リリアーナは女子寮の自室の前に立っていた。
変装したクロウは今、花魁である。
あと、声を出せばばれると思ったので、リリアーナの部屋の前に来るまでまったく喋っていない。
リリ「さあ皆、早く入って入って」
クロ(本当に、何やっているんだろうな・・・
外に漏らしちゃいけないんだったら俺が異次元空間作ればよかったんじゃん。 今更遅いけど・・・)
ミル「おじゃましまーす」
皆が通された部屋は、二等過程の生徒には珍しく相部屋だった。
壁には一面びっしりと封印術式が彫り込まれており、そこら中に香炉や御札が張ってある。
家具も独特なものが多い。
足元には豪華なペルシャ絨毯が鎮座しているかと思えば、ベッドにはキルトがかかっている。
リリ「そっちはアルのスペースなの。危険だから私物には手を触れないでね」
クロ「アルナワーズの持ち物か・・・」
マオ「そういえばお前はあいつと同居しているんだったな?」
リリアーナはティーセットを持って戻ってくると、
リリ「食らえ!ホット!」
といってポットに熱湯を注いだ。部屋に紅茶のいい香りが立ち込める。
クロ「そう言う魔法も便利だよな。」
実を言うと、俺は時間や空間を操作する魔法以外現状で使用することはできない。
そう言った魔法を使うには抑制を解除するか、インディフィニティバスターのMCSを使わないといけない。
(お札などを見て)
マオ「おいなにか危ないものでも飼っているんじゃないだろうな?」
ミル「アルナワーズと相部屋ってだけで十二分に危ないでしょ、いろんな意味で。
あ、リリアーナ。あたしはホットミルクもらってもいい?」
適当にマオに合いの手を入れつつ、ミルクはリリアーナから飲み物を受け取った。
リリ「じゃあレベッカさん、ここなら邪魔は入らないわ。詳しいお話聞かせてもらっても良いかな?」
クロ「あまりこの恰好を続けたくないんでな、なるべく手短に頼む。」
リリ「キモノってとっても綺麗だけど、すごく重そうだもんね」
レヘ「あーよ。後で俺が脱がしてやるからな(笑)」
クロ「自分で脱ぐことぐらいできる!!」
リリ「そういえばキモノって脱ぎ方にも作法があるらしいね。
誰かに帯を引いてもらって、こう、コマみたいにくるくる回って・・・・・ちょ、それ熱いよ!!」
リリ「はい、マオマオ。そっちの小さい子にはミルクだよー。熱いから気をつけてね」
リリアーナはにこやかに紅茶とミルクのカップを渡した。
ヴ「うぅー…」
ミルクを勧めてくるリリアーナへの警戒を強める
ヴァンエレンであった。
リリ「あれ~?もしかして吸血鬼君はミルク苦手なのかな?紅茶がよければそう言ってね~」
ちなみに、マオにまだ叱られていないリリアーナは、子供が迷子になったのを知らない。
だからいつもと全く同じ能天気な態度だった。
リリ「それとマオマオ、安心して。私は別に危険なペットとか飼ってないよ~」
身の内に猛獣(なんて生易しいものではない)を飼っているのは、同室のアルナワーズだ。
だがそんなことを他人に話せるわけも無いし、話そうとも思わない。
リリ「ちなみに封印術式の類はアルの・・・まあ趣味みたいなものよ。
まあ、インテリアみたいなものね。多分、盗聴されるのを防止するためじゃないかな~?
あ、誰か来たみたい。ちょっと待ってて」
リリアーナが部屋のドアをあけると、外にはギズモが立っていた。
「皆はカプセルの中?ありがとうギズモ、助かったわ!さあ、入って入って!」
ギ「うんv」
と一言うなずいてフリージアを引き摺りつつ部屋の中に入るギズモ
マオ「ヴァンエレン、はいあーん」
ヴ「う~♪」
マオは紅茶と一緒に出されたビスケットをヴァンエレンに食べさせながら話を聞く。
ヴァンはおやつとして出されたビスケットとミルクはお気に召したようだ。
レベッカは、リリアーナが注いでくれた熱い紅茶をぐびっと飲み干すと(!)話を始めた。
レヘ「こいつは中つ国で約100年から200年くらい前に起こった出来事だ。
当時、皇帝-つまり王様みてーなもんだが-の護衛として十字官という役職があった。
十字官は多大な権限を持っていたが、それを悪用し、しだいに官位を金で売りさばくようになった。
詐欺師や泥棒が出世し、心正しき者が牢につながれる時代が来ちまったのさ。
十字官達は自分の縁者を高位につかせ、領民達から税を搾れるだけ搾り、財を蓄えるのに精を出した。」
クロ「典型的な濫用の例だな。」
そこまで話した後、急にレベッカの顔が赤くなった。
レヘ「あちちちちちちっ!」
どうやら一気に飲み干した紅茶が、今さら熱いと感じたようだ。
フリ「・・・・・・私のターンドロー!!っは!?夢ですの?」
やっと再起動を果たしたフリージアさん・・・・いったい何の夢を見ていたか謎である
フリ「何が何だかさっぱりだけど・・・・とにかく良しですわ」
リリ「だから熱いって言ったのに・・・・・・大丈夫?辛いならフリージアに氷出してもらう?」
フリ「何も遠慮する事はありません事よ!お~ほっほっほ!!」
何故か意味も無く偉そうなフリージアさん
さて、喉の熱が冷めたあと、レベッカは話を再開した。
レヘ「無論、十字官を討とうとする者が現れたが、誰も十字官を倒すことはできず、
それどころか酷い拷問を受けて殺された。十字官が、強力なビスケットだ。」
クロ「はい?」
見ると、レベッカは紅茶と一緒に出されていたビスケットをかじっていた。
レヘ「うまいよな、これ。俺のお気に入りなんだ。」
クロ「…とりあえず続けてくれ。」
レベッカはビスケットを食べ終わると、再び話を戻した。
レヘ「十字官は、強力な魔法使いだったんだ。
しかし、奴らも運が悪かった。当時とある人間の里に、ゲロロという妖怪が住んでてな。
十字官の手下がその里に押し入り、ゲロロに害をなそうとしたわけよ。
それに怒ったゲロロの姉は、人間のふりをして後宮に入り、
妖艶な美貌と妖術を使って、ついに皇帝の妃になっちまった。
お前らも歴史で習ったんじゃねーか?かの有名な天皇后の事だよ。わははははははっ!!」
突然レベッカが大笑いした。
レヘ「…いや、何も笑うこたーねーよな。」
レヘ「んで、その天皇后が何をしたかというとな。要は十字官を誅殺しろと皇帝に頼んだのよ。
そんでもって、実際その通りになった。天皇后の呼びかけに、多くの妖怪が集まった。
十字官達に勝ち目は無かった。
王宮で侍っている奴らに対して、妖怪はあきらかに“地の利”で勝っていた。
そして、十字官は重税をかせられた領民達に恨まれていた。“人の利”も妖怪側にあった。
最後に“天の利”だ。魔法使いは、内に秘めた魔力が強いほど妖怪を察知できなくなる。
メイファが暴れた時、学園長がすぐに現場に現れなかったことからもわかるだろ?」
レベッカがポンとひざの上を叩いた。
レヘ「こいつが第一次文化革命の真実だ」
マオ「ふーん、それで?それは分かったけどなんでこの学園に妖怪がやってきたんだ?
ここにその十字官の生き残りでもいたのか?」
リリ「ゲロロって名前、ついさっきどこかで聞いたような・・・?」
ミル「そうそう。聞いてた話だと、悪の魔術師が倒されてめでたしめでたし。
ハッピーエンド万歳って感じの話じゃない。
悪事を働いてるわけでもない学園長が、なんで第三次文化革命を恐れなきゃいけないのよ」
リリ「そう言えば学園長室での話だと、メイレンって人がメイファをけしかけたかもしれないのよね?
一体メイレンってどんな人なの?聞いた印象だと、偉い人みたいな感じだけど?」
レヘ「もう、服を脱いでもいいぞ野郎共。全部脱いだらベッドの上で横になりな。」
レベッカは室内にいる女装した男性陣にそう促した。
クロ「誰が脱ぐかこんな所で!!」
リリ「は?ダメよレベッカさん、今脱いだら外に出る時困るじゃない」
フリ「何でベットの上で横になる必要があるのかしら?」
ギ「僕に聞かれてもわかんないよ?」
レヘ「なんだと?先にこっちが脱がねーと、やる気になんねーってか?」
フリ「いったい何をやる気になるのかしら?」
ギ「僕に聞かれてもわかんないよ?」
レベッカはいそいそと服を脱ぐ準備を始めた。
クロ「うわ、ちょっ、まて。」
ミル「誰がいつそんな事言ったよ!?
てかいきなり脱ぎ出すなこの変態!」
マオ 「な、なにしているんだ!!変なことしてるんじゃない!!お前は色情魔か!!」
レヘ「へへへ、もっと言ってくれ。…じゃねーだろ。」
慌てて止めようとするみんなの声に従ったか、レベッカはとりあえず動きを止める。
レベッカはムッとした様子でマオに言った。
レヘ「俺は文化革命の事を教えてくれと頼まれたから教えたまでた。
それと今回の事件の関連なんて俺が知るわけねーだろ。
妹様がおかんむりの理由はメイリンに聞けばわかるんじゃねーか?」
ミル「メイリン…って、どこかに行っちゃったじゃない。
そりゃルズもついてるけど、いつ合流できるかわからないわよ」
クロ「だからと言って脱ぐことはないだろ。」
レベッカは、マオの側にいるヴァンエレンに目をつけた。
レヘ「可愛いね、坊や。俺の側に来いよ。大人の女がどういうもんか教えてやんよ?」
ヴ「ぽえ~ん?」
よくわからないヴァンエレンは頭をかしげてはてなと状況を飲み込めずにいる。
マオ「残念だったなこいつは僕のだ、てか子供を口説くんじゃない。変態め!」
ヴァンエレンはじっとレベッカをみていたかと思うと、不意にレベッカに向けて指をさす。
ヴ「ちゅ~ごく?」
マオ「そうだヴァン、あれがちゅーごくだぞ。よく分かったな、偉い偉い」
とりあえず意味は分からないが適当に褒めてレベッカを一緒になって指さす。
フリ「あれがショタコンっていうものですのね」
ギ「駄目だよお母さんそんな珍獣を見るような目で人を見ちゃ」
レヘ「後で覚えてろよ、てめーら(笑)」
リリ「わー!!レベッカさん子供をからかっちゃダメよ!あなたはまだおっぱい出ないんだし!」
そういう問題ではないのだが、リリアーナも相当焦っているようだ。
リリ「それに話はまだ終わってないわ。今のは第一次文化革命の裏事情でしょう?
学園長が危惧していたのは第三次。つまり、第二次文化革命もあったんでしょう?
その辺もきっちり教えてくれないと!!」
マオ「そうだそうだ、話はまだ終わってないぞ!リリアーナの癖にいいこと言うじゃないか!」
ミル「そうだよ!それからメイレンって妖怪のことも教えろ!
強力な魔法使いほど妖怪を察知できないとか言ってたけど、学園長とか大丈夫なんだろうな!?」
リリアーナは上ずった声で早口に告げると、レベッカの服を脱がせないよう胸元を押さえようとする。
が、あまりに焦ってためか、勢い余ってレベッカの胸を押す形になってしまった!
ばいーん!
押し返された圧倒的質量に、リリアーナは雷に撃たれたような衝撃を受けた。
どう触ってもダイナマイトバディです本当に(ry
リリ「・・・・・・さ、詐欺だ・・・・・・」
ミル「詐欺!?詐欺ってなに!?とにかく誰でもいいからレベッカが脱ぐのを止めろーっ!」
フリ「行きなさいギズモちゃん!あなたに決めましたわ!!」
ギ「相手はショタコンだよ!食べられちゃうよ!!」
かな~~~~~~~~~り嫌がっているギズモ
もうわちゃくちゃである
レヘ「サギじゃーねえ。スズメの話だ。」
レベッカはリリアーナの手を自分の胸により強く押し付けながら話した。
クロ「いつ鳥の話に変わったんだよ。」
ミル「誰も鳥の話なんかしてないっての!
とにかくあんたは 脱 ぐ な!!」
リリ「わー!!レベッカさん何するのよー!」
レヘ「しゃあねーな。そんじゃ、第二次文化革命の事を話してやんよ。メイレンの事もな。
つーか、メイレンを抜きにして第二次文化革命の説明ができねーんだよこれが。」
マオ「メイレンにメイリンにメイファか、メイのバーゲンセールだな」
レヘ「ある時、皇帝がスズメを指差して言ったんだ。『害鳥だ』ってな。
スズメってのは、よく稲の種子を食っちまったりしてたからな。
ともかくそのせいで、中つ国全土でスズメ狩りが始まっちまった。
スズメ狩りに参加したのは当時の魔法使い達だ。
まあ、魔法使ってドーンとやれば、スズメなんざ簡単に駆逐できるだろ?」
レベッカは若干嘲笑するようにそう言った。
クロ「そりゃあ、強力な広範囲魔法を使えば簡単だろうけど・・・」
レヘ「だがそのせいで、ある強力な妖怪から魔法使い達は怒りを買っちまった。
それこそが、さっき話した天皇后の実の母親、メイレンだ。
そんでよ…こっから先の話は俺の口からは恐ろしくてとても言えねーよ。
ともかく、メイレンのせいで、当時の中つ国は魔法使い達にとっての死の大陸になっちまった。」
クロ「おいおい、親子で革命起こしてんのかよ。」
レヘ「それだけじゃねーよ。魔法使い達が激減したせいで、国家としての軍事力は大きく後退した。
中つ国の広大な量の土と水を前に、西方列強がただ指をくわえて見ている筈がねえ。
中つ国がこれから栄える筈だった“栄光の100年”は、西方の侵略で消えちまったよ。」
レベッカは、やはり最後の言葉を嘲笑するように言った。
どうやら、レベッカは若干ながら、魔法使いと西方に嫌悪感を抱いているのかもしれない。
レヘ「皮肉なもんだよな。西方の文化を一掃するための革命が、
結果として西方列強の侵略を助ける事になっちまったんだから…」
クロ「確かに、当時は互いの文化を排斥し合って自分の文化を押しつけていたからな。」
クロ(逆に今は他文化を受け入れようとする動きがあるから交流できるんだよな。
- そう考えるとジッチャンは時代を先取りしていたのだろうか? )
マオ「これだから皇帝だの帝王だのの専制君主政はどうしようもないんだ
まあ僕ほどのエリートだったらそんな雀は害だから絶滅させろだなんて間違っても言わないし
国を運営していくほどの頭脳も力も持っているだろうけどな!!」
リリ「だ、大体その天皇后様とやらは何で皇帝を止めなかったのよ~?
スズメ狩りなんかやらかしたら母親が怒り狂うことくらい、最初から予測できたでしょうに。
それといい加減手をはーなーしーてー!!」
リリアーナは顔を真っ赤にしつつ、必死で自分の手をレベッカの胸から引き剥がそうとしている。
ミル「てか今の話じゃ悪いのは、魔法使いじゃなくてバカ皇帝じゃん。
メイレンも恨むんなら皇帝を恨めばいいのに」
良かれと思ってやったことが裏目にでたなんて、まあ確かに皮肉な話だけど。
害鳥を退治するつもりが魔法使いが退治され、中つ国の文化を守るつもりが文化を停滞させ。
両方の引き金引いた皇帝は最悪だな。
クロ「高官が愚かだったら皇帝も愚かだったんだろうな。」
ミル「それで?学園長は大丈夫なの?
魔法使いなんだから恨まれるんじゃないの?」
レヘ「お前らの学園長なら大丈夫じゃねーか?学園長とメイレンなら実力的に“とんとん”だろうよ。
それに、メイレンは敬意さえ払えば怒ったりしねえ。
メイレンは魔法使いそのものを嫌ってるわけじゃあねーからな。」
クロ「というか魔法使いそのものが嫌いだったら西方列強が侵略してきたときに攻撃しているだろ。」
ミル「ふーん、そうなんだ。…けっこうまともな妖怪なんだね」
安心していると、ドアがドンドンノックされた。
ユリ「リリアーナいるー!?レベッカさんのお客が来てるよー!!」
ミル「ん?ユリの声だ。
なんでユリがレベッカの客をつれてきてるんだろ?」
レヘ「噂をすればなんとやらだ。早速メイレン様のおでましかもよ?」
ミル「いや、メイレン様とやらは中つ国に居るって言ってただろ」
マオ「まあ、どうやら今回はメイファ?だったっけか?
そのメイなんちゃらと愉快な仲間たちの内輪のことだし、
それに終わったときに事件場所に来た僕は関係なさそうだから行かせてもらおう。
ヴァンも行くぞ。お腹が減ったろ?クッキー以外に何かおいしいものでも食べに行こう」
リリ「あ、はい!どうぞ中へ・・・・・・・うわっ?!」
突然リリアーナの手がレベッカのそれからすっぽ抜けてしまった。
勢い余ってリリアーナはよろよろっと後ろによろめく。
そこに運悪く、フリージアからけしかけられたギズモが立っていたからたまらない。
リリ「きゃあああああ?!」
キス「なんとぉぉぉぉぉ!?」
フリ「このままでは私も巻き込まれますわねぇ・・・・氷結根!ロングポール!!」
巻き込まれるのを回避するために無駄に新技を使うフリージア 。
リリアーナはギズモとヴァンエレンを抱き寄せて部屋を出ようと立ち上がったマオを巻き込み転倒した。
マオ「くっ…いきなりなんだ。おい三流!僕の上からどけ!!
まったく何でお前はいつもいつも僕の邪魔をするんだ!!」
ミル「リ、リリアーナ!?大丈夫!?」
はずみで、使い魔カプセルに収納されていた副会長とスクナまでが外に飛び出す!
そして辺りに広がるショッキングピンクの布。
スク「やはりここに蛍光グリーンのフェイクファーに腰の辺りに孔雀の羽などどうじゃ?ん?」
宝塚の衣装も裸足で逃げ出すようなケバケバしい服に飾り付けをしていたスクナが辺りの異変に気付く。
この二人、使い魔カプセルの中で回復した後意気投合し、マオのニュージャージを繕っていたのだ。
東方の格言に【タイマン張ったらダチ!】というものがあるが、マオのジャージを作ったのが副会長だったという事も意気投合に一役買っていたのは言うまでもない。
ユリ「おじゃましま~す!
むむむ!なぜに女子寮に副会長や王様が!?
極秘会談!?密会!?談合!?」
ルス「ふ・・・不潔ですわ~フリージア女王様というお方がありながら~☆ 」
リリ「ち、違ーう!!メイリンさん、それにユリさんまで・・・その・・・これには色々と事情が・・・・・・」
ルス「リリアーナがその気ならもうわたくしも遠慮しないのですわ~!とうっ!!」
ルズはメイリンの肩から飛び降りると、猛ダッシュでフリージアの胸に飛び込もうとする!
胸の谷間に突っ込みべっとりと張り付くルズ
もしかしたらフリージアの色々出てくる胸の谷間の秘密が見えたかもしれない
具体的に言うと胸の谷間にある謎の刺青がである
ルス「ぱふぱふ♪ぱふぱふ♪ぱふぱふぱふですわ~ん♪・・・・・んにゃ?」
ルス「何ですの~このほくろは?」
ルズ、それほくろとちゃう、刺青や!
ミル「んなとこに突っ立ってないでさっさと中に入れバカユリ!!」
慌ててミルクはユリを室内に引きずり込み、顔だけ出して廊下を確認した。
幸い、文化祭中なので人気もない。
バタンとドアを閉めたミルクは、次にユリの口封じを考える。
マオは誰にさよならを言うわけでもなく部屋を出ようと起き上がりヴァンエレンを抱っこする。
しかし、そうはうまくいかない。今度はあの自分が王だとか言っているおかしいやつが割って入ってくる。
スク「おお?何じゃここは?
リリアーナ、ミルク!余をおってくるとは愛い奴め。
安心せい、リリアーナだけでなくミルクも平等に愛でてやるぞ。」
辺りを見回しカオスな状況に驚きつつも、リリアーナとミルクを見つけ能天気に喜ぶスクナ。
マオ「……?もしかして側室にしてやるとか言わないよな?
そういうことはミルクとかとずっとやっててくれ」
レヘ「俺にも食べさせろ~」
と空気を読まないレベッカがダイブしていった
ミル「いい?ユリ。今この中では、大変プライベートでプライバシー保護な重大会話が進行中なんだよ。
他人様に迷惑かけないためにも、ここで見聞きしたことは絶対他言禁止な」
ユリ「公表禁止?アイアイサー大佐!
取材によって得た情報の守秘義務は厳守するであります!」
ビシッと敬礼して返事を返すユリ。うん。
クロ(ミルクGJ!!
これで『でいりぃ・ふぃじる』に載ることを避けられるぞ。)
ユリ「ところで、大変プライベートでプライバシー保護の事ってあれ?」
リリアーナは床の上で亀のようにじたばたしていたが、やがて力尽きたようにぱたりと動かなくなった。
リリ「お、重い・・・・・・誰か助けて・・・・・・」
ミル「あれはただの事故だよ事故!
ほらほら、みんなリリアーナの上からどいてどいて!」
リリ「痛たたた。皆、ごめんね・・・・・・あれ?」
上に乗っていた重いものが退かされほっとしたのもつかの間、今度はリリアーナの体が宙に浮いた。
リリ「ちょっと!降ろして!降ろしてってばー!!」
スクナは倒れているリリアーナを抱き起こし、片手で抱きながら部屋を我が家のように無遠慮に進んでいく。
その先にいたのは・・・マオ!
スク「おお!まさかモデルがここに居るとはまさに運命!
マオじゃな、クロードから聞いたぞ。期待の新人というではないか。
まだ仮縫いじゃがクロードとの合作じゃ!さあ、着てみてくれ!」
マオ「……………………」
もう言葉が出ない。副会長は親指を立ててこっちに笑いかけているし
ユリ「これは!シュールでアバンギャルドな芸術作品だね!
マオの固ゆでイメージを粉砕する、いわゆるナイスな選択だよ!
絶対似合う!きっと似合う!間違いなし!!」
スク「おお!そちもわかるか!じゃが見た目だけではないぞ?
ここのボタンを押すと腰の羽根が広がっての、こちらのボタンで電飾がついてこの通り!
しかも補助布筋をふんだんに使っておるから通常の13.5倍の筋力を発揮できるのぢゃ!」
マオの戸惑いも何のその。 ユリの賛同を得て嬉しそうに説明を始めるスクナ。
マオの表情に気づいたリリアーナは、慌てて間に入ろうとした。
リリ「そ、そんなしょっちゅう服を贈られたら、一人だけ特別扱いみたいでマオマオ困るんじゃないかなー。
えっと・・・そうだ、ツイナさんに着てもらうっていうのはどうかな?・・・って!いい加減おーろーしーてー!!」
スク「わっはっは!これはクロードとの合作、いわば生徒会からの支給というものじゃ!
安心せい、リリアーナとミルクには余の妃に相応しい衣装を繕ってやるぞ?
ツイナは余とは趣味が違うから気にせんでもよいわ。」
高笑いと共に何気に言い放つ言葉は、この後にマオへの衣装以上のものが控えている事を予想させるだろう。
マオ「支給品…………支給品」
マオ(支給品ってこんな呪われたアイテムをさしていたっけ?
しかもこっちがいるかどうかも答える前にこっちに押し付けてくるし……
副会長はまるでさあ早く着てくれとでも言わんばかりだし… )
有無を言わさずマオにジャージを押し付けるとリリアーナを膝に乗せてスクナは席に着く。
だが今までの話を聞いていなかった為、紙の上で繰り広げられる説明についてはさっぱり理解できなかった。
というか、興味を持つ様子は無かった。
それよりもリリアーナを抱っこしている感触に夢中なのだ。
ユリ「そう言えばリリアーナもいつもと違う服着てるね。
猫耳メイド服も似合ってたけど、執事服も似合ってるよ。
そうだ!このジャージ、リリアーナが着ても似合うんじゃないかな!
フリージアもそう思わない!?」
意気込んでフリージアにそう聞いたユリは、ギズモを見て急に黙り込んだ。
その視線がマオの側にいるヴァンエレンと、フリージアの側にいるギズモの上を行ったり来たりする。
ユリ「もしかして……マオとフリージアは隠れショタリアン?」
フリ「って!誰がショタリアンですの!誰が!!」
ルス「いや~ん!」
フリージアの手で胸から引っぺがされたルズは抗議の声を上げた。
ユリ「えー?でも可愛い男の子を連れ歩くのは、ショタリアンの特徴だよ?」
ショタリアンとは、幼い少年を愛する人々の集まりを指す。
その中でもショタ愛を公言していない人は隠れショタリアンと呼ばれる。
フリ「この子がどうしてもって言うから仕方なくこの姿にしてあげてますのよ!!」
ユリ「そーなの?」
情報確認は当事者からと考えたユリは、金髪美少年に聞いてみる。
ギ「だって美少年なら何やっても許されし女の子にも、もてもてになれるでしょ?
ちなみに僕はたとえショタコンであろうが綺麗なお姉さんなら問題無しだよ!」
ルス「それは間違っていますわ!わたくしは男だったらたとえ美少年であっても許さなくてよ~。
女装するくらいの気配りがあれば、まあ話し合いの余地は無くはありませんけれど~」
え~っ!?という顔をするギズモ
どうも理解の範疇を超えているようだ
ちなみに、ルズはまだケオスとクロウが女装している事に気づいていないようだ。
ギ「でもいくら綺麗でもお母さんはお母さんだから問題外だよ!」
フリ「だから私はショタリアンじゃないと言ってるでしょうが!」
ユリ「なるほど!それなら仕方がないね!
そういえば、お母さんって言ってるけど、この子もしかしてギズモ?
うわー!ギズモって人間になれたんだね!」
ようやく美少年の正体に気づいたユリは、ギズモの頭をなでなでした。
ギ「うんvお母さんに頼み込んで使い魔を人間にする魔法を覚えてもらったんだv」
まさしく魔法の才能の無駄使いである
フリ「どっちかって言うとダンディな小父様の・・・は!?」
母親と祖母を流行り病であるザラキ病で亡くし父子家庭で育ったフリージア
少しファザコン気味になってしまったのは致し方のない事かもしれない
ルス「ダンディな・・・何ですって~?」
ユリ「んん!?小父様がどうしたの!?」
一瞬、口を滑らせたフリージアに、ユリも敏感に反応。
フリ「お~ほっほっほっほ!今のは冗談!冗談ですわ!!」
必死にそれを誤魔化すフリージアであった
ユリ「なーんだ。冗談なんだ。
フリージアは小父様好きなのかと思ったのに、残念ー」
単細胞なユリはコロリと騙された。
ルス「あ や し い ・・・。
まさか!レオ先生を巡ってベアトリーチェ様と火花を散らしているという噂は真実ではっ?!」
ルズはギズモのほうをじろっとにらみつけた。目が獲物を狙う猫のそれと同じだ!
ルス「さあ吐け!今すぐ吐くのですわ~!!」
ギ「え~!?」
アイコンタクトでフリージアに助けを求めるギズモ
ユリ「むむむっ!そういえばその事をフリージアにインタビューしてなかったね!
フリージアはレオ先生と、師弟愛を越えて愛情が芽生えたりしてない?
誰にも言わないからこっそり教えてよー!」
フリ「お~ほっほっほっほ!それだけはありえませんわ!!」
妹と仲がよすぎる兄に女の子はすごく近寄りがたい物を感じる・・・まあそういうことである
フリ「レオ先生はあくまで師!それ以上でもそれ以下でもありませんことよ!お~ほっほっほ!!」
ルス「ですよね~ん。教師と生徒の禁断の愛なんて今時流行りませんわ~。
それに、女王様にはもっとキュートで猫みたいに愛らしい女の子がお似合いますわ~!!」
ギ「女の子同士なんて・・・・」
自分の理解の範疇を超える台詞に混乱するギズモ
フリ「私どうせだったら猫みたいな女の子より本物の猫ちゃんがいいですわ」
リリアーナを助け出した後、ミルクはメイリンに質問してみた。
ミル「メイリンは、メイファが魔法使いを攻撃した理由に心当たりはない?
なんか『魔法使いはみな死すべし!』とか言って攻撃してきたらしいんだけど」
レヘ「ミルク。」
レベッカがやけに真面目な顔でミルクに話しかけた。
レヘ「何かペンとペーパーをメイリンにやってくれ。
申し訳ねーが、メイリンは言葉を話すことができない。」
ミル「え!?そ、そうなの?ごめん、知らなかった……
誰か、書くもの持ってない?」
ミルクがキョロキョロ周りを見回すと、ムダにド派手な服を王様がマオに突きつけている。
ミル(あーあ、マオがオモチャにされてるよ可哀想に。
期待の新人と呼ばれても、モデルとしてか生徒会としてか分からないから嬉しくないだろ…
あの常識はずれの服では、常識人のリリアーナが止めようとするのも仕方がない。
あたしも助けてあげたいけど、今は紙とペンの方が必要なんだ、ごめんねマオ! )
心中マオに謝っていると、羽根ペンと便箋っぽい物がふよふよこちらに飛んできた。
ミル「はい。これでいいかな?」
あたしは飛んできた羽ペンと便箋をキャッチして、メイリンに手渡した。
ミル「そういや、スカーフェイスさん牛魔王って呼ばれてたけど、あれって役職名か何かなの?」
レヘ「いや、ただの愛称だろ。本名はファン・ジャン(黄件)だ。
知ってると思うが、メイリンとメイファは牛魔王の娘だ。
そして、牛魔王はメイレンの嫁な。」
レベッカはさらっと重大な情報を話した。
ミル「ふーん、牛魔王はメイレンの嫁ねえ……って聞いてないぞそんな話!
それに牛魔王がメイレンの嫁じゃなくて、メイレンが牛魔王の嫁だろ!
じゃあ何か?スカーフェイスさん、自分の娘と嫁が何してるか知らなかったのか!?」
こりゃスカーフェイスさんは、とんでもない放任家か恐妻家のどっちかだぞ。
『うふふ、心配ならさないであなた。
汚いネズミ(十字官のことね)は、私がひねり殺しておきましたから……』
とかメイレンが言い出したんで、怖くて頭が上がらないとかありそうだよな。
(86で〆)
最終更新:2008年12月22日 08:32