超獣世界に開かれた巨大な穴
超獣世界、そこには数多くのクリーチャーが暮らした。あらゆる超常現象がこの世界に巻き起こり、クリーチャー達はそれに翻弄されつつも共存していたのだ。
だがある日突然、クリーチャー世界の中心に巨大な穴が出現した。先日までは影も形もなかった謎の穴にクリーチャー達は困惑の表情を浮かべる。
だがそこから現れた黒い霧、それがこのクリーチャー世界の全土に広がりつつあったのだ。
霧は外からだと何も見えないほどに濃く、分厚く、真っ黒であり、霧の中に呑まれたクリーチャー達はその行方が分からなくなってしまっていた。
たまたま場所を離れていた《ボルシャック・ドラゴン》と《コッコルピア》は世界を覆い尽くそうとする霧に嫌な予感を感じつつあった。
夥しいまでの霧は不思議なことにあらゆる思念を感じさせた。それは一言で言い表せられないほど多くの不気味さを内包しており、彼らはこの世界が未曾有の危機に瀕していることに気がつきつつあった。
分たれた姫と龍
ハンター陣営とエイリアン陣営、両者の和平と新たな希望の双子の誕生を祝した宴がエイリアン城にて行われていた。
だがそこに《偽りの名 13》が巨大な惑星を落としパンドラ・スペースに甚大な被害を与えたのだ。
その影響で両親を失ったプリンプリンは、両親の仇討ち、そしてこの世界を守るために戦う決意をし、リュウセイ・カイザー、ガイアール・カイザーと共にV覚醒リンクを果たす。
そして同時に目の前には「虚無のアンノウン」である《偽りの名シャーロック》が現れ、彼らを抹殺しようと立ちはだかった。
今まさに死闘が始まる....と思われたそのとき、突如としてそれは出現した。
惑星の衝突によって発生した亀裂が、突然巨大な大穴に変異し、中から夥しいまでの霧を発生させたのだ。その霧は敵味方関係なく、全てのクリーチャーを覆い尽くそうと広がり始め、その霧はリュウセイ達の方にも迫ってきた。
本能的にその危険性を察知したリュウセイは、自ら覚醒リンクを解除し、自分とガイアールが時間を稼いでいる間にプリンプリンに逃げるように言った。
だがそれを邪魔したのは、霧に呑み込まれたことによって異常な変異を果たしたシャーロックであった。
変異したシャーロックは覚醒リンクだけでなく、あらゆる次元を解体するという圧倒的な力を手に入れていた。
手始めに奴は大穴を出現させ、そこにガイアールとプリンプリンを吸い込もうとした。
リュウセイは吸い込まれるプリンプリンに必死に手を伸ばすものの、あと一歩というところで手は届かず、無情にも彼女は穴の奥底に吸い込まれていってしまった。
そして同時にガイアールも穴に吸い込まれる。必死に抵抗したが、強力な吸い込みには抗うことはできず、次第に体の半分以上が呑み込まれていた。だがそのときリュウセイと目があった。
「姫を頼んだ」
彼はまるでそう言っているかのようであった。
プリンプリンを助けられなかった悔しさ、悲しみ、そして自分に対する怒り...戦友のそれら全てをガイアールは感じ取った。
リュウセイの気持ちを汲んだガイアールは覚悟を決めた。彼はいっさいの抵抗をやめて穴の奥底に自ら吸い込まれ、プリンプリンを助け出すためその後を追ったのだ。
残ったリュウセイは今一度、シャーロックと対峙する。今までとは比べ物にならないほどの力を手に入れた敵を前にしても、彼はいっさい怯まなかった。
怒りの雄叫びをリュウセイはあげる。そして持てる力全てを振り絞り、彼は目の前の強敵に立ち向かっていった。
友情に差し込まれた非情な亀裂
ジョーカーズのマスターと光文明のマスター、互いに譲れない思いをぶつけ合いながらも、2人は少しずつだが分かり合おうと近づいていたのだ。
《煌龍 サッヴァーク》の強大な一撃にジョーカーズ達は次々と倒れていく。もはや誰もが光文明の勝利を確信していた。
だがそこには未だに立つジョーカーズのマスター、そして巨大な銃へと変身した《バレット・ザ・シルバー》を持つ《ジョリー・ザ・ジョニー》がいた。
____引き金は二度引かねぇ、一発が全てだ!
ジョニーが放った一撃は、裁きの紋章、光のクリーチャー、サッヴァーク、そして光のマスターを守るシールド、その全てを一撃で粉砕した。
この絶体絶命な状況の中、ジョーカーズは光文明に勝利したのだ。
そしてお互いに本気で戦い、そして思いを全てぶつけ合った2人にわだかまりはなくなった。
2人のマスターが歩み寄り、手を取り合う.........はずだった。
空に出現した亀裂が全てを壊してしまった。
亀裂は巨大な穴となり、クリーチャー達を次々と呑み込みだしたのだ。明らかな異変を感じ取った光のマスターは、ジョーカーズのマスターをこの場から逃がそうとした。
だがその穴からはとあるクリーチャーが顔をのぞかしていた。《卍 デ・スザーク 卍》....闇文明のマスターの切り札であった。
そのクリーチャーを見た光のマスターはすぐさまサッヴァークを召喚し、デ・スザークを打ち倒そうとしたが、穴から出現した黒い霧が全てを無に返した。残っていたクリーチャーも、ジョーカーズと光のマスターも、全て呑み込んでしまったのだ。
しかしサッヴァークの光の力によって守られていたジョニーだけは無事であった。サッヴァークは霧に呑み込まれる前に、彼に後を託したのだ。
自分のマスター、そしてマスターの大切な友人である光のマスターを取り戻すため、ジョニーはやつが出現した穴にシルバーと共に自ら飛び込んだ。
彼らの大切な時間を奪い去った元凶に怒りを覚えながら、その深い穴をジョニー達は突き進んでいったのだ。
時空を超えた出会い
ボルシャック・ドラゴンとコッコ・ルピアが霧の元まで向かおうとしたその時だった。突然上空から2つの穴が出現し、そこからガイアール・カイザーとプリンプリン、ジョリー・ザ・ジョニーとバレット・ザ・シルバーが現れたのだ。
突然の見知らぬクリーチャーの出現に、互いに警戒を見せる。だが最初に異変に気がついたのはジョニーであった。彼のいた世界ではドラゴンが滅びていなくなっている。だが目の前にはボルシャックとガイアールという2体のドラゴンがいた。
つまりここは過去の世界だと彼は気がついたのだ。
誤解が解かれかけたそのとき、目の前を覆い被さっていた霧が晴れて、ようやく中が見えるようになった。しかしそこの光景はあまりに異様であった。
ガイアールやジョニー達、未来から来たクリーチャーからすれば、歴史に名を連ねたことがあるクリーチャーの出現である。しかしそこには同様の違和感があった。
奴らは彼らの知っているソレとは全く別物になっていたのである。
時代を超えた覚醒
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