でいりぃ・ふぃじる本部には『逆転昔話!~歴史の矛盾に異議あり~』と書かれた看板が掲げられている。
中に入って目につくのは、壁にかけられたパネルやタペストリー。
積み上げられた童話に寓話に神話などの解説書や奇書珍書。
それら、
博物館や図書館から借りだされた多くの展示物は、独自の解説付きで区分ごとに分けられていた。
部屋の一角はカーテンで仕切られていて、現在のでいりぃ・ふぃじるの活動は、そのスペースで行われている。
中では次々に届く情報を元に、今後の行動について激論が繰り広げられていた。
と言っても、他の生徒は出払っているのでユリと編集長の間でだけなのだが。
ユリ「猫耳メイド喫茶の爆発なんかホントにすごい威力だったんだから!
これはきっと魔法学園への大規模テロ計画だよ!
早くみんなに放送で警告しないと被害者がどんどん増えちゃう!」
編「う~む。それはそうですが、そうすると副会長の演説が問題ですなぁ。
あの嘘は学園祭のお客様をパニックにしないための作戦だったに違いありません。
慌てて報道すれば、生徒会の苦労を無にしかねませんぞ」
ユリ「でもでも!そんな事を言っているうちにも被害は広がってるんだってば!」
そう言ってユリが指差す黒板には、他の報道員からの連絡が次々と自動で書き込まれていく。
その中にはもちろん、中庭近くで犬型モンスターの襲撃があり、複数の負傷者がでた事も含まれていた。
ふ~むと何事か黒板を眺めて考えていた編集長は、新たに増えた情報を見てユリに声をかける。
編「どうやら生徒会以下有志のみなさんの活躍で、中庭の騒ぎは収まったようですぞユリくん。
中庭のことは近くにいる報道員にお任せして、ユリくんには緊急にこちらの取材を頼みたいですぞ」
編集長が指示棒を伸ばして指し示した場所には、博物館からの情報が書き込まれている。
【博物館内で破壊活動の疑いあり。現在、動かずの黄金戦車が行方不明中】
ユリ「ええーっ!?動かない戦車がなんで行方不明なのさ!?」
編「ムウ大陸への道が開けると言われる文化祭の日に動かずの戦車が行方不明。
これは犬の襲撃と同じく重大事件ですぞ。
後のことは我輩に任せ、ユリくんは即刻博物館に飛んで下され!」
下された指令に、驚いていたユリもビシッと背筋をただして敬礼を返す。
ユリ「わかりました!不肖ユリ・オオヤマ、早速博物館に情報収集に向かいます!」
ユリがデッキブラシに飛び乗って出発した後、魔法学園の敷地内に編集長の声で放送が聞こえた。
放送『あーあー、おほん。
こちらはでいりぃ・ふぃじる編集部であります。
現在、一部の場所で魔法障壁が無効になる不具合が発生しておるようです。
原因が判明するまでは、魔法障壁を過信して無茶をされないように注意してくだされ。
以上、でいりぃ・ふぃじるからの、学園祭を楽しむワンポイントアドバイスをお送りしましたぞ』
最終更新:2008年11月26日 17:40