《ブレイジング・ザ・ジョニー》

《ブレイジング・ザ・ジョニー》 MAS 火文明 (9)
クリーチャー:ジョーカーズ 12000
■マスターJ・O・E(このクリーチャーを召喚するとき、コストを3少なくし、更にこのターン場に出たジョーカーズ1体につき2少なくしてもよい。そうしたら、ターンの終わりに自分の場のジョーカーズを1枚山札の下に送る。ただし、コストは0以下にならない)
W・ブレイカースピードアタッカー
■このクリーチャーが出たとき、山札の上から3枚を表向きにする。その中のジョーカーズ1枚につき、相手のクリーチャー1体を山札の下に送り、その後自分はカードを1枚引く。表向きにしたカードは好きな順で山札の上か下に送る。
※殿堂入り
作者:citurs


目指したのはジョーカーズのシンプルなパワーカード。
マスターJ・O・Eという効果名と、《ブラッキング・ザ・ジョニー》のリメイクというテーマだけ決めてスタートしましたが、何の因果か【企画】環境破壊は気持ちいいZOY!殿堂入りカード選手権!に入るようなバケモンが生まれてしまいました(笑)
皆様の忌憚のないご意見をお待ちしております!

解説

DMEX-06で登場した(と言う設定の)ジョーカーズ

かの《“罰怒”ブランド》をジョーカーズ仕様にリメイクしたようなクリーチャーで、二つの強力な効果を併せ持つSA+W・ブレイカー

まず、目玉効果のマスターJ・O・Eは通常のJ・O・EマスターB・A・Dレベルに強化したような効果となっており、あちら同様既にJ・O・Eで踏み倒したクリーチャーをコストに使うのも悪くない。ただしコストの下げ幅が大きい分、ボトム送り時に1ドローができないと言う点はデメリットと言える。

しかし、それらの前提が吹き飛ぶほどのこの効果の危険なポイントは、軽減条件が文明指定ではなくジョーカーズを指定するものであること。

つまり卑近な例を挙げれば、「1ターン目:《メラメラ・ジョーカーズ》→2ターン目:《ヤッタレマン》→3ターン目:2体目の《ヤッタレマン》+《パーリ騎士》」と動けば、わずか1コストでSAのW・ブレイカーを召喚できてしまう。そこまで狙わなくても《ヤッタレマン》2体が出ている盤面なら4マナで呼び出すことができ、テンポ的にも無駄がない。

cipはスリリング・スリージョーカーズと言った形の効果で、その中身はジョーカーズ1枚につき相手の場にいるクリーチャーを1体ボトムに送り、その後自分が1ドローできると言う豪快なもの。同様のコスト軽減効果を持つ《ジョット・ガン・ジョラゴン Joe》ですら捲れたカードのコストを参照しなければいけなかったため、破格のパワーアップと言えよう。

クリーチャー主体のデッキならばcipの一発で一気にアドバンテージをとることができ、ボトム送りのため、相手側にとっても再利用の方法も大きく限られるのが強力。更に追加ドローができるため、召喚で消費したリソースを一気に回復することも不可能ではない。ただし、除去できるのはあくまでクリーチャーのみであることに注意したい。特に近年はタマシード/クリーチャーが増加したことで、厄介なACEを排除しにくくなっている点は留意すべき。《ジョット・ガン・ジョラゴン Joe》と違って《卍新世壊卍》や《希望のジョー星》を処理できないのも泣き所。

また、素のパワー・名目コスト共にそれなりに高いので、cipで討ち漏らした相手クリーチャーを攻撃したり、《ジョギラゴン&ジョニー~Jの旅路~》の革命チェンジ元として運用したりと使い道は豊富。単なるSAのW・ブレイカーとしても実質的なコストから考えれば破格のスペックと言えるだろう。

欠点としては《“罰怒”ブランド》のような全体SAを与える効果を持たないため、せっかく横に並べたクリーチャーをすぐに攻撃に参加させられない点くらいだろう。対策としては《ガンバトラーG7》を利用した、場のジョーカーズの疑似SA化が挙げられる。場にジョーカーズが4体以上いれば2マナで出せる上、パンプアップによって更に当たり負けしなくなる点等、あちらとの相性はかなりいい。

総じて早期ターンに場に出して盤面を制するだけでなく、詰めの一押しにも使える、火ジョーカーズの攻めっ気の強さを前面に出したようなカードとなっている。また、先述した《ガンバトラーG7》や《Jの旅路》など、他の大型カードと組み合わせた際の爆発力には目を見張るものがあった。

環境において

発表直後から、このカードを4投した【赤ゼロジョーカーズ】が検討された。このクリーチャーのcipで相手の盤面を捌いた後は相手のリカバーが難しいことと、先述した欠点から無理に殴る必要がなかったため、結果として当時は珍しい「溜める速攻デッキ」として話題となった。丁度この頃《“轟轟轟”ブランド》が殿堂入りしたこともあり、環境の低速化を踏まえれば余裕をもって突っ込むことができたのである。

しかし、このデッキは実装からわずか数週間で大きな変化を強いられることとなる。GRジョーカーズを使ったコスト軽減の導入、そして当時から圧倒的なパワーカードとして、その悪名を轟かせていた《BAKUOOON・ミッツァイル》との結託である。前者はこの時点ではあくまでも妄想の域を出なかったが、メインデッキにジョーカーズが無くてもこのクリーチャーを低コストで踏み倒せると言うアイデアが生まれることとなった。後者はこのクリーチャー最大の泣き所であった盤面にクリーチャーが並ぶ“だけ”である点をミッツァイルが「自身のコスト軽減+GR展開の種にできる」「自軍SA付与で打点化」の2つの面でケアすると言う凶悪な噛み合い方を見せた。またこのクリーチャー自体もcipで踏み倒しメタやブロッカー等の邪魔なクリーチャーを排除しつつキーパーツをサーチできるという点が、除去能力に乏しいミッツァイル系のデッキと強烈に合致した事もあり、この2枚を組み合わせた【赤緑ジョーカーズミッツァイル】は瞬く間にトップメタの一角に躍り出た。

この時点で一部のプレイヤーからは「ミッツァイルを強化するようなカードを何故刷った」という批判の声も少なからず出ていた。またこの時【モルト NEXT】が《爆銀王剣 バトガイ刃斗》を、【レッドゾーン】が《撃速 ザ・グナム》《覇王速 ド・レッド》を得たもののこのデッキを超えることは出来ず、早くも「ミッツァイル・マスターズ」と揶揄する声もあった。

また【ジョット・ガン・ジョラゴン】でもcipの優秀さから横展開から出せるサブフィニッシャーとして即座に定着した。《アイアン・マンハッタン》から連続して踏み倒し、場と盾を吹き飛ばしつつ盤面をロックし、更にリソースを確保する動きは余りにも強力。このためこちらの世界線ではループ型とワンショット型、二種類のジョラゴンデッキが研究されるようになった。

【青黒緑デッドダムド】が成立すると、安定してリソース確保しつつ確定除去を叩き込むうえ、《無修羅デジルムカデ》 という対ビートダウンの必殺兵器を得たこのデッキにはさすがに苦戦を強いられ、それに対抗するべく【ジョーカーズミッツァイル】側もループ機構などを取り付けていくと、素直なビートダウン向けなこのカードの需要も若干減少し、場合によってはミッツァイルを出すための単色マナとして扱われるのもしばしばであった。とはいえデッドダムドへの侵略元を大量に排除できる点や、《無修羅デジルムカデ》にタップインさせられてもcipで除去することが可能な点から、このカード自体の需要が減ったわけではなかった*1

ところが直後のDMRP-11発売後に【赤青緑ミッツァイル】が成立すると、早期決着に長けたこのクリーチャーと、あちらの売りであった重量級マナドライブは一見すればアンチシナジーだったことや、デッキ自体が妨害より自分のやりたい動きを通す方へ進化していったこともあり、とうとう1枚も投入されないのもザラとなってしまった。その実質的な対抗馬であった【カリヤドネループ】が盤面を並べないスペルコンボデッキだったことも大きい*2

不遇をかこつ《ブレイジング・ザ・ジョニー》だったが、その裏で【赤青ジョーカーズミッツァイル】が検討され始めたこともあり徐々に再浮上の目を見つけていく。

そして、DMBD-11で《無限合体 ダンダルダBB》を獲得したことが大きな転機となる。《ダンダルダBB》のJトルネードでこのカードを対象に取れば、わずか一回のJトルネードで《ジョジョジョ・マキシマム》や《神々の逆流》等の凶悪呪文が撃てるようになり、フィニッシュ性能が大幅に増した。

更に追い風となったのは《“魔神轟怒”万軍投》の獲得による【赤青ジョーカーズミッツァイル】のTier1入り。これにより無駄なく自身を踏み倒せるようになったほか、cipで相手の妨害をケアしつつ悠々とソリティアに持っていける点、先述した《ダンダルダBB》との相性、何より万一の場合はミッツァイルや万軍投のための火文明の単色マナになれるという点が大きく、このクリーチャーも大きく需要を取り戻した。

何よりこのカードが環境に殴り込む原因となったのは《BAKUOOON・ミッツァイル》の緊急でのプレミアム殿堂入り。これで空いたスロットを自身や《ガンバトラーG7》で代替したことで、【ミッツァイル】系のデッキの中ではダメージを最小限に抑えられたこともあり、【赤青ブレイジング・ザ・ジョニー】として環境トップの座を欲しいままにした*3

しかし、同時期の【ドッカンデイヤー】や【ヨミジループ】ともども、あまりにGRと組んで大暴れしたデッキが増えたこともあり、こちらの世界線では現在よりも1年早くGRのみを狙った露骨なメタが次々と実装*4され、先の2デッキは一気に環境から後退せざるを得なかった。*5

だが、このクリーチャーは新たに実装されたキリフダッシュや、強力なメタカードである《全能ゼンノー》を組み込んだ新たな【赤緑ジョーカーズ】、通称【ブレイジング・バーンメア】で貫録のTier1を堅持した。
こちらの世界線では例のアレがアレして無かった事になったため、各地のCSで大いにその腕を振るった。キリフダッシュがアタック時に踏み倒すその性質上、このクリーチャーとアンチシナジーだったにも関わらずの活躍であったが、これには【ブレイジング・バーンメア】がそれまでの【赤緑ジョーカーズミッツァイル】デッキのノウハウを流用していた所にポイントがある。実は実装当時からこのクリーチャーを運用するなら、《ヤッタレマン》等での軽減が間に合わなかった場合を考え、自然文明の優秀なマナブーストによってある程度マナを伸ばした方が強力な動きができたのである。またこのクリーチャー自体溜めるプランを採ることがマイナスの選択肢になりにくかったこともあり、伸ばしたマナをキリフダッシュの糧にすることで一気に相手を押しきる事ができたのである。

またこの頃になると鬼札王国の盾回収能力を利用し盾落ちケアをプラスした【赤黒ブレイジング・ザ・ジョニー】や、《奇石 ミクセル》や《Dの楼閣 メメント守神宮》で受け性能を上げ、《GOOSOKU・ザボンバ》等をサブプランに据えた【リースジョーカーズ】も考案され、このクリーチャー自体も除去力以前に6コスト以下で出せるSA2打点と言う点に着目されるようになった。

こうした流れを経た矢先の2020年夏、ついにこのカードに殿堂入りが施行される*6。表向きにはこれまでの罪状の累積であると思われていたが、その後《ジョギラゴン&ジョニー 〜Jの旅路〜》が発表されたこともあり、実質1コストで召喚し、メタクリーチャーやブロッカーを吹き飛ばしつつそちらにチェンジできる点が最大の理由であると推察された。

その殿堂入り後に成立した【旅路バーンメア】では、大半の予想した通り《旅路》の革命チェンジ元、膠着状態を打開する除去札、ミラーの打点ずらし等各方面で活躍。たった一枚でも【ジョラゴンループ】を利用して山札からでも容易に回収することが容易だったことから、一部には年内のプレミアム殿堂もあり得ると噂された。

その後、こちらの世界線では「2ブロック」「アドバンス(殿堂レギュレーション)」に加え、新たに「オリジナル」と言うフォーマットが成立。それぞれが相互に影響を与えながら進化していく中、《ブレイジング・ザ・ジョニー》はさらに《ジョット・ガン・ジョラゴン》までもを失ったこともあり、環境の表舞台からは一旦退場となった。ただ、王来篇でフィーチャーされた「EXライフ」「スター進化」の2つの効果について、連続除去で容易に無力化できることから、ジョーカーズ軸の【モモキングRX】に隠し味として採用されることもある。

DMEX-19にて【Finalジョーカーズ】が成立すると、5枚目の《ジョリー・ザ・ジョニー Final》としてすっかり定着した。ただしこの頃は新たにタマシードが登場していた事もあり、詰め手段としてはやや安心できない対面も少なくない。

その他

  • 殿堂入りのもう1つの要因として、このカードを複数枚持っていても同様のcip倍加ができるからと言う指摘もある。一度条件さえ満たせばあとから出てくるこのクリーチャーは全て1マナになるため、連続して相手のカードをボトムへ送れるようになるのである。

  • このようなカードデザインとなった理由に、当時の火のジョーカーズの多くがJ・O・Eによるコスト軽減を前提としても、かなり重いクリーチャーが多かった点が推測されている。ただ、2コストに自分のジョーカーズを守れる《おしゃかなクン》や盾落ちをケアできる《花美師ハナコ》、3コストには召喚時に更に1軽減+マスターJ・O・Eに1ドローを追加してくれる《ヤッタレ総長》やマナブ―ストメタの《グングン☆マグネットマン》、そして条件付きで0マナで踏み倒せる《ニクジール・ブッシャー》と、このクリーチャーと相性が良い火のジョーカーズも全くいないわけではなかった。後に1コストの《ふくわラット》や、場に出て即打点になれる2コストの《モモダチ キャンベロ》等も登場している。

  • 【9軸ガチロボ】で使うのも面白い。ジョーカーズには《アイアン・マンハッタン》や《燃えるデット・ソード》、《パック・リーマン》等優秀なコスト9のクリーチャーが多数いるので、それらと組み合わせればcipの3ヒットも現実的に狙える。《地封龍 ギャイア》や《偽Re:の王 ナンバーナイン》、《卍月 ガ・リュザーク》などフィニッシュ性能の高いクリーチャーがコスト9帯には多い点も見逃せない。

  • デザインのイメージは、《ジョリー・ザ・ジョニー》が《“轟轟轟”ブランド》のようなアーマー+《“極限駆雷”ブランド》の白い学ランを纏ったような姿をしている。両肩には《メラビート・ザ・ジョニー》と同じ歯車状のパーツがあるため、彼の直接の進化形態とも言える。肩に担いでいるのは《ジョジョジョ・マキシマム》でもその姿を見せた《バレット・ザ・シルバー》が変形したキャノン砲だろう。また、シークレット版では《ヤッタレマン》達が「武烈射神軍(ブレイジング)」と書かれた旗を振って応援している。

  • そのデザインとポーズ、そして汎用性が似ていたことから、「赤い《バングリッドX7》」のあだ名がついたことがある。

  • モデルと思われる《“罰怒”ブランド》とはこのクリーチャーがマスターB・A・Dの軽減コストになり、全体SA付与で横並びした火のクリーチャーを打点に変換出来たりと相性が良い。また、過剰に手札を消費するため《“轟轟轟”ブランド》とも相性がいいように見えるが、cipで手札補充をするのでそれほどとはいえない。

  • ジョニー(このカード)、ジョラゴン(《ジョット・ガン・ジョラゴン》)、そしてモモキング(《禁断英雄 モモキングダムX》と《未来王龍 モモキングJO》のプレミアム殿堂コンビ)と、こちらの世界線では、切札ジョーの歴代の切札が全て何らかの形で殿堂入りしたことになる。

  • DMEX-19にてこのカードの調整版とも言える《ジョリー・ザ・ジョニー Final》が登場した。あちらは条件が合えば0コストで場に出せ、最大5枚除去と一見上位互換に見えるが、ともに条件が完全に相手依存なので差別化は容易。

関連

+ ...
《ブラッキング・ザ・ジョニー》:本来の世界線でのジョニー
《ゴールデン・ザ・ジョニー》
《“罰怒”ブランド》
《破界秘伝ナッシング・ゼロ》
《フレミングジェット・ドラゴン》

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最終更新:2024年12月07日 12:44
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*1 当時行われた『超CS』では決勝進出者が【赤緑ジョーカーズミッツァイル】と【青黒緑デッドダムド】で二分されるなか、見事優勝を飾っている。この時のデッキはデッドダムドの侵略対策の為《デスマッチ・ビートル》、《洗脳センノー》、《ポクチンちん》等を採用し、実際の大会でもこのクリーチャーを積極的にプレイするなどメタビート的な要素の強い作りとなっていた

*2 事実この年のGPは優勝を【カリヤドネループ】、準優勝を【赤単ブランド】に奪われている。ただし、best8に初期型の【赤青ジョーカーズミッツァイル】がある点は見逃せない

*3 ただ、全国大会の優勝自体は逃している。このデッキは一転の突破力に全てを割り振っているため、長期戦になるとコントロール系やループ系のデッキに太刀打ちしにくいのである。事実この年の全国大会優勝はブラッシュアップ前の【ヨミジループ】であった

*4 例えばこの世界線のキングマスターは、それぞれモモキングが「GRクリーチャーが出て効果がトリガーするときに代わりにバトル」、ジャオウガが「互いのGRをすべて墓地へ」、ギガンディダノスが「同、全てマナへ」という効果を持っていた。直前の裁定変更で、GRクリーチャーが直接墓地やマナへ送られるとGRゾーンに戻れなくなると言う大幅な弱体化を受けたのも大きい

*5 そのため、こちらの世界ではドッカンデイヤーにいきなり規制がかからず、ヨミジ、マリゴルドともにこの時点では殿堂入りに留まった。なおヨミジに関しては直後に1枚からでもスタートできるループが見つかったことできっちりと温泉行きになる

*6 この直前の殿堂にて、最強の相棒であった《“魔神轟怒”万軍投》、《無限合体 ダンダルダBB》をそれぞれ殿堂入り、プレミアム殿堂入りによって失っていた