■ プレシャスポートレイト -譜久村聖- ■
一目見ただけで虜になった。
その女性は、とても可愛かった。
とてもとても、可愛かった。
「えっ?あれっ!道重さん!この子…このひとっ!いったい誰ですか?!」
道重のシール帳、一枚のプリントシール。
くぎ付けになる。
おそらくまだ10代の道重、彼女お得意の『うさちゃんピース』。
そのとなり、目を細め、口元に指をあてる10代の少女…
「あっそれ?さゆみの親友なの。さゆみの親友で『えり』って…」
「『えり』さん…」
「うん、『かめいえり』いまはちょっと入院してるんだけど『えり』もリゾ…」
「かっ…かわいい…」
「ネイ…あ、でしょー?こっちのとかもかわいいのが…」
「はぁああん!かわいい!下さい!」
「へっ?」
「シール!画像!」
「あっああ…画像もあること前提なんだ…まあ、あるけどね…いいよあげる」
「やったー!」
「…ふくちゃんってさ…たまに…凄い迫力のとき、あるよね…」
そんなに気に入っちゃたの?
まあわかるけどさゆみも。
じゃあいつか、一緒にお見舞い行く?
いくいく!いきます!いきたーい!
結局、その機会は訪れなかった。
高橋が失踪したことで、なんとなく機を逸し、今に至ってしまった。
譜久村は一枚の画像を開く。
あのときもらった、『かめい』さん…すなわち『亀井絵里』の画像。
道重の声は、少しだけ、震えていた。
絵里がいないの。
そう言って、震えていた。
ふくちゃんの【能力】で絵里の痕跡を…
新垣さん達が調査に出かけて、今リゾナントには道重さんしか年上の人はいない…
責任感の強い道重さんが、あんなに声を震わせて…
きっとすっごい震えないように我慢して、我慢したけど震えちゃってるんだ。
すっごい不安なんだ、すっごい…
みずきがたすける!
聖が助けなきゃ!聖、道重さんの役に立ちたい!大好きな道重さんの!
大好きな亀井さんを!みずき探す!
投稿日:2014/11/25(火) 19:34:35.66 0
最終更新:2014年12月01日 19:35