その頃、メイリンの背中にしがみ付いたままのルズは・・・・・・。
「あっ、あそこのナナツジまんじゅうはとってもおいしいんですのよ~」
「焼き鳥は召し上がった事はおありですの~?ここの塩は絶品ですわ~。
あ、焼きそばなどいかがです~?なんと献血すればタダで食べられますのよ~」
「メイリン様ぁ~。そろそろ皆のところに戻りませんこと~?
皆が向かった
リリアーナの部屋は、お菓子やお茶がたんまりあると聞いておりますわ~」
メイリンは学園の同じところをくるくると回っていた。
レベッカの言うとおり、メイリンは素直である。
だから、実はルズの説得も初期の段階で成功しているのだ。
しかし、悲しい事にメイリンは喋れないため、『あたいをリリアーナの部屋に案内しなよ!』
とルズに話すことができないのである。
ルズは気長にメイリンの気が変わるのを待っていたが、さすがに何か変だと思い始めたようだ。
ルス「ねえメイリン様ぁ、確か言葉はわかるのですわね~?
もし「はい」なら首を縦に、「いいえ」なら首を横に振ってくださいまし~」
メイリンは、自分はハイだと思ったので、首を縦に振った。
ルス「メイリン様はまだレベッカさまの事をお怒りになっていらっしゃいますの~?
もしそうでないなら、皆のところに戻りませんこと~?
きっと今頃、メイリン様のことを皆心配していると思うのですわ~」
ルズはメイリンに爪を立てないよう気をつけながら、背中をよじ登り右肩へと移動する。
ルス「ちなみにその角を右に折れてまっすぐ行くと、女子寮まで一本道なのですわ~」
メイリンは、ルズの言葉に従い歩き出した。すると、後ろから少女の声が聞こえてきた。
ユリ「やっほールズ!今日はスーと一緒じゃないの?」
メイリンの肩に登ったルズを見つけて、ユリは背後から声をかけた。
スクナと別れた後、ムウ大陸について考えるユリは、お腹が空いたのでまた屋台周りを食べ歩いていたのだ。
当然両手には戦利品の食べ物をたくさん持っている。
ルス「ユリ様!ええ、今日は別行動ですの~。
多分今頃、ネズミでも追いかけているんじゃないかしら~ん。
それにしても随分買い込みましたわね、まさかそれ全部召し上がるおつもりで~?」
ユリ「あ、この人見かけない顔だけど、留学生かな?
はじめまして。学園新聞記者のユリ・オオヤマです、よろしくー!」
ルス「ユリ様、この方はメイリン様ですわ~。中つ国からのお客様ですの~。
西方の言葉はあいにく喋れないそうですけれど、ちゃんと理解なさっておられますのよ~。ねえメイリン様?」
ユリ「女子寮がどうとか言ってたけど、もしかしてリリアーナと一緒にいたレベッカを探してるの?
レベッカなら、リリアーナと一緒に部屋に行くような事言ってたよ」
そこまで言ってから、ユリは人助けの名案を思いついた。
ユリ「そーだ!ちょうど私も女子寮の部屋に戻る所だから、リリアーナの部屋に案内するよ!
よーし、それじゃあリリアーナの部屋に出発だー!行くぞー!! 」
ルス「ええっ?そ、それはちょっと~」
ルズは慌てた。
ルス「え、えーとユリぁ、あのですね~、そうですわ、そもそもユリ様、事件の取材でお忙しいんじゃありませんこと~?」
ユリ「あ、たこ焼きがあるんだけど、食べる?
ルズもあーんして、あーん」
ユリは返事も聞かずにルズの口にたこ焼きを一つ放り込み、残りをメイリンに渡すと女子寮めざし歩き出した。
ルス「―――― っ!―――― っ!!!」
ルズは目を白黒させつつ、体中の毛をぶわっと膨らませて悶絶した。
どうやら相当熱かったようだ。
メイリンは、ユリに連れられ女子寮のリリアーナの部屋に移動する事になった。
道中にてメイリンがユリから貰った“たこ焼き”を食べ、首を縦に振りながら涙を流したのは言うまでも無い。
しかし、『かごめかごめ』の歌には、全くと言っていいほど関心を示さなかった。
ユリ「…というわけで、リチャードさん情報によると『かごめかごめ』の歌がムウ大陸への鍵になりそうなんだよね!
亀には私も心当たりがあるんだよ!
晃龍諸島魔法学園の学園長が確か亀だったはず!
もし学園長さんがすべって転んだりしたらもう間違いなし!」
道中自分の勝手な憶測を興奮気味に語りながら歩き、リリアーナの部屋に着く。
メイリンから返事が帰らないのは特に気にした様子もない。
ユリ「ここ、ここ。この部屋にいるはずだよ」
そう言ってユリは、空いている手でドンドンとドアをノックした。
ユリ「リリアーナいるー!?レベッカさんのお客が来てるよー!!」
リリ「あ、はい!どうぞ中へ・・・・・・・うわっ?!」
中で何かが倒れるような変な音が聞こえてきた。
ルス「何事ですの~?」
最終更新:2008年12月13日 09:44