漫画専門学校


自分の入った専門学校は東京の学校で2年のコース。高校卒業後、18歳、のことです。
生徒数は一学年150人程度で。3クラス。しかし、二年目に、生徒数が激減し2クラスになっていました。
まぁ…入学半年ぐらいで来なくなる人が、大勢いましたが…。

結論 から言えば…

 卒業して数年経ってからの感想として、専門学校での2年間は、ためになっていると思っています。
 仲間にはわりと恵まれ、お互い競い合って技術を磨いたことが、力を付けることにつながりました。
 そして、いろんな人の意見を聞くことにより、自分の視野を多少なりとも広げることができました。
 100%の素人であった自分が、卒業前…入学から2年にも満たない期間で「絵を描く仕事」アシスタントができるレベルにまで力を付けることができました。講師の方々と友人に感謝です。
 卒業から数年たって、入学時の自分の絵のレベルを考えると、よくアシスタントになれたものだと思います。入学当時は、自分より下手な人間を捜すのが大変なぐらいでした。(いたけどね…)。

 学校で学んだことを90%ほど取り込むことができれば。 漫画家に向いているのか、向いたいないのかの資質を計る事ができる段階にはなると思います。卒業後わずかですが、この人は漫画家より他の創作活動の方が明らかに向いているという方もいましたが、漫画家に向いていないと思えるような人はあまり見あたりませんでした。
 実際、マンガの資質なんていうものはやってみなくてはわからないびだち思います。自分的に…と付け加えさせて頂きますが。

 専門学校はプロの世界の入り口だったと思います。やはり、能力のない者、能力を身につけない者は評価されません。初めて「評価」の厳しさを実感しました。と、付け加えると、その後のアシスタントや、持ち込み等々の方がさらに厳しいのは言うまでもありませんが。

 よく専門学校はためにならないという人がいますが…どのくらい学校を休んだのか、課題をこなしていたのか…などを聞いてみて下さい。行ったり行かなかったりの人が、役に立つ立たないを話すのは反則だと思います。

専門学校での授業。
 自分が通っていた当時の専門学校の授業内容は90%が絵に関する授業でした。
 まずは、漫画の書き方から…。どんな道具で描くから…
 やはり、個人差があり、ペンを初めて見た人などもいます。その反対に持ち込みや、同人ですでにバリバリに描ける人も。
 ただし、卒業までに実力が逆転する例はたくさんありました。
 ほかに、授業内容はデッサン、背景の描き方、漫画で使うパース、効果線の描き方そのた、ネームの批評、ストーリーの作り方、作るポイント(起承転結)など。2年間で、ほとんど一通り。無理矢理詰め込む感じでした。
 どちらかというと、アシスタントの養成のような内容。でした。とりあえず業界に入れることが目的?
 自分の理想としては、ストーリーに関するもっと根本的なこと。マンガのもっと根本的なこと、基礎的なことを教えて欲しかったなぁと思いました。

 ただし、自分場合は個人的に先生と仲良くなっていろいろ質問などしてました。(絵、ネーム、課題作品の批評を事細かに聞きながら)

独学で十分やれるといえば、やれるような内容かもしれないですが、質問すれば、その都度リアクションがある、そこら辺が独学でできないことかもしれません。


卒業後の感想


利点


友人ができること。卒業後も新しい出会い、いろいろな人と知り合いましたが、同期生という人間関係は、自分個人的にではありますが、少し特別なものがあるように思えます。損得無しで物事を話し合える相手というはやはり記帳です。

2年間という、漫画の力を付ける時間を得ることができる。

全員がというわけではありませんが、画力はつきます。まじめに2年かん勉強すればアシスタントぐらいはできるのではないかと、思います。

欠点


 悪いところだって、山のようにあります。
いろいろなタイプの生徒とという問題。
 専門学校に来る人には、いろいろなタイプがいます。命がけで漫画家になろうとしている人間から、受験や現実を逃げた人。マンガを描くことだけがが好きな人間から、マンガを読むことだけが好きな人間。
 マンガという中毒にかかっている人から、ゲームという中毒にかかっている人。
 もちろん、マンガ読むのもゲームやるのも悪いことだとは思いませんが、マンガを描かないこと、勉強しないことは、学校に来ている意味がないと思いました。
  周りにも学校にきてはカバンおいてゲーセン、カラオケに向かう人やゲームの話しかしない人もいました。
  その人たちがどうなったか、いうまでもなく卒業時の段階で出遅れました。その周りにいた人たちも足を引っ張られているように見えました。正直言ってもったいない…そう思いました。

講師の問題

 漫画専門学校の講師をしている先生たち。彼らはなぜ講師をしているのか、 ごく一部を除いては漫画家になれなかったからです。(本人たちが、ちらっと言っていました。)。
 正直に話せば、講師の先生方はマンガを描くレベルはそれほど高くないです。

 漫画家をあきらめ新人の育成を本気で考えている先生などもいて、もう自分のことが吹っ切れているので、ほんとにいろいろと教えていただきました。

 問題は、漫画家を目指している先生。 彼らは自分のプライドが許さないのか、彼ら独自の考えを押しつけてくるところがあります。
 指導者としては視野が狭いのだと思います。そういう講師と接するときは、表面では頷きながら、それが正しいのかを見極めるのは自分自身なのだと思いました。最終的な判断は自分でしなくてはいけないのです。
 講師のいっていることが、正しいとは限らないと思います。
 そもそも、これをやれば絶対漫画家になれる…などという事そうそう無いでしょうし、合ったとしても講師をやっている方々がそれを持っていれば、講師をせずに漫画家をしていると思います。

物語の授業が少なかった。

物語の授業が極端に少なすきる。見た目に、教えることのできる人がいないような気がしました。
卒業生に聞いてみても、似たような意見を持っています。
物語は、結局独学に近いものになってしまいました。

根本的な問題

専門学校は、生徒が漫画家にならずとも、特に損はしないのです。強いて言えば、数年に1人り漫画家となって、卒業生がデビューしたことを広告できればよいのです。

データ

 数字からいうと、学校の入学案内のデータはあまり信用するこはできません。
 漫画家コースのアシスタント就職率は卒業段階で約5%。その後3年程度でも20パーセント、5年間後でやっと知り合いでは、80%ですが、この情報は専門学校には伝わっていません。
 アシスタントをして、なお技術、能力をうまく習得できた人は、知り合い15人中2人だけです。
 まぁ、ここら辺は、本人の努力と、やる気次第ですが。
 漫画家になれた人間はそれよりも遙かに少ない…のは、言うまでもないでしょう。

関連
その後専門卒業後の勉強会?へとつながりました。

最終更新:2006年11月07日 15:26