アットウィキロゴ

第2部:保健室~ギルハート登場~学園長室

夕刻。保健室。
イレブンに切り付けられ負傷したリリアーナが目を覚ます。

(枕の下でカサリと音がする。小さく畳まれた手紙が入っている)
リ「なんでこんなところにロックの手紙があるのよ・・・」

手紙の内容。
『親愛なるアンジェリーナへ
お手紙ありがとう。卒業試験は一昨日無事に合格しました。
しかし、俺が合格したのは三等過程、先はまだ長いです。

あなたの手紙の内容に疑問があります。
俺が多重人格者、というのはどういう事ですか?
出来るだけ早く返事をください。
ロックより』

(リリアーナ、他人の手紙を読んだ罪悪感に苛まれる。
なぜここにロックの手紙があったかは、フリージアが説明してくれるだろうと考えている)
リ「ロックが多重人格って・・・どういう事なのかな・・・?」

(保健室のドアが開く。女医登場)
リ「・・・誰?」
女「あ。リリアーナはんやね、目が覚めてよかったやね。
 レオ先生から襲われたと聞おったけど、怪我の具合はどないやろか?」
(リリアーナ、昨夜のことを思い出す)
リ「あ・・・・・・・あ・・・・・・・・」
女「大丈夫やろか?熱でも――― 。」
リリアーナ錯乱、その後女医の処置で気絶。

――――――――――――

(保険室前でロック、レオ先生に会う)
ロ「…先生、それは何ですか?」
レ「これはトジロゴマの種だよ。珍しい植物だ。学園の裏手にある森に生えてる。」
レ「リリアーナが昨日襲われたのは聞いただろ?傷が後々残らないようにするのさ。女の子だからね。
この種を砕いて、出てきた粘液を傷口にすり込むんだ。たちまち傷口が塞がる。」
ロ「あなたがすり込むんですか!?」
レ「いやいや、今日は女医さんを呼んでいるから、彼女がする。
そんなに怒ることないだろう、ロック君。」
レ「…入りたいかね(笑)」
ロ「いいえ!」

――――――――――――

女「ちびっとは落ち着いたんやか?」
リ「あ・・・・・・はい。・・・すみません、ちょっとびっくりしちゃって・・・痛っ・・・」
女「暴れたから傷口が開いてしまおったんや、まあ今レオ先生が傷薬を取りに行ってんねんで。
 くすりをつければすぐに良くなるやろ。もうちびっと寝て待ちまひょね?」
リ「・・・はい。すみません・・・」
女「あんはんもえろう災難やったね。でも心配いらへん。
 変質者が使うたっちゅう迷彩魔法は、昼の間は透明にはなりまへん。
 だから近づいてきたらすぐにわかるんやよ。
 保健室は安全やし、何よりわいがついておる。だから、そんな心配せんでくれんかの?」
リリアーナ、かすかに頷く。

レ「リリアーナは起きてるかね?」

――――――――――――

(トジロゴマでの治療終了)
女「お友達、あんはんの着換えを持ってきてくれたみたいやね」
レ「もう良いかね?リリアーナ、お客さんだよ」
(女医がカーテンを開ける。戸口にレオ先生とロック)

リ「えへへ・・・ちょっとドジっちゃった」
リ「ロック、あなたもお見舞いにきてくれたの?ありがと。でもお土産は~?」
リ「まあ良いわ。手ぶらなのは許してあげる。
 それよりロック、あなたずいぶんと顔色悪いけど大丈夫~?
 とりあえず私は、レオ先生のお蔭で治ったから全然心配ないわよ?」
リ「わかった。ロック君がそーんなにリリアーナ様のこと心配なら、特別に治った傷口見せてあげる。
 トジロゴマの威力ってホント凄いのよ~!」
(冗談でブラウスのボタンに手を掛ける)
(ロックの鼻から鮮血が噴き出した。鼻を手で抑えながらモガモガと抗議する)
ロ「バガ!わがっだからやめろ!」
ロ「リリアーナ、襲った奴の特徴を教えてくれるか?とても大切な事だ。」
ロ「そいつはイレブンだ。」
ロ「リリアーナ、俺の意識がどれだけもつかわからない。だからよく聞くんだ。
俺の部屋は男子寮の69号室だ。机の引き出しの上から2番目に小さな箱が入っている。
それがマリアベル―俺の親の仇の事だ―を倒すための“武器”になる。
もし俺と戦う事になっても…いいか?絶対に遠慮するな!」
リ「ロック待って、言ってる意味が全然わからない。何故私があなたと戦わなきゃならないの?」

(ロックはリリアーナの目前で“変身”した。
今リリアーナの前にいるのは車椅子に乗り、膝の上に黒猫を乗せた老人(ギルハート)である)
ギル「石になれ!」
(異変に気づき駆けつけたレオと女医、石にされる)
ギル「君に偶然出会えた事は実に幸運だったよ。」
リリアーナはショックで言葉が出ない。老人はそれを察し話を続けた。
ギル「私の名はギルハート、悪魔信者の一人だ。君はリリアーナだね?
  知っているよ、ここ数ヵ月ロックの心にはいつも君がいたからね。
  私も君が襲われたところを“中から”見たよ。
  私は心が踊った。私は君にずっと会いたかったのだからね。
  私は怪我をした生徒がどこに運ばれるか知らなかった。しかし、それはたいした問題ではなかった。
  なぜならロックが知っているからだ。人格を解放されたロックは案の定君に会いに来た。
  それがかえって君を危険にさらすと気付かずにね。」

リ「・・・マリアベルって誰?イレブンとあなたは、ロックの何なのよ?
 ねえ、ロックをどこに連れて行ったの?―――― 返して、ロックを返してよ!」

ギル「説明は終りだリリアーナ。君には“鏡の部屋”に案内してもらう。
  君が三ヶ月前、試験終了の時訪れた部屋だ。
  選択の余地は無い。従わなければこの二人は石のままだ。」

リ「・・・私が道案内したとして、あなたがレオ先生たちを元に戻すという保証は?」
(窓の外のフリージアに気づいたギルバートは、また杖を振ろうとする)

リ「止めて!フリージア逃げて!」
( リリアーナ、ギルハートの杖に飛びつく)
リ「止めてギルバート! 卒業試験合格の時に入った部屋に案内すれば良いんでしょう?
 わかったわ、連れて行ってあげる。だからこれ以上ひどいことしないで!」

ギル「ありがとう。」
ギルハートは笑みを浮かべた。リリアーナは鏡の部屋へ向かおうとした。
ギル「待ちなさい。」
ギル「車椅子を押して行ってほしいのだが…」
(リリアーナは渋々だが老人を乗せた車椅子を押した)
ギル「君には家族がいるかね?」
リ「ロックなら知ってるんじゃない?」
ギル「今から私は君のおじいさんだ。」
ギル「車椅子を持ち抱えて上がる必要は無い。」
杖を振ると階段はたちまちただの坂道に変わった。
ギル「さあ頑張れ、若いの。」

(リリアーナ、階段の踊り場でへたり込む)
リ「も・・・もうだめ・・・ちょ・・・ちょっと休ませて・・・・・・」
リ「・・・どうしてロックの人格を解放してまで私に会いたかったの?
 こうやってあなたの車椅子を押させるため?」
リ「鏡の部屋に行って何をするつもり?
 案内してあげるんだから、聞く権利くらいあるわよね?」
リ「あなたは今私のおじいさんなんでしょう?だったら可愛い孫娘の質問に答えて。『おじいさま』」
ギル「鏡の部屋へ行くこと事態が目的であれば君は必要ない。
  ロックを使えばいいからだ。彼も以前あの部屋に入ったと予想される。
  しかし、問題なのは私があの部屋の中に入れない事だ。今現在のロックも入れないだろう。
  だから君が必要だ。君はあの部屋に入る事ができる。
  君には鏡の部屋に入って“ある物”を取ってきてもらうつもりだ。」

(二人と一匹は学園長室に到着した。学園長はいないようだ。
部屋に入るとすぐに姿見が目に入る。それが鏡の部屋への入口だ。)
ギル「砕け散れ!」
(ギルハートが杖を振ると、部屋に飾られていた歴代学園長ズの肖像画が破壊された)
「来たれ!鏡よ!」
(ギルハートは姿見に対面するように(つまり合わせ鏡になるように)鏡を召喚した。
姿見の景色がぐにゃりと歪んでいく。)
「やはりな…」
(姿見には映るはずのない部屋が映っていた。 謎の部屋の奥で何かが光っている)
「さあ、入りなさい。手にするべき物はすぐにわかる。」

(リリアーナ、扉を開けた途端、物凄い風が吹き込んできた。色とりどりの電飾に驚く)
リ「え?え?・・・・・・ええ??」
(リリアーナ、思い切りドアを閉める)
リ「い・・・今のは何?」
(ギルハートに促され、もう一度扉に手を掛ける)
ギル「おお、言い忘れるところだった」
「私はこう見えても短気でね。
例えば、この砂が全て落ちる前に君が帰らなかったら…
あの二人は永遠に君のもとを離れるかもしれない。」
「―――― 地獄に落ちるといいわ!」
(扉を閉めてさえいれば鏡の部屋の様子が見える。
 だが、開けるたびにありえない世界に出てしまい、慌てて閉めるの繰り返し)

リ「無理よギルハート!入れない。これじゃ取りに行けっこ無いわ!」
追い詰められた私は涙声になった。
リ「ねえ、どうすればいいの?」
(ギルハート、手元の砂時計を私に見せつけるように弄ぶ)
リ「・・・人でなし!」

リ(お願いです、鏡の部屋に入れてください)

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年09月18日 10:43
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。