(前編)

A Timely Visit
依頼者:
エルムマーグ(Elmemague)
  / 南サンドリア・猟犬横丁
依頼内容:
 ラテーヌ高原にて不審者が目撃された。
 追跡に協力してほしい。


南サンドリア / 民家


Phillone : こんにちは、私はフィヨンと
申します。このたび、夫や弟とともに
バストゥークから引っ越してきたんです。
Phillone : え、彼らはどこにいるのかですって?
そ、その……お仕事に行ってるんです!
2人とも忙しくてなかなか家にいないんですよ。
困ったもんです……、本当に。


南サンドリア / 猟犬横丁


Deraquien : 落ち着け……、冷静になるんだ……。
これは千載一遇のチャンスなんだ、
僕の門番人生の中で生まれて初めての。
ここで手柄を立てればきっと……
Deraquien : ハッ!
Deraquien : 自分の任務は
この市門を守り抜くことです!
けっして賊を捕まえて手柄を立てようなど、
絶対に、いや絶対に思ってはおりませぬ!
Deraquien : ……。
Deraquien : ……なんだ冒険者か。
まったく、ビックリさせないでよ。
Deraquien : 先日、宝物庫に盗賊が入ってね。
大切な王錫が奪われてしまったんだ。
Deraquien : ん、もしかして君が!?
Deraquien : 手配書で見た顔とは違うみたいだね。
Deraquien : ごめん、ごめん。
神殿騎士団がサンドリア中を探し回ってるけど、
どうにもその手がかりが掴めなくてさ。
Deraquien : 王錫って知らない?
王が持たれる杖のことだよ。
戴冠式のときに教皇から授かるという。
Deraquien : 僕も手柄を立てて出世したいなぁ。

Elmemague : おい、新しい情報が入った!
Elmemague : 旅の商人がラテーヌ高原で
不審者を目撃したとのことだ!
もしかしたら先日の盗賊かもしれない。

Deraquien : ほ、本当ですか!?


Elmemague : 私の名は神殿騎士エルムマーグ。
一足先にラテーヌ高原へ向かい、
救助訓練中の神殿騎士団と合流するつもりだ。
Elmemague : しかし、
自力で城に侵入するほどの賊が相手では、
あの兵数では不安が残る。
王立騎士団に連絡して、応援をよこしてくれ!

Deraquien : しかし、王立騎士は辺境に
散らばっており、近郷の騎士でも馳せ参じるには
かなりの時が必要かと!

Elmemague : くそ、
それでは逃げられてしまう……。

Deraquien : 自分が! 自分が行きます!
危険なのは分かります。でも誰かが……

Elmemague : そうだ! 冒険者殿!
どうか力を貸してくれないか!
盗賊を捕まえたら、報酬を払おう!

Deraquien : え、いや自分が……

Elmemague : お願いだ、冒険者殿!
国宝を盗賊から取り返すために!

選択肢:どうしよう?

>>今はやめておく
+ ...
Elmemague : そうか……。では、もし手が空いたら
協力してくれ。その時はこの門番に
状況を聞くといいだろう。



Deraquien : 不審者の捕縛のため、
1人でも多くの冒険者をラテーヌ高原に
集めるようにとの、エルムマーグ殿からの
お達しなんだけど……。

選択肢:どうしよう?

>>今はやめておく
  Deraquien : そうか……。
  僕なら、すぐさま駆けつけるのに……。

>>やる

Deraquien : じゃあ、ラテーヌ高原へ急いでくれ。
その後は現場の神殿騎士の指示に従えばいいはずさ。

>>やる

Elmemague : おお、やってくれるのか!
では、私と共にラテーヌ高原へ向かおう!
早く部下と合流しなければ。

Deraquien : あの、自分もラテーヌ高原に……

Elmemague : お前はこの場所で待機。
他の騎士が戻り次第、
ラテーヌ高原へ急行するよう伝えてくれ。

Deraquien : ……はい。

Elmemague : 冒険者殿、一足先に向かっているぞ!



Deraquien : 忘れちゃったの? ラテーヌ高原だよ。
その後は現場の神殿騎士の指示に従えばいいはずさ。
Deraquien : …………。
別にうらやましいとは思わないけどね。
全然、手柄を立てたいとか思ってないからさ。


ラテーヌ高原


Equesobillot : 不審者はオルデール鍾乳洞
潜んでいるもよう。我々は訓練通り
それぞれの持ち場を守る!
※他NPCも同じ台詞。

Vicorpasse : エルムマーグ殿から
話は聞いております。現在、奥でナルヴカンが
不審者の動向を監視しております。



Narvecaint : 君は? そうか、
エルムマーグ殿が頼まれた冒険者ですか。

Elmemague : おお、来てくれたか。
相手は凶悪凶暴な盗賊だ。
君のような頼もしい協力者がいれば心強い。
Elmemague : 奴の様子はどうだ?

Narvecaint : は!
オルデール鍾乳洞で休憩しているようです!
自分は捕縛するチャンスだと思います!

Elmemague : いや、それは罠だ。
きっと我々を誘っているのだろう。
鍾乳洞の奥には仲間共が隠れているハズだ。

Narvecaint : なるほど……。

Elmemague : ヤツを見くびるな。
相当頭がキレるはずだ。匂いで分かる。
たぶん数々の修羅場を潜り抜けた大悪党、
世界規模で暗躍する盗賊かもしれん。

Vijartal : さきほどの光は何だったのだ……?
Vijartal : ……いかん!
他事を考えてる場合ではない。一刻も早く
王都へ向かわねば。この任務にすべてが
かかっておるからな。

Elmemague : ……なんだコイツは?

Narvecaint : はっ! こいつが不審者です!

Vijartal : !! 神殿騎士か!?
しまった、ぬかったか!

Elmemague : ……!? 見たところ
騎士のようだが、どこか違うような……。
おいっ、お前、名を名乗れ!

Vijartal : お前らに名乗る名などない!

Elmemague : ん? 手配書の顔と違うぞ。
どういうことだ!?

Narvecaint : も、申し訳ございません!
挙動不審な男だったため、伝令を……

Elmemague : チッ、無駄足だったか。
どうりでおかしいと思った。


Vijartal : どうやら彼らは先に行って
しまったようだな……。まったく世話が焼ける。
Vijartal : そうか!
貴公たちは神殿騎士に扮した案内人だな?
嵐が来たため、侯爵が我々の迎えに
寄越したのだな?

Elmemague : こいつ、何を言っている?
おい、お前っ! こんな所で何をしていた?

Vijartal : 私か?
王錫を城に届けるところだったのだ。
お前たちも聞いているはずだろう。
さあ、早く王都に連れていってくれ。

Elmemague : 王錫だと?
Elmemague : お前、それを持っているのか?
ならば早く私に渡すんだ。

Vijartal : 馬鹿を言うでない。
私の任務は王弟フェレナン公爵に王錫を渡すこと。
どんな理由があれ他の者に渡すことなどできぬ。
Vijartal : んん、ないぞ!?
王錫がなくなっている!

Elmemague : ……こいつを拘束しろ。
城まで連行する。

Vijartal : な、何をする貴様ら!
私はルジーグ国王の使いだぞ!
丁重に扱わなければ後で泣きを見るぞ!
Vijartal : だから、丁重に扱えと言っておる!

Elmemague : あの男……。
何か重大な手がかりを持っているに違いない。
Elmemague : 冒険者殿、
申し訳ない、せっかく来てもらったのだが
見ての通りだ。あとはこちらでやる。
Elmemague : そうだ、
さきほどの門番に伝えてきてくれないか?
もう他の騎士の応援は必要ないと。
よろしく頼むぞ。



Narvecaint : 先ほどの不審者は
エルムマーグ殿が城まで連行しました。
作戦終了により、我々は通常訓練に戻ります。

Vicorpasse : まぁ、まずまずの結果と
いえましょうな。今後は兵の効率よい展開を
もう少し煮詰めねば……。
しかし、騎士たちにとっては絶好の機会でしたな。

Equesobillot : 我々の訓練の成果が
ついに発揮された。常日頃からの心構えが
今回のような結果に結びついたといえよう。
※他NPCも同じ台詞。


南サンドリア / 猟犬横丁


Deraquien : お、君か。どうだった?
Deraquien : へぇ~、見事に不審者を捕まえたんだ。
すごいね、僕もそんな手柄を立てたいなぁ。

Phillone : その話は本当ですか!

Deraquien : あなたは?

Phillone : フィヨンと申します。
あの、王錫を奪った犯人は!?
捕まったんですか! 無事なんですか!

Deraquien : ラテーヌ高原の不審者は捕まったけど、
そいつが犯人かどうかは、ちょっと……

Phillone : あの子は悪人なんかじゃ……、
盗賊なんかじゃありません!
お願いです、助けてください!

Deraquien : あの子?

Phillone : ああ、あなたは冒険者の方ですね。
お願い、あの子を助けて!

Deraquien : そんなこと言われても、
ねぇ……?

Phillone : ……。

Roido : すいません、妻が迷惑かけて。
僕は彼女の夫のロイドです。
Roido : さ、フィヨン。うちに帰ろう。
大丈夫、きっとまだ手はあるさ。

Phillone : で、でも……。

Roido : 来るんだ、さぁ……!

Deraquien : 何なんだろ、彼女。気になるな……。
Deraquien : あ、そうだ。
もし本当にあの不審者が犯人だったら、
ハルヴァー様から報酬がもらえると思うよ。
城に行ってみた方がいいんじゃない?



Deraquien : もし本当にその不審者が犯人だったら、
ハルヴァー様から報酬がもらえると思うよ。
城に行ってみた方がいいんじゃない?

Phillone : あ、さきほどはごめんなさい。
ちょっと気が動転していて……。
どうか忘れてください。


ドラギーユ城


Halver : おお、冒険者か。聞いたぞ、
盗賊を捕まえる手伝いをしてくれたそうだな。
Halver : ちょうど、今から尋問を始めるところだ。
ヤツが犯人であれば、報酬を払おう。
Halver : 第2次コンシュタット会戦の敗北から2年。
ルジーグ国王は残存する騎士をラテーヌ高原に集め、
バストゥークへの反攻の機会を窺っていた。

Vijartal : ああ、そうだ。

Halver : だが王弟フェレナン公爵は、その隙に
神殿騎士団を取り込んで、王都を制圧。
バストゥークとの講和を主張した、という訳か?

Vijartal : いかにも。

Halver : 内乱を憂いたルジーグ国王は、
自らの持つサンドリア王の証たる王錫を
フェレナン公爵に贈り、王位を禅譲しようと考えた。
王都を開放することを条件に。

Vijartal : そうだ。我々は
その王錫をフェレナン公爵様に届けるために、
王都へ向かっていたのだ。

Halver : が、道中、
酷い嵐に見舞われたため、
オルデール鍾乳洞で雨宿りをしていた、
……とこういうわけだな?

Elmemague : では、お前がいう
王錫とはどのような物だ?

Vijartal : なんだ、そんなことも知らんのか。
頭にピエールエランと呼ばれる珍しい宝石を
はめ込んだ、美しい錫だ。石が曇らぬよう、
細心の注意を払わなければならなかった。


Halver : ……。

Vijartal : これで信じてもらえただろう?
早くフェレナン公爵様に伝えるのだ。

Halver : 貴様……、そんな話で
我々を騙せるとでも思ってるのか?

Vijartal : なんと!
まだ私の話が偽りだと申すのか!

Halver : 第2次コンシュタット会戦?
ルジーグ国王とフェレナン公爵?
ふざけるのにもほどがある。

Vijartal : では王立騎士団赤鹿隊の到着を待て!
共に王都に向かっていた仲間だ。
鍾乳洞ではぐれてしまったが、
もうすぐここにやってくるはずだ。

Elmemague : それはまた妙な話だな。
赤鹿隊隊長ギシャンマージュは私の友人だが、
監察に赴いた時に、お前は見なかったし、
新たに隊士を編入した話も聞いてはおらぬが?

Vijartal : ハハハ、何を……。
偽りを申しておるのはそちらではないか。
Vijartal : 誉れ高き赤鹿隊の隊長は、無論、
あのプリュシェロー殿に決まっておろう。
戯れもほどほどにしておけ!

Elmemague : ハルヴァー様、
この男、どうされますか?

Halver : 手配書の顔とは違うし、宝物庫の衛兵たちも、
この男が犯人ではないと言っている。
王錫のことを知ってるだけで、
牢に入れる訳にもいかないだろう。

Elmemague : それはそうですが、まだあの話は
外部に漏れておらぬはず。なにゆえ
このような者が……。

Halver : うむ……。しかし、例のあれを開封しようと
久方ぶりに宝物庫を開けた時を狙うなぞ、
このような間の抜けたやつにはできぬ芸当だろう。

Elmemague : ……ハッ、申し訳ありません、
我々も完全に不意をつかれました。しかも、
この城を知りつくしたかのような逃げ足の早さ……。
あれはただものではないはずです。

Vijartal : まだ、疑っておるのか?
私は王の命令でここに来たのだ。
それとも、公爵様は使者をこのように扱うのか?

Halver : ……コイツをつまみ出せ。
くだらぬ妄想につきあうほど
我々は暇ではあるまい。

Vijartal : だから私は王の命令で……、
おい、何をするのだ!
さっさとその手を放せ!
Vijartal : 覚えておくがいい貴様ら!!
このヴィジャルタール・カフューへの数々の非礼、
あとで詫びを入れても聞く耳もたぬぞ!!

Halver : ちょっと待て……
おまえ、今何と言った?

Vijartal : ヴィジャルタール・カフューの名を
忘れるなと言ったのだ!
この屈辱、生涯忘れることはないぞ!

Halver : こいつ、ふざけおって!!
Halver : この盗賊風情め!
言うにことかいて、我が国屈指の勇者、
ヴィジャルタール・カフューの名を騙るとは……
恥を知れい!

Vijartal : なんだと……?

Halver : 愚か者め!
200年前、王立騎士団と神殿騎士団の抗争に
終止符を打った偉大な勇者の名だと言っている。
そのような嘘、子供でもつかぬわ!
Halver : 早々にここから立ち去れ!
次に私の前に姿を現せばどうなるか、
分かっておろうな!

Vijartal : 200年前とは何のことだ!
説明しろ、なぜ私が勇者……

Halver : 残念だが、報酬は払えない。
王錫を盗んだ犯人は、
あの男ではなかったのだからな。

Elmemague : そうだ、門番の彼に伝えておいてくれ。
手柄を立てるチャンスはまだあるぞ、とな。
Elmemague : しかし、王錫は
サンドリアの象徴ともいえる宝だ。
なんとしても取り返さなくてはならない。


ラテーヌ高原


Narvecaint : エルムマーグ殿から
あの不審者は犯人ではなかった、との報告を
受けました。もしまた不審者がいれば
すぐに本営まで連絡をします。


南サンドリア / 猟犬横丁


Deraquien : そうか、捕まえた不審者は、
王錫を盗んだ犯人じゃなかったのかぁ。
Deraquien : ……ということは、僕にもチャンスが
残っているってことだよね!
よーし、絶対に盗賊を捕まえてみせるぞ。
手柄を立てて出世して立派な騎士になるんだ!

Vijartal : ……。
Vijartal : ……ああ、さっきの。

Deraquien : むむ、怪しいヤツめ!
さては王錫を盗んだ賊だな!

Vijartal : ……お主、ルジーグ国王と
フェレナン公爵、この御二方のことを存じておるか?

Deraquien : え? うん。
200年前の王様と王弟様でしょ?
龍王ランペール様以前の時代の方々だよね。
御二人の権力争いが内乱を招いたっていう。

Vijartal : そ、そうなのか!?
もしかして、その内乱の始まりは……

Deraquien : えっと……。
確か、第2次コンシュタット会戦で、
口惜しくも我が軍が壊滅的な打撃を受けてから、
何年か経った後じゃなかったかな。
Deraquien : フェレナン公爵が神殿騎士団を
味方に引きいれて、王都を制圧したんだ。
そしてバストゥークとの講和を主張した。
Deraquien : でも兄のルジーグ王は
弟の行為を許さなかった。
だって、彼は王立騎士団の残りを総動員して、
反攻作戦の準備の真っ最中だったからね。

Vijartal : ではヴィジャルタール・カフューは!?

Deraquien : 本当に知らないのかい?
我が王国の中でも屈指の勇者のひとりだよ。
そのときの内乱で大手柄を立てたんだ。
彼を知らない者なんて、この国にはいないよ。

Vijartal : 冗談……であろう。
ここは未来の世界?
そんな馬鹿なことあるはずない……

Deraquien : 何なのかな、あの人。
まあいいや。それよりも今やるべきことは、
王錫を盗んだ犯人探しだよね。

Deraquien : そうだ!
フィヨンって女の人を覚えてる?
気になっているんだけど、
ここを離れるわけにはいかなくてさ。
Deraquien : 悪いけど、様子を見てきて
くれないかな? 頼むよ、僕も手柄を立てたいんだ。
何か手がかりが分かったら教えてね。



Deraquien : 悪いけど、さっきのフィヨンとかいう
女の人の様子を見てきてくれないかな?
頼むよ、僕も手柄を立てたいんだ。
何か手がかりが分かったら教えてね。


南サンドリア / 民家


Phillone : あなたは……さっきの冒険者さんね!
捕まった犯人はどうなったの?
怪我してなかった!?
Phillone : え?
犯人じゃなかったって?

Vijartal : ナフュではないか!
Vijartal : よかった……、
お前に会えて本当に良かった!
やはりここは未来なんかじゃないのだな!

Phillone : あなたは……?

Vijartal : まったく今日は散々な目にあった。
城の連中は訳の解らん御託を並べるし、
みんな私のことを勇者などと言っておる。
Vijartal : おそらく、疲れがたまっているのであろう。
最近は忙しい日々が続いたからな。
ナフュ、少し眠らせてくれ。

Phillone : ちょっと! あなた誰ですか?
失礼ですよ、勝手に人の家に入るなんて!

Vijartal : は?
な、何言っておるナフュ。

Phillone : ナフュ? 私の名前はフィヨンです!

Vijartal : お前まで悪ふざけはやめてくれ、
ここは私の家ではないか。
それに我々は恋人同士であろう?

Phillone : こ、恋人同士!?
何を言ってるんですか! 帰ってください!
神殿騎士団に通報しますよ!

Roido : フィヨン? 
どうしたんだい、そんなに血相を変えて。

Vijartal : !?
ヒューム……、その訛り……。
まさかお前、バストゥーク人か!?

Roido : ええ、そうです。

Vijartal : バストゥーク人が
神聖なる王都に足を踏み入れるとはいい度胸だ!
さてはお前、牢から脱獄した捕虜だな!?

Roido : いえ、ここは僕の家ですが。
僕が何か悪いことしましたか?

Vijartal : 訳が分からん
……さっきからなんなのだ、コレは?
Vijartal : ここは私の家ではないのか?
しかも、何でバストゥーク人が住んでいる?
彼女はナフュ、私の愛する女性のはずだ!
Vijartal : ここはいったいどこなのだ……
本当に私は未来の世界に来てしまったか。

Roido : あの人はいったい?
どこかで会ったような気もするけど……。
Roido : あなたは……、冒険者の方ですか。
え? 王錫を盗んだ犯人を探している?
Roido : ……お願いしたいことがあります。
Roido : 盗まれた王錫を取り戻すために、
あなたの力を貸してほしいんです。

Phillone : 実は王錫を盗んだのは
私の弟、ミルシェラールなの。
Phillone : ごめんなさい、冒険者さん。さっきは、
ミルシェラールが捕まったって勘違いして。
Phillone : 王錫にはめられたピエールエランはね、
不思議な魔力を宿しているって伝説があるの。
だからサンドリアの象徴として、
歴代の国王たちに受け継がれてきたわ。

Roido : それをミルシェラールが盗んだ……

Phillone : でも弟は盗賊なんかじゃ、
悪用しようと思ってるわけじゃ、ないの!
お願い、ミルシェラールを……

Roido : ミルシェラールは自分の身を案じ、
ある場所に王錫を隠したんだ。
僕は彼が戻るより先に、そこへ行って
王錫を何とか城に戻そうと思ってる。
Roido : そうすれば、たとえ捕まっても
ミルシェラールの罪は軽くなるだろ?
それに、国宝さえ取り戻すことができれば、
神殿騎士団も執拗には調査しないかもしれない。

Phillone : でも、ご先祖様からの言い伝えは……。

Roido : ……フィヨン。
君の気持ちも分かるよ。でもそのことよりも、
ミルシェラールの方が大事だろ?

Phillone : うん……、分かってる。
分かってはいるんだけれども……

Roido : ただ、そこは怪物が出没してね。
単独で行きつくのは難しいと思う。
腕の立つ騎士でもいてくれれば……
Roido : お願いします、
信用のおける凄腕の騎士を探してください。
誰か心当たりはありませんか?

Phillone : 冒険者さん、お願い、
私たち家族を助けて……。

Roido : ……お願いします。



Phillone : 冒険者さん、お願い、
信用のおける騎士を探して
私たち家族を助けてください……!


南サンドリア / 猟犬横丁


Deraquien : やあ、何かいい手がかりは見つかった?

Roido : 冒険者さん、
僕は腕の立つ騎士と言いましたよ。
失礼ですけど、さすがに彼では……

Deraquien : ん、どうかしたの?

Vijartal : おお、先ほどの方々ではないか。
Vijartal : こんなところで何をやってるのだ?
なに? 凄腕の騎士を探してる?
……なるほど。
それならば恰好の人物を紹介してやろう。

Roido : 本当ですか!
いったい、その御方はどこに?

Vijartal : 我が名はヴィジャルタール・カフュー!
誇り高きカフュー家が輩出した天才騎士!
古の時代より未来にいざなわれた
サンドリアの勇者とは、この私のことだ!

Roido : はぁ?

Vijartal : 騎士たる者、
過去だの未来だので慌ててはならん。
私も、この世界では有名な勇者なのだ。
どうだ、素晴らしいことではないか。
Vijartal : そうだ、異名を考えよう。
人呼んで「雷神 ヴィジャルタール」などどうだ?
本名よりそちらの方が良いだろう。
Vijartal : うーん、他に何かいい案はないか?
……そうだ! これなんかはどうだ!
「漆黒の稲妻 ヴィジャルタール・カフュー」
なかなか味のある異名だと思わんか?

Roido : ……ヴィジャルタール・カフュー?

Vijartal : 「漆黒の稲妻」か……。
気に入った!
しばし待たれよ、サインを考えるゆえ。

Roido : すいません、話があるんです!
ちょっと私の家までよろしいですか?

Vijartal : なるほど、お前たちの話は分かった。
しかし、何故私がお前の弟を助けねばならんのだ?

Roido : 自らヴィジャルタール・カフューと
名乗られるとは、相当の剛の方だと思いました。
是非、僕たちにお力を貸してください。

Vijartal : そ、それはそうなのだが……。
いくら私が腕の立つ騎士とはいえ、
剣の手入れなどそれ相応の準備というものが……

Phillone : 勇者と同じ名前なんだから、
助けてくれてもバチは当たらないんじゃない?


Vijartal : ナフュ、何もそんな言い方は……

Phillone : フィヨンです。

Vijartal : ……強気なところまで似ておる。
Vijartal : うむうむ、分かった。手伝ってやろう。
王錫を取り戻せばいいのだな。
騎士たる者、弱き者を助けるのも務めのうちだ。
そもそも、あれは私の……。いや、何でもない。

Roido : 本当ですか!?
ありがとう、助かります!
この恩は一生……

Vijartal : が、バストゥーク人は信用できん。

Roido : え?

Vijartal : 我々高貴なるサンドリア人にとって、
卑しきバストゥーク人どもは憎むべき存在である。
だから、かような者を供にするのはご免こうむる。

Phillone : ちょっと、何よそれ!
サンドリア人もバストゥーク人も、
そんなこと関係ないでしょ!
ロイドに謝りなさいよ!

Vijartal : ……またナフュと同じ台詞を言っておる。

Roido : ……仲良くしてくれなくても結構です。
でもあそこは危険な場所ですから、単独行動は
危険です。

Vijartal : な、何!? 危険なのか!
怪物でもおるのか?
そんなに危ない場所なのか?

Roido : ええ。きっとあいつのことだから、
龍王ランペールの墓を抜けた先にある
森のどこかに王錫を隠していると思います。

Vijartal : ……いたし方あるまい。
ただし、バストゥーク人のお前!
私に話しかけるでないぞ。

Roido : あの……、もしよかったら
あなたも来ていただけませんか? あの方が
信用できるかどうか、分かりませんから……。
お願いします!



Deraquien : えっ、あの女の人は全然関係ないって?
そうか……、僕のカンは間違っていたか。
やはりここでキッチリと門番をやっているのが
出世への近道かもしれないな……。


南サンドリア / 民家


Phillone : 弟はランペールの墓を抜けた先にある
森のどこかに王錫を隠していると思います。
どうかあの子より先に、お願いします!


稀なる客人(前編) >> 稀なる客人(後編)

■関連項目 南サンドリア
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最終更新:2015年07月25日 16:34
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