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ダイ・ハード――大胆に命の術を磨け!―― - (2008/08/09 (土) 22:34:08) のソース

**ダイ・ハード――大胆に命の術を磨け!―― ◆7jHdbxmvfI

薄く朝日が照らし始めた午前五時。 
殺し合いとは思えない和気藹々とした雑談。 
それを聞きながら見張り役を務めている灰原はため息を吐いた。 

「はあ、のんきなものね。恐怖で震えられても困るけど、緊張感が無いのもかんがえものだわ」 

事実、部屋の奥では明るい声が聞こえてくる。 
さすがに大声は出していないので、会話の内容は認識できず、当然屋外に漏れては居ない。 
しかし見張りを続ける灰原には、少しばかり呆れも混じる。 

 まるで少年探偵団のみんながいるみたいだわ。あの子たちも大きくなれば彼女達みたいになるのかしら。 

思わず感傷に浸ってしまう。 
緊張感も少しばかり緩む。 
それぐらい外を誰も通りかからず、そして部屋の奥からは明るい声ばかりが響く。 


   ☆   ☆   ☆ 


「ククク。ここはとても楽しい場所だ。あのDIOとかいう逃げた狗の記憶では空条承太郎とジョセフ・ジョースターはこの闘争に参加している。 
私を満足させられる、あの神父のような人間が参加しているとは。実に素晴らしい」 

太陽を克服した最上位の吸血鬼アーカード。 
アーカードが目指すは駅。 
理由など一つ。手っ取り早く繁華街に向かう為だ。それになによりDIOが逃げた方向は北の方角。 
あのDIOを逃がさない為に、自分からの逃走など許さない為に。 
アーカードは駅を目指し歩いた。 
紅いコートが風になびく。 
黒い長髪の男は、眼鏡の奥から鋭い眼光をぎらつかせ、速い歩みで歩き続けた。 


   ☆   ☆   ☆ 


部屋の中で繰り広げられるはとても明るい会話。 
その中心にはやはり桂がいた。 

「だから俺はヅラじゃない。桂小太郎だっ!何度言えば分かる。お前達はっ!……ったく」 

ちょっとばかり怒りの篭ったセリフ。しかし女子高生二人はそれでは怯まない。 

「でもいいじゃないですか。長髪なのにヅラって逆に愛嬌があって……ねえ」 
「はい。とても素敵だと思いますよ。こなたさんやつかささんもきっと面白くて笑うと思います」 

かがみが笑いながら話を振り、それを丁寧に、そして超ど級の毒を混ぜて返すみゆき。 
この二人のコンビにはさすがの桂も勝ち目はない。 

「はあ………そういえば……君達はこれは知ってるか?ちょっと不思議な物何だが」 

勝ち目が無いと悟ればすぐに話題を変える。 
逃げの小太郎は、会話でも逃げときはすぐに見極める。 
机の上には一つの腕時計が置かれた。 

「何これ?」 

かがみはその腕時計をすぐさま手に取る。 
そしてすぐに―― 

「ただの時計じゃないの?」 
「ええ。私もそう思いますが」 

――二人とも同じような返事を返す。 
自分達が普段つけている腕時計と特別変わった様子は無い普通の腕時計に見えた。 
しかし小太郎は首を横に振る。 

「違う。説明書には『腕時計型麻酔銃』と書かれていた。一応予備針も十本ついていた。 
だが俺にはどうもその使い方がわからない。それで君達に聞いたのだが」 

小太郎の表情は先ほどとはうって変わって真剣そのものだった。 
その表情を見ると、二人もさすがに真剣になる。 

「……分かったわ。少し待ちなさい……えっと、この部分……っんと」 

かがみは真剣に時計をチェックする。 
すると脇の部分におかしなスイッチを発見。 

「なに?」 

思わず押してしまう。 
すると狙いをつけるためのスコープのような物が出てくる。 

「えっ?」 
「なんでしょう」 

二人は思わず顔を見合わせる。 
しかしどちらとも「さあ」といったふうに首を横に振る。 

「なんだ一体?これは……」 

思わず小太郎がその時計に手を伸ばす。 
かがみも小太郎に時計を返そうとするが、そこでもう一つのスイッチに指が引っかかる。 
結果、スイッチを押す形になり、麻酔針が発射される。 
そしてそれは的確に小太郎の眉間を捉え、麻酔針は見事小太郎に命中する。 

「んっ!?……はにゃにゃにゃあぁぁ」 

針が命中したその直後、小太郎は意味不明を気持ち悪い奇声を小さく出してそのまま目の前に倒れこんだ。 
座っていたソファーからもずり落ち、床の上に小さな衝突音を伴って、そのままぐっすりと眠りこけていた。 

「えっ?桂さん、どうしたの?」 
「あの、……いったい?」 

かがみとみゆきは小太郎に駆け寄るが、むろん小太郎は目覚めない。 
時計型麻酔銃によって眠ってしまえば、簡単な事では目覚めないからだ。 
しかしそれを知らず、そして混乱してしまった二人は更に最悪の行動を取る。 

「ちょっと灰原さんっ!お願い来てっ!」 

ドアを開け大きな声でかがみは灰原を呼ぶ。 
これが更に最悪の事態に拍車をかけるとも知らずに…… 


   ☆   ☆   ☆ 


一方その頃、灰原哀はやはり一人で見張りを続けていた。 

「……ふう、本当に誰も来ないわね。やっぱり場所が悪すぎたのかしら?」 

徐々に明るくなりつつある外の世界を見つめながら灰原は呟いた。 
みゆき、小太郎、かがみと出会って以降はまずで人通りが無い。 

 やっぱり地図の端じゃ人は来ないのかしら。でも中央の方へ行ったら交戦的な人物と出会う可能性も……どうしたらいいのかしらね。 

考えても、考えても、思考は纏まらない。 
今の自分達の戦力では、不用意に外を徘徊することは死に直結する可能性が高い。 
しかしここにいつまでも留まっているのも安全かといえばそうではない。 
第一、具体的に今現在どれぐらいのペースで殺し合いが進行しているのか判断がつかない。 
現時点での死者数が分かれば動くべきか待つべきかの判断もしやすいのかもしれないが、今それを知る術は無い。 

「……そろそろ見張りの交代の時間ね。あとはいろいろ話し合って……」 

時計を見ると交代の時間は間近だった。 
思考を一度打ち切り、立ち上がろうとする。 

が、しかし一度立ち上がろうとしたがそれは思いとどまる。 
外に人の姿が視認出来たからだ。 
紅いコートに黒い長髪に眼鏡。そしてあの長身。 
すぐに気付いた。名簿に載っていたあの男だという事に。 

 アーカード 

心の中でそう呟く。 
両手で口を押さえ、一言も発さず、ただ遠ざかるのを祈る。 

 冗談じゃないわ。吸血鬼ですって……しかも闘争を心から楽しむ戦闘狂………最悪だわ。まだ神父とかなら対処の予知もあるのに。 
 よりにもよって一番話しが通じない……落ち着きなさい。ここは気付かれていない。きっと繁華街へ向かう為に電車に乗りに来ただけ。 
 だから黙っていれば、物音を立てなければ気付かれずに済むはず……きっとそう、だから落ち着いて……落ち着くのよ。 

体をピクリとも動かさず、アーカードが遠ざかるのを待つ。 
幸いにも視線は駅の方へ向いている。 
このまま物音を立てなければ通り過ぎてくれる。 
そう信じて、ただ祈り続ける。 

でもそれを最悪のタイミングで打ち破る声が合った。 

「灰原さんっ!お願い来てっ!」 

 えっ!? 

全身から汗が噴出す。 
冷たい嫌な汗が。 
その声は家の外にも漏れたのか、紅いコートの男は振り返る。 
そして一瞬灰原と目が合う。 

ニヤリ 

そう笑っているように灰原には感じ取れた。 
アーカードはそのまま身を翻し、こちらへと向かい歩いてくる。 

 ………最悪だわ。どうすればいいの?このままじゃ殺される。マシンガンで撃退……駄目だわ無理。 
 あの怪我で歩いてるのよ。マシンガンなんて利くわけが…… 

灰原哀は茫然自失だった。 
とにかくいろいろな感情がぐるぐると渦になって灰原の中を駆け抜ける。 
ありとあらゆる案が浮かんでは消え、浮かんでは消え、何一つとして妙案など思い浮かばず絶望が支配しつつあった。 
でもそうしているうちにも時間は進み続け、アーカードは少しずつ近づいてくる。 

「ちょっと灰原さん?聞いてる?」 

 はっ、 

かがみの声でようやく意識を取り戻す。 
意識が飛んでいたのは時間にすればほんの数秒。しかし今はこの数秒さえも惜しい。 

 落ち着いて。まだ大丈夫よ。逃げれば、みんなで走れば。 

「かがみ!今すぐに家を出るわよ。みんなを呼んできなさい。荷物も忘れないで!」 
「えっ?でもあのっ……」 
「早くしなさいっ!アーカードが……殺人鬼がこっちに来るわよっ!!」 

少し怒鳴り気味の口調で、灰原は全力で走って部屋に向かう。 
殺人鬼という言葉でジャギを思い出し、思わずかがみも灰原の後を追う。 


灰原が戻ると、部屋の中では信じられない光景が広がった。 
桂小太郎は眠りこけ、みゆきはオロオロしている。 
その光景は惨劇のあとのように今の灰原には思えた。 

「なっ……なにをしてるの?」 

激しく動揺しつつも状況の確認を急ぐ。 
するとみゆきは腕時計を灰原に見せる。 

「桂さんの支給品だったのですが使い方が分からなくて触ってたら……急に………」 
「分かったわ。それで眠ったのね。じゃあ……かがみさんとみゆきさんで桂さんを抱えて。とにかく急いで脱出するのよ」 

みゆきは静かに語りだすが、見せられた腕時計で灰原はすぐに答えが導き出す事ができた。 
一刻を争う状況のために、みゆきの言葉をすぐに打ち切り、行動の手順を指示した。 

「えっ?でもどうして?」 

みゆきはイマイチ状況を飲み込めていない為にすぐには行動に移れない。 
しかしそれと同時に階下で轟音が響いた。 
ドアを突き破って入ってきたのを分からせるかのような轟音が。 

「なんですか?今の音は?」 
「だから殺人鬼が下にいて襲ってきてるの!すぐにこっちに来てもおかしくないわ。急ぎなさい!!」 
「はっ……はい」 

その灰原の有無を言わせぬ言葉と下で響いた轟音も相まって、さすがのみゆきもただ事ではない事を察し、 
かがみと共に小太郎と担ぎ脱出用シュートから地上へと逃げる。 


   ☆   ☆   ☆ 


何とか脱出用シュートを使い地上に逃げ延び袋のねずみは避けた。 
しかし、一時的に危機は脱したといえ、アーカードはすぐ近くに居る事に変わりはない。 
現に先ほどまでいた民家からは侵入者用の仕掛けを破壊しているのだろうか、何度も物が壊れる音が聞こえてくる。 
みゆきもついさっきまでと違い、現状をようやく理解したのか少し表情が青ざめていた。 
小太郎を担ぎながら逃げてもすぐに追いつかれる。 
この危機的状況を作った原因が自分のせいであると考え、柊かがみは自分自身を責めていた。 
自分が不用意に時計のスイッチを押して小太郎さんを眠らせなければ、自分が無用心に大声を出さなければ。 
この二つが無ければきっと自分達の隠れ家が見つかる事はなかった。 
二度の失敗は悔やんでも悔やみきれないまで、やり直しが利かないところにまで自分だけでなく仲間まで追い込んだ。 
自責の念に潰されそうだった。 
このまま小太郎と担いで四人で逃げるという選択肢はまず相手に追いつかれ全員殺されるだけ。 
その考えがどうしても脳裏から離れない。 
そしてその悲惨な結果を変える手段など、たった一つしかないことも十分に分かっていた。 


「…………灰原さん、電車まであと何分?」 
「……今が五時半だから三十分よ。とてもじゃないけど、電車を待ってる余裕は無いわ」 
「そう……………ねえ灰原さん。私の変わりに桂さん担いでもらえる?」 

長い沈黙のすえに出した言葉。 
この言葉の意味を灰原は理解するまでにさほど時間は掛からない。 

「……それぐらいならいいけど………まさか」 
「任せなさい。三十分は少しきついけど……まあ何とかしてみせるから」 

ゆっくりと語りだしたかがみの口調は女性ながらに凛としていた。 

「待ってくださいかがみさん。それなら私が……」 
「いいわよ。それにみゆき眼鏡落としたらそれで終わりでしょ。大丈夫、ちょっと相手したらすぐに逃げるから」 
「でっ、でも……」 

みゆきにもこの意味は理解できる。 
それ故にそれを実行させることは出来ない。 
とにかく必死で食い下がる。 

「それならこの銃で一緒に倒しましょう。これならきっと」 
「無駄よ。最初は半信半疑だったけど、あの行動、怪力から見てプロフィールは全て本当と見て間違いない。 
当然不死の化け物なのもほぼ確実。その銃では弾を全て撃ち込んでも前進を止めるのも危ういわ」 
「そんな……それじゃあ……」 

みゆきはうなだれる。 
一縷の望みを繋いだ提案も否定された。 
このままでは親友を一人残して自分達だけが逃げる事になる。 
でも、それを止める事も出来ない。それ以外にこの死地を脱する方法は見つからないのだから。 
そしてその案を拒否したら眠り続ける小太郎が死ぬのも防げない。 
全員が確実に生き延びる代案を出せない自分自身が、みゆきはとても歯がゆかった。 

「分かったわ。じゃあ私達は駅に向かうわ。かがみ、正午にボーリング場で待ってるから絶対に来なさい」 
「そんなっ、灰原さんっ!?」 

灰原の言葉にみゆきは否定的に口を出す。しかし灰原は冷静に告げた。 

「大丈夫よ、彼女の目は死んでない。きっと勝算があるんでしょ。だから約束したのよ。まさか破る気は無いんでしょ」 
「当たり前よ。吸血鬼だが知らないけど、こんなところで死ぬ気なんてないんだから」 

かがみの言葉は芯の通った確固たる信念を感じさせた。 
みゆきもこのかがみの言葉の前には引かざるを得ない。 
もう止める事は出来なかった。 

「……分かりました。ですが必ず生きて戻ってきてください」 
「分かってるわよ。つかさを残して死ねるわけないでしょ。それに今日はまだこなたに突っ込みいれてないんだから」 
「……そっ……そうですよね。ふふ」 

最後に軽口にみゆきは合わせるように笑った。その後すぐにみゆきと灰原は眠り続ける小太郎を二人で担いで駅へと姿を消した。 
そしてそこに残ったのは柊かがみ、ただ一人。 

「………さてと。どうしようかしらね」 

事実大口を叩きはしたが、勝算などあるわけが無かった。 
さっきのは三人を逃がす為のただの嘘。 

 ああもう!私らしくないわね。どうするのよ!出来ればあのまま家の中ばっかり探し続けて時間経ってくれればいいんだけど…… 

思わず甘い期待をしてしまう。 
でも現実は甘い期待を必ずと言っていいほど裏切る。 
次の瞬間には民家の壁を突き破り、紅いコートを羽織った長身の大男がかがみのまえに姿を現した。 

「貴様一人かヒューマン。先ほど私と目が合った女はいないのか?」 

男アーカードは問いかける。 
柊かがみはそれに対して首を縦に振る。 

「当たり前よ。あっ、あんたなんて……私一人で十分よっ!」 

少し声が震えるが、勇気を振り絞りアーカードに対し啖呵を切る。 
ここで震え怯えてはすぐに攻撃されて一瞬で終わる。 
それだけはかがみにも想像できた。 

「そうか……お前一人か」 
「そう言ってるじゃない。あんた私に喧嘩うってるでしょ。まっ、まあいいけどね」 

必死で勇気を出し、アーカードに対峙する。 
威圧感に負けないようにとにかく必死で。 

「ククク、ハハハハハ!面白い!面白いぞヒューマン!!」 

その言葉を聴いた瞬間、アーカードは大声で笑い出す。 
本当に面白い物を見ているかのように。 

「この私を相手に一人で戦いを挑むとは実に素晴らしい。先ほどのDIOや平賀才人のような逃げ出す狗ではないというのか。 
その婦警よりも貧弱な体をもってしてこの私に戦いを挑む、その無謀ともいえる勇気。愉快だぞヒューマン!!」 

アーカードは一歩ずつかがみに向かい歩き出す。 

 ちょっと……いくらなんでも素手で壁を壊すなんてどういう化け物よ。……しょうがないわね。こうなったら―― 

かがみはアーカードに向かい走り出し、近くにあった壁の破片を拾いそのままアーカードの顔へ投げる。 
むろん、破片が当たったところでダメージなど皆無。 
しかし一瞬歩みは止まり、視線もかがみから外れる。 
その隙にかがみはアーカードから大きく距離を取る。 

「何のつもりだ人間」 

眼鏡の奥から光る眼光が強い威圧感を与える。 
だけどかがみはその恐怖を堪えて、必死で言い放つ。 

「私と戦いたいなら追いついてみなさいよっ!」 

挑発するとさらにかがみはアーカードから視線を逸らさずに後ろに歩いて距離を取る。 
その行為にはアーカードも思わず顔をにやける。 

「ククク、ハハハハハハハハ!この私を見下すとは貴様我が主インテグラよりも気が強いのか。それともただの虚勢か。 
まあいい。どちらでも構わない。この私に戦いを挑んだ度胸は称賛に値する。名誉と思い―――そして死ね!!!」 

「嫌よっ!」 

アーカードの死ねにすぐ言い返し、そのまま身を翻して一気に走り出す。 
全力疾走に近い凄い勢いで。 

「ククククク。面白いぞ。だが私は逃がすようなことはしない。一度戦場に上がった以上逃走など許されないのだよ。なあヒューマン」 

アーカードはすぐにかがみを追いかける。 
その速さはかがみを遥かに上回る。 
追いつくのも時間の問題であった。 

 ちょっ!なによあの速さ。追いつかれる……もうっ! 

かがみは角を何度も曲がり、アーカードから逃れようとする。 
しかしそれはほとんど効果が無い 
アーカードの身体能力は女子高生が敵うようなものでは決してない。 
いくつもの曲がり角を利用する事により、加速を抑え追いつかれないようにしてはいるが、それもただの時間稼ぎに過ぎない。 

 はあはあはあ、もう信じられない。このままじゃ追いつかれるじゃない。私が小太郎さんの支給品のボタン押さなければ…… 
 って待ちなさい。私の支給品は…… 

走りながらもようやく自分の支給品の存在を思い出し、鞄を開ける。 
すると中には三つの紙があった。 

 これが支給品?えっと…… 

走りながらも何とか一枚の紙を掴む。 
その紙に書かれた説明書を読もうとしたときだった。 
不意に右足の感覚が無くなった。 

 えっ!? 

そしてそのまま地面が目の前に迫る。 
いや違う。自分の顔が地面に接近しているのだ。 

「きゃあああああぁぁぁぁ!!!!!」 

顔面から地面にダイブするように転ぶ。 
掴んだ紙は握り締めたまま、鞄は肩に掛けたまま。 
そして開いたままの鞄の口からは一枚の紙が外に飛び出した。 

「うっ、ううう……いったいどうして……!?」 

顔に手を当てるとドロリとした血が出るのが分かる。 
コンクリートの地面に顔面から突っ込んだ以上無傷で済むわけはない。 

「何よ顔……まさか、それに足が……」 

かがみは自分の足を見て、そして絶句した。 
右足の膝は肉が抉れ、割れた骨が露出していた。 
更に筋肉の筋もズタズタに割かれ、歩くのはもちろん動かす事すら出来そうにない状態だった。 

「どうしたヒューマン」 

そしてそこにアーカードが迫っていた。 
右手には途中の壁から抉り取ったのか、コンクリートの欠片が握られていた。 

「あっ、………まっ………さ……か」 

かがみは途切れ途切れになりつつ言葉を繋いだ。 
そしてそれに答えるかのようにアーカードは右手を開いてコンクリートの欠片を落とした。 

「どうした?まだ右足から骨が突き出て肉が抉れているだけだろう!すぐに足を再構築して立ち上がれ!そして私に牙を向け!さあ向かって来い! 
まだ戦いは始まったばかりだぞ!HURRY!HURRY!HURRY!HURRY!HURRY!HURRY!HURRY!HURRY!HURRY!」 

アーカードから発されるオーラ、威圧感はついに完全にかがみを飲み込む。 
足の怪我ははっきり言って処置不可能といってもいい。立ち上がるなど不可能。 
絶体絶命。 
かがみは現状に恐怖して、両手で何とか後ろに後退するがそれよりもアーカードの足の方が早い。 
徐々に間合いが詰められていく。 

「所詮貴様もただの人間か。チェックメイトだヒューマン!豚のような悲鳴を上げろ!」 

アーカードが遂にかがみの傍まで辿り着き、右手を振り上げた。 
その光景がかがみにはスローモーションに感じられた。 
人間は死ぬ瞬間に走馬灯を見ると言うがこれがその走馬灯というものなのだろうか。 


「ねえかがみん?萌え要素分かるかな?萌え要素」 
「はあ、あんた何いってるの?萌えってあの萌え~ってやつ?」 
「そうそれ!かがみんもツンデレ属性あるよね。それをもっとこうアピールしたらきっと人気出るかもよ」 
「別にいいわよ私は。ってそれよりかがみん言うなっ!」 
「ええ、でもお姉ちゃん『かがみん』ってちょっとだけ可愛いような……」 
「つかさあんたまで」 


走馬灯に蘇るのは楽しい学園生活の日々。 
そしてそれを思い出し、キッと目を見開く。 

「つかさを残して死ねるわけ無いでしょうがっ!!!!!」 

素早く紙を解き、中から出るは十文字槍(クロススピア) 
その刀身でアーカードの拳を受け止めようとする。 

「最後まで立ち向かうその姿勢はとても大事なことだ――――が、お前は所詮狗の餌だ!!!」 

アーカードの拳は振り下ろされ、それは刀身を砕き、かがみの頭に深々と沈んだ。 
脳漿は飛び散り、頭部は完全に砕け散った。 
そしてアーカードは血飛沫を浴びながらそこに立つ。 

「くだらん。所詮威勢がいいだけの人間か。狗の糞となってしまえ……ん?」 

そこでアーカードはかがみの鞄からこぼれ落ちた一枚の紙を見つける。 
自分の時は大きな戦闘機が紙から飛び出てきた。 
それを考えればあの紙にも当然中身はあるはずである。 
アーカードはかがみの遺体に背を向けて数歩進み、紙を拾い上げ開く。 

「ククク、素晴らしい銃じゃないか。我が銃ジャッカルには及ばないが、この戦いの場に相応しい銃だ」 

出てきたのは黒く猛々しい巨大なリボルバーとその予備弾30。 
リボルバーの銃身はジャッカルより長く、それがアーカードは気に入った。 

「さあ向かおう。パーティはまだこれか――」 

銃を握り締め、駅へ戻ろうとしたその瞬間。 
自らの首から槍が突き出ていた。 
否、背後から槍で刺されていた。 

「なっ!?」 

振り返るとそこにいたのは柊かがみだ。 
その姿は正に健康な時のかがみそのもの。 
潰れたはずの顔は元通り。グチャグチャになったはずの右ひざも完全に修復され、完治していた。 

「終わりよっ!!!」 

そのままかがみは槍を横に抜く。 
アーカードの首は頚動脈が両断され、大量の血が首から吹き出る。 

「……面白い!とても面白い!!体を再構成して再び向かってくるとは。貴様も私と同じ化け物か。あのルーク・バレンタインより遥かに素晴らしい! 
さあ続きをしようじゃないか。楽しい宴の続きを」 

BANG! 

響くは一発の銃声。 
それがかがみの頬を掠め片耳を吹き飛ばす。 
しかし頬の傷は、吹き飛んだ耳は、すぐに元通りに修復される。 

「あんた……許さないっ!絶対に倒してやるんだから!」 

かがみは強引にその場で反転、勢いをつけて一気にやりを振りかぶりもう反転。 
遠心力を利用して強引にアーカードの左腕に槍を叩きつける。 

「これで終わりよおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!」 

アーカードはその場を動かず、直撃を許し、そのまま勢いよく壁に激突する。 
その力は叫び声に比例したのか、とにかく強く全力全開の一撃。 
そしてかがみは壁に激突し静止したアーカードの顔に更に二度三度槍を突く。 
かがみはとにかく必死だった。 
一度死というものを実感し、吹っ切れた。 
いや、吹っ切れてはいない。だが疑似体験の死は興奮状態にさせるには十分すぎた。 
勢いに身を任せ、興奮のままに更に何度も顔面を、腕を、足を、胴体を突く。 
そしてどれだけ経っただろうか。 

 はあはあはあ………死んだ? 

既に何十箇所か具体的数が分からないぐらい槍で突き刺した。 
アーカードは動かない。死んだと思える。 
でも一度落ち着いて死を実感すると、次にこみ上げる物は一つしかない。 

『罪悪感』 

それがかがみを攻める。そして血まみれのアーカードの状態はそれを更に加速させる。 

「うっ……がっはっ……」 

思わず吐き気が出る。 
ここに来てまだ何も食べていない為、出るのは胃液のみ。 
だが、殺したという認識の誤りにはすぐに気付く。 

「どうした、もう終わりか?私と同じ化け物よ」 

この声によって。 
さっきとまるで同じ声。 
声の主アーカードはゆっくりと立ち上がり、かがみの前に立つ。 

 うそっ、死んでない?どうして?あれだけ突いて……… 

BANG! BANG! 

アーカードが引き金を弾き二発の銃声と共に撃ち出された銃弾はかがみの顔に当たる。 
二発の銃弾の直撃を受けた顔はトマトが割れたかのように破裂し、首から上が損失する。 
しかしそれも一瞬でしかない。 
かがみが持つ槍は『激戦』 
自動修復の機能を持つ槍は、かがみが槍を手放さない限り致命傷の傷でも瞬時に回復させてしまう。 

「ククク、ハハハハハハハ!何という回復力だ。その速さ。全く持って素晴らしい化け物だ。次は私を殺して見せろ!心臓だ! 
次は心臓を狙え!!その槍でこの心臓を貫き抉って見せろ!!!」 

アーカードは近づいてくる。 
だがその言葉を聞き改めて心臓を狙う余裕は既に無い。 

 ちょっとどうなってるの?それに心臓なんて……もしこの槍掴まれて取られたら……それは駄目。嘘よあんな言葉。……きっと 

アーカードのいくら傷を与えてもビクともしない姿はかえってかがみを不安にさせた。 
逃げるしかない。 
しかし、真っ直ぐ逃げても先ほどと同じように追いつかれるのは明らか。 
かがみは確実にアーカードを撒く為に、目の前の民家の窓に飛び込む。 

「また鬼ごっこか。くだらない事をするな。私と同じ化け物よ!」 

かがみを追い、アーカードも民家の壁を突き破り侵入する。 
一番奥の部屋で柊かがみは待ち構えていた。 

 これが……最後の支給品。逃げるにはやるしかないわね。これでさすがにしばらくは足を止めれるはず。 

かがみは部屋に入るとすぐに最後の支給品の確認を行った。 
その最後の支給品は一枚のディスク。しかしそれはただのディスクではない。 
紙に記載されていた説明に従い、ディスクを頭部へと入れる。 
そして部屋にあるのは二枚のカーテン。 
ディスクにより得た力と手元のカーテン。この二つで仕掛けの準備をして、かがみはアーカードが入ってくるのを待つ。 

待ちの体勢に入ってほんの数秒。 
勘の鋭いアーカードは真っ先に奥の部屋と感じ取ってドアを開いた。 
そしてドアが開くと同時に、かがみは部屋に備え付けられていたカーテンを被せるように投げる。 
カーテンはアーカードの頭上から覆い、見事に姿を隠す。 
しかしそれはほんの僅かの時間。すぐにカーテンを引き裂きアーカードは自らの顔を出す。 
だが次の瞬間、アーカードは見たのは柊かがみと、そして全身に炎を纏う筋肉質の肉体と鳥の頭を持った古代エジプト神を模したかのような紅き怪物。 

「これでっ……終わりよっ!」 

かがみの叫びと共に、鳥の口からはアンク型の炎が発射される。そしてそれはアーカードを直撃。 
発火性が高いカーテンが絡んでいるのもあり、灼熱の炎は瞬く間にアーカードの全身を焼いていく。 
それを見届けると、かがみは急いで窓を破り家から脱出を試みる。 
それから一体どれだけ走っただろうか。 
万が一アーカードが生きているのを考えるとかがみは駅へ向かっては走れなかった。 
事実何度攻撃しても全くダメージを受けている様子が無かった為に、また追いかけてくるかもと考えたからだ。 
そのために駅とは逆に南東の方角に走り続けた。 

 はあはあはあはあはあ………ここまで来れば……えっ? 

不意に膝が折れて地面に倒れる。 

 どうして?………うっ、疲れが……急に…… 

緊張が切れた為に無理しすぎた疲れが津波のように襲い来る。 
既に意識を保つのがやっとと言う状態だった。 

「うっ……やばい意識が……何とか………どこかで休まないと」 

槍を杖代わりにして、かがみは家を捜し歩く。 
フラフラした状態で、とにかく必死に。 


   ☆   ☆   ☆ 


燃える家の隣の通りの民家に一人、重傷を負った男が一人倒れている。 
男はカーテンを燃え盛るカーテンを強引に引き離し、そのまま民家を脱出して隣の民家にて体を休めていた。 

「あの女の後ろにいたもの……DIOの記憶ではスタンドとかいう代物か。それを操るとは素晴らしい女だ。 
しかしつめが甘い。私を殺さずに逃げるとは。ククク、次こそは最後まで戦おうじゃないか」 

アーカードは十字架の炎の体を焼かれながらも、楽しそうに笑う。 
自分を楽しませることが出来る人物がまた一人増えたのだからアーカードにとってそれは史上の悦びだった。 

 本当にここは面白い。DIOとその宿敵以外にもあれほどの女がいるとは。あのような奴が何人もいるとは……楽しみだ。 
 とても楽しみだ。とてもとても楽しみだ。 

大の字に倒れながら、アーカードの眼鏡の奥の真紅の瞳は輝きを失わず、むしろ更に光りと鋭さを増した。 
右手に握る銃も、アーカードに答えるかのように黒く輝いた。 


   ☆   ☆   ☆ 


「あの……あれは?」 

駅について二十数分。 
もう数分で電車が来るというところで、みゆきは遠くに煙が立ち込めているのを目撃した。 
そしてそれについての見解を灰原に求める。 

「……あれは火事ね。煙の量から考えてもかなり大規模な……時間を考えてもかがみか……もしくはあの男がやった可能性は十分あるわね」 

しばし考えて自らの回答を出す。 

「じゃあかがみさんは?」 
「それはわからないわ。燃やしたのがかがみなら勝ってるかもしれないし、あの男ならもしくは……」 
「そんなっ」 
「……一つの可能性よ。それにまったく別の人がやった可能性だってあるわ。後は私達がボーリング場で六時間後に会えるのを祈りましょう」 

みゆきの友を心配する気持ちは灰原にも十分理解できた。 
だからこそ正直に打ち明けるべきと考えた。 
常識に考えてあの状況でかがみが生き延びている可能性など限りなくゼロ。 
むしろこうして自分達が無事……つまり足止めに成功しただけでも奇跡に近いのだ。 
それでもまだ、100%では無い以上断定は出来ない。 
灰原自身、かがみの安否は気になっていた。 

 無事でいてくれるといいのだけど。無茶しないで生きて戻ってきなさいよ。 

「天パーよ。私はヅラじゃない桂だと言ってるだろうが……んんぅ……むにゃむにゃ……」 

灰原が言葉に出来ない思いをしている最中に、空気をまるで読まない寝言が聞こえてくる。 

「………はあ、この人は本当にしょうがないわね」 

思わずため息。 
まだまだ灰原の気苦労も終わりそうには無い。 

【B-5 南西部市街地 一日目 早朝(6時手前)】 

【柊かがみ@らき☆すた】 
{状態}疲労甚大 無傷 
{装備}核鉄「激戦」@武装錬金 マジシャンズレッド(魔術師の赤)のDISC@ジョジョの奇妙な冒険 
{道具}支給品一式 
{思考・状況} 
1:休める場所を探して休む。 
2:正午にボーリング場に辿り着くように行動して、灰原、小太郎、みゆきと合流する。 
3:つかさを探して守る。 
4:こなたを探す。 
5:生きてみんなと一緒に帰りたい。 
6:脱出の方法を見つける為に、出来れば仲間がほしい。 
※ジャギを危険人物と認識しました(何故ジャギがケンシロウを名乗ったのかは不明) 
※アーカードを不死身の化け物と思っています。 
※「激戦」は槍を手から離した状態で死んだ場合は修復せずに死にます。 
持っている状態では粉々に吹き飛んでも死にませんが体の修復に体力を激しく消耗します。 
常人では短時間で三回以上連続で致命傷を回復すると意識が飛ぶ危険があります。 
負傷して五分以上経過した患部、及び再生途中で激戦を奪われ五分以上経過した場合の該当患部は修復出来ません。 
全身を再生した場合首輪も再生されます。自己修復を利用しての首輪解除は出来ません 
禁止エリア等に抵触し首輪が爆破した場合自動修復は発動しません。 
※マジシャンズレッドの火力は使用者の集中力によって比例します。 
鉄を溶かすほどの高温の炎の使用は強い集中力を要します。 
炎のセンサーは使用可能ですが精神力を大きく消耗します。 

【A-5 中部 民家内 1日目 早朝(6時手前)】 

【アーカード@HELLSING】 
{状態}頭蓋陥没、頭部にダメージ大 全身に打撲や骨折、ダメージ大(自然治癒中) 疲労大 全身に無数の裂傷、全身に重度の火傷 
{装備}フェイファー ツェリザカ(2/5) 
{道具}支給品一式  フェイファー ツェリザカの予備弾30 
{思考} 
基本:殺し合いを楽しむ 
1:しばらく民家内で休息を取り、傷の回復に努める。 
2:1の後再び、満足させてくれる者を探し闘争を楽しむ。 
3:DIO、柊かがみとも再度闘争を楽しむ。 
[備考] 

参戦時期は原作5巻開始時です 。セラスの死を感じ取りました。 
・首輪は外れていますが、心臓部に同様の爆弾あり。本人が気付いているかは不明。 
・DIOの記憶を読み取り、ジョセフと承太郎及びスタンドの存在を認識しました。 

柊かがみをスタンド使いと認識しました。 
【A-4 S6駅ホーム 一日目 早朝(6時手前)】 

【灰原哀@名探偵コナン】 
{状態}健康 
{装備}ルイズの杖@ゼロの使い魔 
{道具}支給品一式 参加者顔写真&詳細プロフィール付き名簿 
{思考・状況} かがみ無事でいなさい。/桂さん…… 
基本行動方針 殺し合いには乗らずに、脱出の方法を考える。 
1:もうすぐ来る電車に乗ってS-10駅まで移動する。 
2:車内で何とかして小太郎を起こす。 
3:正午にボーリング場にいるように行動し、かがみと合流する。 
4:コナン、小五郎、平次と合流 
5:桂小太郎は天然と認識した 

【高良みゆき@らき☆すた】 
{状態}健康 
{装備}イングラムM10サブマシンガン(32/32)@BATTLE ROYALE 
{道具}支給品一式 イングラムM10サブマシンガンの予備マガジン10 
{思考・状況} かがみさん生きていてください 
基本行動方針 絶対に人を殺さない 
1:もうすぐ来る電車に乗ってS-10駅まで移動する。 
2:車内で何とかして小太郎を起こす。 
3:正午にボーリング場にいるように行動し、かがみと合流する。 
4:灰原、桂と共に協力者を増やし、脱出の方法を探す 
5:こなたさん達(こなた、つかさ)に会いたい 

【桂小太郎@銀魂】 
{状態}全身に打撲(行動には支障なし)、若干の疲労 熟睡中 
{装備}ライドル@仮面ライダーSPIRITS 
{道具}支給品一式 スタングレネード×2@現実 時計型麻酔銃(0/1)@名探偵コナン  麻酔銃の予備針十本@名探偵コナン 
{思考・状況} 
1:かがみ、灰原、みゆきを守る 
2:銀時たちと合流する(そう簡単に死にはしないと思っているので、この目的を優先する気はない) 
3:殺し合いには乗らないが、弱者を虐げるような外道には容赦しない 
4:灰原達と協力して脱出の方法を探し、主催者に天誅を下す 
※ライドルはライドロープ形態で懐にしまってあります。なお、Xの変身ベルトは支給されていません。 
※ジャギを危険人物と認識しました。(何故ジャギがケンシロウを名乗ったのかは不明) 
※時計型麻酔銃による睡眠時間は約90分です。吸血鬼(アーカード、DIO等)にも利くかどうかは不明です。 


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