同人誌
同人誌とは…?
同人誌活動の実情
最初に、自分の知る限りという前提で以降語らせていただき、これが全てではないということをお断りさせて頂きます。
ジャンルのそれぞれ
●オリジナルとパロディ
一次創作(創作同人)
二次創作(パロディ同人)
●性描写の有無
18禁同人誌(エロ、やおい)
一般同人誌(健全)
大きく分けるとこうなると思います。
ご存じの方は多いとはいもいますが、売れるのは「男性向け18禁パロディー」です。市場規模、客数が圧倒的です。
自分は「やおい」に関しては、あまり知識がありませんが、取り扱い委託書店が少ないという噂は聞き及んでいますし、女性作家さんが男向けに転向していくという現状から推察するに、お金のためなら男向けとなるのだと思います。
創作とエロパロディー
同人誌と一言で言っても、創作とエロパロディーではかなり違うような気がします。
まぁ、どちらも持ち込み、投稿でうまくいかなかった人が(自分もですが)かなり多い割合で存在し、編集さんからあまりよい目で見られないという意味では、同じであるように思えます。
同人誌ジャンルの比較
創作とパロディ、双方で活動して見えたこと。
●売り上げ数
作り手の個性によりますが、よく聞く意見としては創作は売れないと言われます。
しかし、必ずしもそうでもないです。
イベントでの、売り上げはさほど変わらない可能性が高い。
ただ、委託書店での取り扱いの差で、売り上げ数、利益共に男性向け18禁パロディーが市場が大きいです。
●作風
18禁パロディでは比較的に、「クオリティ」と呼ばれる要素、見た目の綺麗さなどが必要とされるようです。
基本が、二次創作であるのでオリジナルの商品力に乗っかりものを売っている以上、商品力の一要素である「集客要素」に関する事があまり必要とされない。あえて集客に必要であるとすれば、周りよりもよい…よりよいという要素。そのもっとも比較しやすいのがクオリティー。
周りも二次創作なので、他と比較され何が選ばれるかと言えばオリジナリティより完成度、クオリティーといった事である気がします。
ですが、クオリティーの中にもどこにクオリティーを集中させる中などの意味合いでのオリジナリティーは存在しているかと思います。
何より、単純に考えればオリジナリティーを求めてくる客層は、パロディを描く作家を相手にはしないでしょう。
同人誌活動の利点と欠点
利点
絵や、作品に対して、厳しさが出ます。多くの人に見てもらうという事で評価してくれる人、くれない人。様々いることが、自分の視野を狭くしない事につながります。
●現実を知ることができる。
自分は本格的に漫画を描き始めて半年弱、
専門学校時代の18才の10月に初めて同人誌を出しました。
ゲームのパロディー同人誌で、性描写のない健全ものを6人の合同誌として作りましたが激しく売れませんでした。
しかし、印刷代という赤字と引き替えに、「今の自分の漫画は売れない」とう現実を見ることができました。
自分で思っていることなのですが、この実感が自分の能力アップへの原動力となったのだと感じています。
●制作意識の違い
専門学校を卒業し、持ち込みを等をするようになってからは、絵に関しては「まぁまぁうまい」という評価を得ることが多かったのですが、自分の分析としてこの評価の裏はデッサン力などの技術ではなく…
うまく見せよう
綺麗に見せよう
かわいく見せよう
かっこよく見せよう
と、思い描いた部分が、多少でも伝わった結果だと思っています。
それ以前の自分は上記の「こう見せよう」という部分が欠落していました。
欠点
●
井の中の蛙病になる
同人誌という狭い、市場で戦ってしまい、漫画市場全体を見れなくなるのではないかと思います。
活動していると同人誌で評価を得ようとしてしまいます。それは悪いことではないのですが、同人誌で評価を得ようとするあまり、同人誌の中だけで競争してしまう傾向があります。
同人誌の中だけで競争してしまうと、同人誌を買いに来る読者(漫画読者層から見て何パーセントを占めるのかは不明)の中だけで戦おうとし作風を狭めてしまいます。
よく言われる「同人臭い」と言われ、同人誌を買わない人の目からは、誰の絵か区別すらできない作風になることがあります。同人誌の世界の中では、その絵がその作家さんの絵だと、わかって頂けるのですが、外の世界ではそれが通用しません。
とはいえ、近年ではそのような絵でも十分な評価と、対価を得て生活する事はできるようです。
最終更新:2006年11月07日 19:23